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映画、はじまりは5つ星ホテルから

 大雪の後遺症の残る東京まで出かけ、「はじまりは5つ星ホテルから」を見てきた。

 なぜ東京まで、というと東急の文化村にあるル・シネマでしか上映していないからだ。この映画館、最近はインターネットでチケットを買えるし、各種割引も充実してきたので使い勝手が良くなったのだ。

 映画は、高級ホテルの一室で白い手袋をはき、(私のベースは関西で、手袋は「はく」ものだったのですが違和感がありましたら「つけ」と読み替えてください)部屋の隅々まで埃を調べる、という印象的なシーンではじまる。

 主人公のイレーネはホテルの格付け調査員。一般客を装って高級ホテルに宿泊し、サービスについて800項目もチェックするである。



 覆面調査員なのだが、時にはホテルの支配人に面会し問題点を指摘したりもする。あるホテルでは、少々場違いなカップルが新婚旅行なのだろうか、一生に一度の贅沢という雰囲気で宿泊しているのだが、ホテルの従業員たちは馬鹿にした態度で無視を続ける。この態度に怒ったイレーネは支配人に格付けを下げると脅したりするのである。

 そんな、女性の職業としては華やかなイメージだが、実生活との乖離は大きい。安い給料で、本来5つ星ホテルに泊まることなどできない生活をおくっているイレーネは、先の少々場違いのカップルと何が違うのだろう。

 40歳になったイレーネ、自分にとって大切だったものを捨て、本来自分がいるはずがなかった場所で偽りの人生を過ごしてきたわけだ。

 身の回りの親しい人たちや、旅先でのいろいろな出会いから自分の生き方に疑問を抱き始めた彼女は、このまま偽りの生活を続けるのだろうか、それとも本当の生活を探すのだろうか、という映画である。

 笑いもたくさんあるし、いろいろなエピソードが関連していて、よく出来た話だと思うが、主人公を演じるマルゲリータ・ブイにもう少し華があればなお良かったのではないかと思う。もっとも高級ホテルでのイレーネに華がありすぎてはストーリーが破綻するので仕方がないとは思うのだが、、、、



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