Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
English: http://www.kunitakahashi.com/blog

士官学校卒業式 ベンガジ・リビア

2011-05-30 14:17:18 | Weblog
昨日、反政府側士官学校の卒業式を撮影する機会があった。2月17日に反カダフィの隆起がおこってから、初めておこなわれたものだ。

すでにベンガジではほとんどのものを撮り尽くしてしまっているので、こういった新しいイベントをみるのは僕としてもいい気分転換になる。

陸軍、海軍からの数百人が、家族や友人に祝福されながら式に参加したが、卒業生たちは式が始まる前から踊ったりおどけたり、喜びを押さえきれない。この時勢、反カダフィーの集会くらいしか騒いで祝える機会もないので、こういう高揚感のあるイベントをみな楽しんでいるようだ。

しかし、無邪気にみえるこの若者たちも、カダフィー軍との戦いが続く限り、まもなく戦闘の前線に送られることになるのだろう。

僕にとっても楽しめる撮影ではあったが、そんな複雑な思いは頭から離れることはなかった。

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再びリビア

2011-05-27 14:16:25 | アフリカ
1週間程前にリビアに戻ってきた。正直言ってまたこの国に戻って来るかわからなかったのだが、幸運にもアサインメントがとれたので、今回はちょっと長めの1ヶ月程の滞在になる。

2ヶ月前とはうってかわって、反カダフィ派によって戦闘の前線へのアクセスが厳しく制限されており、一般市民やジャーナリストはまったく立ち入ることができない。あくまで私見だが、イギリスかフランスの特殊部隊が入っていて、それをジャーナリストに見せたくないんじゃないかと推測している。

まあ現在は戦闘自体も3.4日おきに砲弾の応酬をするくらいで、ほとんど硬直状態になっているようだが、それでも今回は全く前線に足を踏み入れていない。その代わりというわけではないが、フィーチャーの撮影をしながら一般人たちと接する機会はかなり増えて、これまで知らなかったなかなか面白い話も耳にできるようになった。

そんな話しをいくつか -

* 90年代はじめまで、バナナをはじめとしたフルーツや、チョコレートなどは店頭で手に入らなかった。これらのものはカダフィ曰く「贅沢品」であり、個人的に密輸しない限り、店頭では買えなかった。

* 英語のプリントされたTシャツもタブー。2000年代はじめまで手に入らなかった。

* 服を買うときも自分で選ぶことはできず、ただすでに袋に入ったものを渡されるだけ。正確に何が入っているかはわからないので、店の外で欲しいものや自分に合ったサイズのものと客同士が交換しあっていた。

本当かね?というようは話しばかりだが、それが現実の生活だったらしい。現在は政局の動きも少なく、ある意味退屈なのでせめて滞在中にもっと面白い話しが聞けることを期待しようと思う。

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