家庭菜園には3つの楽しみがあると思う。作る楽しみ、収穫する楽しみ、そして食べる楽しみ。このところ1週間ひとり暮らしをして感じることは、もう一つ「食べてもらう喜び」があるのではないかと思うことだ。こんなことはいままで当たり前すぎて意識することはなかったが、自分の作ったものを食べてもらう人が「要る」のではないかと思う。
わが家では子どもたちはとうに巣立ちした。かみさんだけが唯一食べてもらう人になる。それが留守でいないとなると、収穫物のほとんどを自分が食べる。むしゃむしゃと一人食卓に向かっている食べるのはなんとも味気ない。こんな気持ちになるなんて、やっぱり年のせいかなと思ってしまう。
いま菜園は50坪ある。かみさんが先にあの世に逝ってしまったら、食べるのはひとりになる。張り合いがなくなり、当然面積も狭くするだろう。食べてくれる人がいるからこそ、この猛暑の中でも精出すことができる。そんな殊勝なことを大汗をかきながらふと思った。
インゲンが取れ出した。これで夏野菜はクウシンサイとモロヘイヤをのぞいてすべて収穫できたことになる。クウシンサイもモロヘイヤも収穫しようと思えばできるのだが、それはもうすこし先に延ばそう。
インゲンは取れ出すと次々のサヤができる。短気決戦だ。まごまごしてはいられない。
いつも思うことだが、インゲンはうまいのか、まずいのか。うまいとはいえない。まずいともいえない。しかし出番は多い。わたしは、ゆでてかつお節をかけて醤油を落として食べる。これが私の酒の肴になる。これもうまくもなく、まずくもなく。それでいて、あきないで夏の間食べられる。だからインゲンは毎年作る。
ほぼ毎日収穫するものの、どの程度の大きさのものを取るのか。若くて細いものは味がない。それならば太く大きくものとなるが、これは固い。そうなるとその中間ということになる。若ササよりもやや太めのサヤのほうが滋味がある。こればっかりは食べ比べないとわからない。
きょうは、梅雨が明けたから、梅干しの「土用干し」を行う。