このところシカゴの冬らしくマイナス10度とか15度の極寒続きだったのだが、昨日は珍しく10度近くまで気温のあがる「暖かい」日になった。
しかし天気予報によればそれも夕方までで、午後3時過ぎから気温は下がりはじめ、夜には強風を伴う吹雪になるということ。昼夜のその気温差はなんと20度以上にもなるという。(珍しく予報はあたって、実際にそうなった)
午前中はフィリピンでの取材のビデオ編集などおこなわなくてはならなかったので、僕は撮影のシフトからはずしてもらっていたのだが、昼過ぎにデスクからこんな撮影を頼まれた。
「クニ、ちょっと風が強いところでも探して天気関係の写真撮ってきてくれないか?」
「それは構わないけど、まだ天候は悪化してないからほとんど風は吹いてないし、気温もさがってないよ。。。」
正直そんな撮影に出るのもちょっと面倒だったので、いぶかしげに僕がこう言うと、なんとこんな答えが返ってきたではないか。
「いや、ウェブサイトのチームが、早判のページにとりあえず吹雪の前兆のような写真を載せておきたいらしいんだ」
「???」
僕は唖然とした。
カメラマンは、現在目の前に起こっていることを記録するわけで、占い師でもあるまいし、これから起こる未来のことなど撮れるものではない。いや、占い師だって、将来のことは言い当てても、それを写真に撮る事なんてできないだろう。
大型台風でも予報されていれば、被害を防ぐために窓に板を張るなど「予防措置」をする人の様子を撮ることも可能だろうが、昨日程度の吹雪などシカゴでは特別なことでもない。いくら数時間後に吹雪になるといっても、実際に気温が下がって風が強くなってこなければ、こちらが頑張ったって求めている光景になど出くわすことなどあり得ないのだ。
そんなことはデスクも重々承知のはずなのに、とりあえずウェブページにアップデートする写真が必要なので、こんな難題をカメラマンに押し付けてきたのだ。
いくら理不尽な仕事とはいえ、手ぶらで帰るわけにも行かない僕は、結局ダウンタウンを2時間半歩き回った末に、風で旗がばたばたひらめいているようなどうしようもない写真を3枚撮ってオフィスに戻ってきた。
一応ウェブサイトには数時間その写真が載せられたけれど、僕としてはまったく腑に落ちない。
以前のように、翌日の紙面のためだけに撮っているのなら、写真入稿の締め切りは夜だし、実際に吹雪になってからその様子を写真を撮って新聞に載せれば済むことだ。それが刻々ページを更新していかなくてはならないウェブサイトでは、その都度写真のアップも求められることになる。締め切りが一日に何度もあるようなものだ。
そんなわけで、こんなカメラマンとしては理屈に合わない仕事も発生するようになってきた。
これも考えようによっては、僕らにとってのウェブ時代の弊害のひとつだ。
だけどいくらなんでも昨日のケースは、デスクが毅然とした態度でウェブ・チームの理不尽なリクエストを拒絶するべきだったよなあ、とは思うけど。
しかし天気予報によればそれも夕方までで、午後3時過ぎから気温は下がりはじめ、夜には強風を伴う吹雪になるということ。昼夜のその気温差はなんと20度以上にもなるという。(珍しく予報はあたって、実際にそうなった)
午前中はフィリピンでの取材のビデオ編集などおこなわなくてはならなかったので、僕は撮影のシフトからはずしてもらっていたのだが、昼過ぎにデスクからこんな撮影を頼まれた。
「クニ、ちょっと風が強いところでも探して天気関係の写真撮ってきてくれないか?」
「それは構わないけど、まだ天候は悪化してないからほとんど風は吹いてないし、気温もさがってないよ。。。」
正直そんな撮影に出るのもちょっと面倒だったので、いぶかしげに僕がこう言うと、なんとこんな答えが返ってきたではないか。
「いや、ウェブサイトのチームが、早判のページにとりあえず吹雪の前兆のような写真を載せておきたいらしいんだ」
「???」
僕は唖然とした。
カメラマンは、現在目の前に起こっていることを記録するわけで、占い師でもあるまいし、これから起こる未来のことなど撮れるものではない。いや、占い師だって、将来のことは言い当てても、それを写真に撮る事なんてできないだろう。
大型台風でも予報されていれば、被害を防ぐために窓に板を張るなど「予防措置」をする人の様子を撮ることも可能だろうが、昨日程度の吹雪などシカゴでは特別なことでもない。いくら数時間後に吹雪になるといっても、実際に気温が下がって風が強くなってこなければ、こちらが頑張ったって求めている光景になど出くわすことなどあり得ないのだ。
そんなことはデスクも重々承知のはずなのに、とりあえずウェブページにアップデートする写真が必要なので、こんな難題をカメラマンに押し付けてきたのだ。
いくら理不尽な仕事とはいえ、手ぶらで帰るわけにも行かない僕は、結局ダウンタウンを2時間半歩き回った末に、風で旗がばたばたひらめいているようなどうしようもない写真を3枚撮ってオフィスに戻ってきた。
一応ウェブサイトには数時間その写真が載せられたけれど、僕としてはまったく腑に落ちない。
以前のように、翌日の紙面のためだけに撮っているのなら、写真入稿の締め切りは夜だし、実際に吹雪になってからその様子を写真を撮って新聞に載せれば済むことだ。それが刻々ページを更新していかなくてはならないウェブサイトでは、その都度写真のアップも求められることになる。締め切りが一日に何度もあるようなものだ。
そんなわけで、こんなカメラマンとしては理屈に合わない仕事も発生するようになってきた。
これも考えようによっては、僕らにとってのウェブ時代の弊害のひとつだ。
だけどいくらなんでも昨日のケースは、デスクが毅然とした態度でウェブ・チームの理不尽なリクエストを拒絶するべきだったよなあ、とは思うけど。