■ペルーのMさんの日本語の指導にはようやく慣れてきた。スカイプやメッセンジャーでの指導は双方時間も合わないしセッティングも手間がかかって長続きしない。それに対しメールでの添削のやり取りは効果が大きいと思う。特に「ひらがな」入力にはすぐ慣れてくれた。多少の入力ミスがあるが、単なる不注意による入力ミスなのか異言語により入力方法がちがってくるのか、そのあたリはよくわからない。やはり対面で指導しないと理解のレベルが評価しにくいのは確かだ。こちらで言うことはローマ字でメモを取っているのを見るとひらがなメールを見ているだけに少し妙な気分になるが、仕方ないか、、。やはり僕の場合、媒介語のスペイン語に頼る部分が非常に大きい。
今当面する最大の問題は学習のモチベーションをいかに維持するかということだ。彼女は若くないし、日本語の必要性をたいして感じる環境にない。日本人が英会話教室に通うのとさして違わない状況だ。教師の技術的な力量よりも、興味を持続させるような企画力の勝負になってくるように思う。しかも多数を教える場合とこのように対面で説明するばあいとは相当違ってくる。これは外国語教育に限ったことではないが、僕ができる日本語教育のなにかいい方法はないものかと考えた。
従来、語学の交換学習などというものは双方ともに語学の習得にあまり効果がないというのが僕の持論だったのだが、実際の指導がこんなに媒介語だよりだと自分のスペイン語の力量不足が頭痛の種になってくる。ベテランになれば媒介語の介在がないほうがよいことも多いのだろうが、指導の初心者として背に腹は変えられない。しかし、考えてみるとボランティアで言葉を教えることと教わることは共通の興味に関わることだからお互いに言葉を教えあうというのがモチベーションを維持するために最適ではないかな、という考えに変わった。確か、教えることは2倍の効果で学ぶことだという格言もあったはずだ。彼女の日本語に対するモチベーションを高めるにはまず僕がスペイン語を学習するモチベーションを高めることが第一歩なのかなぁ。
そこで、テキストの会話部分や、問題文をスペイン語訳して、それを彼女に添削してもらった。そうするうちに彼女自身で今まで気づかなかった部分の発見があったようでなかなか良い感じになってきた。これはネイティブの補助者を使うプロの翻訳者の翻訳手法と同じで語学習得には最高だな~とさえ思うようになって僕のモチベーションも自然に高まる。
あんまりガチガチ記憶したり、細かい文法や意味のちがいを云々するよりも、お互い歳だし、ゆっくり人生楽しみながら仲良く勉強続けて行きましょう、、的な方向性を確認するに至った次第。そこでさっそく彼女をサルサパーティに誘って一緒に踊りにでかけた。とても楽しくすごせたので、そのうち、息子さんや旦那さんも一緒に、、、。