Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
English: http://www.kunitakahashi.com/blog

続くリストラ

2009-02-13 14:05:01 | シカゴ
また今日、ニュースルーム(編集部)から20人ほどが解雇になった。

日本での俗にいう「首切り」がどういう形でおこなわれるのかは知らないが、アメリカの企業は実にドライだ。特にトリビューンのように組合のない会社の場合はさらにひどい。社員は当日に解雇を宣告され、その日に社を去る事になる。

まあ現実的には身辺整理などいろいろあるので、その後数日は大目にみられるが、それでも社の身分証明書などは当日に返還させられるので、翌日からは社の建物に足を踏み入れるのもゲスト扱いだ。

写真部からも1人切られた。

クリスは昨年の部署統合の際、写真部に移籍してきたビデオカメラマン。ウェブ用のビデオ撮影と編集を主に手がけてきたが、すでに同じ仕事をしているベテランが一人いることもあって今回の削減対象になったのだろう。ただ、彼はまだ30そこそこで若いうえに、次の仕事の目星もいくつかあるということで、あまり気落ちはしていなかったのが僕らとしては唯一の救いだ。

昨年から続いている人員削減で数知れない記者や編集者、そしてカメラマン達が社を去っていった。

今日の午後にあらためてふと気づいたのだが、以前はいつも記者たちで賑わい、活気のあったニュースルームに随分空席が目立つようになってきた。

リストラは、当然これが最後ではないだろう。いったいどれだけ社員を減らせば、上層部は気が済むのか?能力のある記者や編集者を失なった影響は、すでに紙面の質にはっきりと現れている。

僕の入社した4年半前に比べても、確実に魅力の無い新聞となってしまったトリビューンをみるのは寂しいものだ。


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4 コメント

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Unknown (じゅて)
2009-02-13 21:59:53
そちらでもジワジワとリストラが進んでるのですね。
現在住んでる所は世界一の車会社があるので、この不況は一番打撃を受けています。その会社の下請けの方々も厳しくなるばかりだとか。
半年前迄は日本一景気が良い土地だと言われていたのに、、、。

私の職種は慢性的に人手不足なので不況とは直接関係なくても、患者さんや、その家族の方の話等を聞くとやはり大変みたいです。

福祉の方の話だと
この場所はどこよりも待遇が良いと
他県は首都圏の役所がわざわざ交通費迄用意してコチラに生活保護の申請に行くように促しているとか。


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Unknown (Kuni Takahashi)
2009-02-15 03:22:48
どこでも一番のとばっちりを食うのが平社員とかパート、契約の人たちですね。上層部の方は社員をリストラしても、自分たちの給料さげることはしませんからね。アメリカの企業は非情かつ露骨です。トリビューンの経営を悪化させた元役員たちなど、時期を見計い、巨額の退職金をせしめて去っていきました。僕に言わせれば犯罪者です。
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解雇 (みずき)
2009-02-15 06:52:28
私も経験者です!

出産直後に言われ、会社の寮に住んでいたので、家もなくなり、赤ん坊を抱えて困り果てました。(夫はいないので)
労働基準局に申し立てにいっても、既に申し立て可能な期日が過ぎていると言われ、泣き寝入りです。

自分はとても弱者だということを自覚しました。
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あの~ (ゆき)
2009-02-15 18:24:05
あの~聞きにくい事ですが… 世界報道写真コンテストの結果を毎年楽しみにしていたのですが 今年の写真何が良いのかサッパリわかりません。唯一 スポットシングル三位の写真(グルジア)は、ずっと前からロイターのホームページに掲載されていて好きだったでウレシかったです。しかしその他の写真のほとんどは 素人の私にはわかりません。出来れば素人でもわかるように説明してほしいのですが 邦さんは審査員じゃないのでコメント出来ないでしょう。ならば 会社のプロカメラマン仲間達と結果発表に対して、どんな感想 もしくは話題になりましたか。どの写真が良いと皆言っていましたか。

毎年、世界報道写真コンテストの写真集を買っているのですが今年はやめようかなぁと思います。

毎日ロイターのホームページの写真特集を見たり ロイターの写真集を買った方が楽しいので…。

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