Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
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クンブ・メラ 世界最大のヒンドゥー教祭典

2013-03-01 22:24:17 | アジア
2週間ほど前、インド北部のアラハバードで行われている祭典クンブメラを撮る機会があった。

この世界最大のヒンドゥー教の行事には、1ヶ月半の期間中に1億人もの信者たちが訪れるといわれている。祭典中に聖なるガンジス川で沐浴をすることによって、これまでの罪は洗い流され、ご利益を得ることができる、と信じられているのだ。ヒンドゥー教の言い伝えで、神々と悪鬼たちが不老不死の液のはいった壷を奪い合った際に、その液がアラハバードをはじめとしたインドの4カ所にこぼれ落ちたというのがクンブメラの由来。この4カ所で3年ごとに行われるようになったが、ガンジス川とヤムナ川の合流するアラハバードにもっとも多く人が集まる。

主要日である2月10日が近づくにつれて訪れる人々も増え続け、路上や駐車場、川岸から橋の下に至るまで、空いた土地はみな人で埋め尽くされるようになった。これまで様々な行事を撮影してきたが、これほど人にまみれたのは初めてかも知れない。まるで渋谷の交差点が延々と続いたような混雑ぶりは、人口12億を超える人間大国インドの縮図を見た思いだった。

何百万という野宿者たちが、料理のためや暖をとるために毎朝毎晩牛の糞や薪を焼くので、あたり一面は煙につつまれ、夕方などは眼がひりひりとして咳き込むほどになる。おまけに沐浴する人たちを撮るために早朝から太腿まで水につかっていたので、仕事を終えて帰る頃には風邪をひく羽目になった。聖なるガンジスからご利益を得る信仰心が足りなかったか。。。

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