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山本一力/損料屋喜八郎始末控え

2008年07月02日 | ○○な話


山本一力著 損料屋喜八郎始末控え」を読みました



田沼バブルのはじけた江戸で米を担保に金を貸す『札差』という職業が、武士(政治)の経済を握っていた。

上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、刀を捨てた喜八郎

庶民相手に鍋釜や小銭を貸す損料屋に身をやつし、与力の秋山や深川のいなせな仲間たちと力を合わせ、巨利を貪る札差たちと渡り合う


話の背景にあるのは棄捐令(きえんれい)

棄捐令とは札差に借金のある旗本・御家人らの借金をチャラにするという、いわば武士救済法令である。

もちろん旗本・御家人は喜ぶが、札差にしてみれば冗談じゃないという話になる。

棄捐令が出されると、結果的には札差は旗本・御家人に貸し出しを行わなくなる。

再び棄捐令を出されたらかなわないからだ。

すると、旗本・御家人は困ることになる。

この棄捐令を下敷きにして、

札差たちの陰謀に頭脳戦で戦いを挑んでいくところは、

かなりスリリングで最高に面白い!!

御上(おかみ)まで巻き込んで繰り広げられる、札差同士の知恵比べ。
義理人情話だけの時代劇だと思って読んでたら、足元すくわれます。

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