Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
English: http://www.kunitakahashi.com/blog

流行の写真

2009-01-29 09:08:35 | 報道写真考・たわ言
数日前、写真学校時代からの古い友人とメールのやりとりをしながら、最近流行の写真の風潮に対する思いを吐き出す機会があった。

ここ数年感じていたことなのだが、特にワールド・プレス・フォト(世界報道写真コンテスト)で認められるような作品がやたらアート化、コンセプチュアル化してきているようで、少々ウンザリしている。

一見すると、「何これ?」と思うような写真が入賞作のなかにも少なくない。

アート写真ならこれでもいい。だが、僕らは一応なりともジャーナリストとしての役割も担っている訳で、写真を通してより多くの人にメッセージを伝えることは重要な課題であるはずだ。

写真を「深く読み込むことのできる」一部の人間や、玄人だけがわかるようなそういう写真は、果たしてジャーナリズムの一手段である報道写真としての役割を果たしているのだろうか?

やもすると気取った匂いさえをも発散するそんな写真が増えてきたこと、そしてそういう写真が流行のようにもてはやされていることに、僕はどうも違和感を感じざるをえない。

それとも、歳をとって頭が固くなった僕が、時とともに移り変わる報道写真の形態についていけなくなったというだけの話だろうか?


新ホームページ

2009-01-25 10:25:17 | 写真展・雑誌掲載
夕食用にアスパラガスを茹でていたのだが、合間にメールを書いたりしていたらうっかり茹ですぎてとろとろになってしまった。

まあそんなことはどうでもいいけれど、ようやく新デザインしたホームページが仕上がった。とはいえまだ加えなくてはならない部分は幾つかあるのだが、とりあえず8割方できたので数日前にアップした。

http://www.kunitakahashi.com

高いデザイン料やメインテナンス料を払うのも気が引けたので、ページ作成を思い切って自分で全部やってみた。以前のホームページでも使用していたドリームウィーバーというソフトを使ったのだが、覚悟していたよりはましだったにせよ、やはり初心者の僕にとっては楽な作業ではない。

特にフラッシュ(専門的になってしまい失礼)でつくったスライドショーをページにいれる方法がわからず四苦八苦。それでも知らなかった事を毎日少しづつ学びながらなんとかここまでこぎつけた。

昨年は写真展の申し込みも少なかったし、日本ではあまり活発な活動もできなかったので、今年は心機一転頑張らなくては。。。そんな思いもあってホームページも一新したのだ。

ページについて、意見や提案などがありましたらご一報いただくと助かります。

オバマ大統領就任式

2009-01-21 08:40:26 | 北米
オバマ新大統領の就任式。

式の取材のために、トリビューンからは3人のフォトグラファーがワシントンDCへ出張になったのだが、希望をだすのが遅かったことと、年功の問題もあって、残念ながら僕は留守番組に。。。

そんなわけできょうはシカゴで人々の反応を撮っていたが、やはりワシントンのナショナル・モールに集まった人たちの、あの一丸となったエネルギーには叶うべくも無い。テレビで就任式の様子をみながら、やっぱり休みをとって個人でいけばよかったなあ、と後悔してしまった。

写真が撮れなかったこと自体はそれほど残念ではない。大体、こういうイベントでは警備がきつすぎて自由に動き回れないし、ステージ上のオバマ大統領を撮るにしても、それは決められた位置からのおざなりの写真になってしまう。

後悔したのは、写真どうこうというより、歴史に残るべくあのエネルギーに満ちた瞬間に立ち会っておきたかった、と思ったからだ。

テレビ画面に映る百万人を超える人々の姿をみながら、僕は15年前の南アフリカでのネルソン・マンデラ大統領の就任式を思い出していた。

アパルトヘイト(人種隔離政策)に終止符を打つ形で、南ア初の黒人大統領として選出されたマンデラ氏。当時まだ駆け出しカメラマンだった僕は、世界中から集まってきた報道陣に混ざって、首都プレトリアでの就任式の様子を取材していた。

式の会場には、新生南アフリカへの、希望と期待に満ちた群衆のエネルギーがふつふつを沸き上がっていた。黒人、白人、肌の色を問わない何万人という人々が、みな手を握り合って高く振り上げている様子をファインダー越しに見つめながら、不覚にも僕の眼から涙が溢れ出して、視界がみるみる曇っていったことを今でもはっきりと覚えている。

それほど感動的な歴史的瞬間であった。

マンデラにしてもオバマにしても、それまで虐げられてきた黒人初の大統領誕生という歴史的意味は重要だが、それ以上に、人種を問わず、これだけ多くの国民が一体となって「本心から」自分たちの選んだリーダーと共に事を成し遂げようという期待に満ちた瞬間にはそうそう巡り会えるものではない。

そういう意味で今日のオバマ大統領の就任式も、現場にいればマンデラの時と同じエネルギーを感じられたに違いないし、僕にとっても一生忘れることのない日になっていたはずだ。

後悔先に立たず、だが、やっぱり残念。。。


またまた極寒のシカゴ

2009-01-16 23:53:47 | シカゴ
シカゴの冬が寒いのはあたりまえなのだが、今年は例年以上だ。気温マイナス20度、体感温度マイナス30度などという馬鹿げた日々が続いている。

あまりの寒さに建物や車からの温風が”蒸気”となってもくもくと立ち上り、まるで火事現場にでもいるかと思うほどだ。

今週末はようやくマイナス5度ほどまで気温が「上昇」するようで、少なからずほっとしている。不思議なもので、マイナス20度がしばらく続くと、マイナス5度が「暖かく」さえ感じるようになってくるのだ。

やれやれ。。。

新年早々。。。

2009-01-12 09:37:40 | 報道写真考・たわ言
明けましておめでとうございます、とはいっても年が明けてすでに11日。例年の如くコンテストの準備やらなにやらで忙しく、またあまり話のネタになるようなものも撮っていなかったので、すっかりブログ更新もさぼってしまった。

今冬のシカゴはやたらと雪が多いのだが、年が明けても何も変わらず毎日のようにグレーな空が広がっている。市内では路上に積もった雪は1日も経たないうちに泥や車の廃液にまみれて黒い固まりに変化してしまい、なんとも見苦しい。

まあ今に始まった事ではないけれど、こういう気候は気が滅入るものだ。

やらなくてはならないことは山のようにあるのだけれど、どうにもエネルギーが湧いてこない。

なんかこういう気候と関係あるのかなー。

などと新年早々甘えているわけにはいかないんだけどね。。。