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映画、最強のふたり

 この夏は怒涛のハリウッド映画祭だった。

 アメージングスパイダーマンから始まり、ダークナイトライジング、トータルリコール、アベンジャーズ、プロメテウス。アメコミであり、SFものだ。映像に驚きながらも、ちょっと笑いが足りないのではないかというのが感想である。

 そこで、少し毛色の変わったものも見てみようと東京日比谷にあるTOHOシネマズ シャンテまで出かけた。見たのはフランス映画「最強のふたり」。

 人気があると聞いていたので、12時の回の席を予約して出かけた。実際、劇場についてみると夕方の回までチケットは売り切れになっていた。そういえば昔この劇場でイルポスティーノを立ち見した思い出がある。

 この映画は、事故で首から下が麻痺した富豪フィリップに介護役として雇われたスラム出身の青年ドリス。この二人の交流を笑いながら見せてくれる。



 教養もなさそうな、前科もある青年をなぜ雇ったのか。それはドリスだけがフィリップを特別扱いしなかったから。やがて気難しいフィリップが心から笑うようになる。彼の笑顔がすばらしくて観客も一緒に笑うことになる。

 この映画のよさは、障害者の変わった行動やエピソードを笑おうということではなく、障害者が大笑いすることに共感して大笑いできることだ。

 そしてこのスラム出身の青年、教養は無いかもしれないが価値観はしっかりしていて、着飾ってかしこまってオペラを鑑賞している観客の中で、木が歌うなんて変だと笑い転げたり、500万円も出してフィリップが購入した抽象画を、こんなもの自分でも描けると、実際に書いてみたりする。

 乱暴でがさつなドリスだが、人と人のかかわりかたに繊細な感覚を持ち、最後のエピソードにつないでいく。

 脇役たちもちゃんと描写されていて、クラシックとロックを使った音楽もよい。映画は笑えるのがよいと思っている私には気に入った映画だった。


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