草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/熊蜂(四捨五入)

2009-05-09 | Weblog
熊蜂の羽音溢るる棚の下
熊蜂や蜜吸ふ間は可愛らし
熊蜂の体当たり受け房揺れて

裏返しがうなたちまち立ち直り
寄居虫の長くはもたぬ死んだふり
大呆けと夏鶯の来鳴きけり

季節の移ろいの早さには、なかなかついて行けません。
熊蜂もやどかり(=がうな)も4月です。
夏鶯でご勘弁を。

季節遅れのおまけにもう1句。
花屑を掬ひて重し朝の庭



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16 コメント

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私も季節”追い人”です。 (フェニックス)
2009-05-09 23:51:26
四捨五入様

季節遅れ(?)の俳句と四捨五入様の言い訳を拝読して、全く同感だと大いに喜びました。
最近は日本の季節もゆっくり変わるのではなく、突然だったり、季節が入り乱れたりで、植物も昆虫や鳥などの生き物も季節感を失ってしまっているものが多くなってきているようです。人間があまりにも自然を支配し過ぎた結果でしょうか?

さて、前置きが長くなりましたが、お句の中から印象に残った句を挙げさせて頂きます。

☆熊蜂の羽音溢るる棚の下
 きっと藤棚の下でしょうね。熊蜂は今年は身近に見かけませんでしたが、甘い藤の香りにブンブンと大きな羽音をたてている様子が浮かびます。

☆熊蜂や蜜吸ふ間は可愛らし
 熊蜂は”くまんばち”とも呼ばれ、役者で言えば、愛嬌のある悪役の感じがする蜂ですね。それも蜜を吸っている間は可愛いというのは人間の赤ん坊もちょっと似たところがありませんか?

☆熊蜂の体当たり受け房揺れて
 このお句には笑ってしまいました。蜂の”体当たり”って、面白いですね。受けた”お藤さん”も大いに驚いたことでしょう。


☆花屑を掬ひて重し朝の庭
 確かに大変季節遅れのお句だと思いますが、お宅のお庭に掬って重いほどの桜の落花があるなんて羨ましいですね。私はこの春は近場のあちこちの見事な桜と花屑を充分に味わい、意義深い春だったと思っています。

最後に。 日本の季節の移ろいが、これだけ年々従来と違ってくると、俳句の季語は一体どんな意味を持つようになるのでしょうか? 新しい考えが求められるでしょうね。今目にする自然と季語との落差がたくさん生じてきているようです。



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好きな一句/熊蜂 (光芒子)
2009-05-10 07:24:16
裏返しがうなたちまち立ち直り

 「がうな」が「やどかり」とは初めて知りました。
 返す波の残した砂浜にヤドカリが転がっていますが次の波がやってくるまでの間にコロッと立ち直り、スタスタと磯のほうに走っていきます。
こんな楽しげな波打ち際の様子が見事にとらえられています。
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印象に残る句 (ゆらぎ)
2009-05-10 15:58:09
裏返しがうなたちまち立ち直り
大呆けと夏鶯の来鳴きけり
ー観察眼のするどいことと思考が柔らかく回転しているのに、驚かされます。これらのような句は、とてもまねできません。やどかりが、”がうな”というのは初めて知りましたが、生態がなかなかユニークというか人間の目にはユーモラスですね。

写真の藤棚が見事ですが、どこにあるのですか? 教えてください。
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好きな句ほか、コメント (かつらたろう(桑本栄太郎))
2009-05-10 16:48:24
☆熊蜂や蜜吸う間の可愛らし
吾が敬愛して止まない、川端茅舎の有名な句に「花杏受胎告知の翅音びび」というものがありますが、春の花盛りに藤棚の藤の花には必ず居りますね。群れて飛んでいることはありませんので、花虻かと思っていました。藤棚の花房のひと花づづに入り込み、蜜を吸って狂乱状態の羽音が聞こえてくるようです。

☆裏返しがうなたちまち立ち直り
☆寄居虫の長くはもたぬ死んだふり
ヤドカリを「がうな」とも言うのは初めて知りました。なるほど、季語辞典には春の季語で確かに載っていますね!。息子が小さい時、夜店
で買ってきて育てていましたので、御句になぜか陸(おか)ヤドカリの事ではと思ってしまいました。家の中で飼っていると、夜中になるとがさごそ這い周り、うるさくて仕方がありませんでした。「たちまち立ち直り」、「長くはもたぬ死んだふり」とのの措辞に、人間さまも見習いたいような、愉快でユーモラスな生態が詠
われ、新鮮さを覚えます。
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お礼 (四捨五入)
2009-05-10 21:27:05
フェニックス様
熊蜂の羽音を離れて聞けば低音の魅力がありますが、近寄られるとちょっと凄味があります。
しかし花にとまっている時はまるまるとしていて愛嬌があります。おいしいものを食べている時は誰でも無口になるようです。
熊蜂は図体が大きく重いせいか勢いよく飛んできてぱっと藤の房にとまると小さな房は揺れてしまうのです。
わが家の桜は大きくなり過ぎて境界からはみだしており、いずれ切らなければならないのですが、今年も豊かに咲きました。
沢山の句に楽しいコメント下さり有難うございました。季節に遅れずに作句しようと思います。
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お礼 (四捨五入)
2009-05-10 21:33:14
光芒子様
やどかりの句にコメント下さり有難うございました。「やどかり」では字余りとなるので「がうな」を探してきたのですが、「やどかり」の方が良かったかもしれません。
やどかりの行動を見ていると飽きません。
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お礼 (四捨五入)
2009-05-10 21:57:41
ゆらぎ様
隣の庭に鶯がきて啼いていたのですが、声を聞「ホーホケ」と聞こえるので漢字に置きかえると「大呆け」となります。ちょっとふざけました。
やどかりと遊んでいると童心に帰り楽しくなります。
コメント有難うございました。
写真の藤棚は山陽電車魚住駅南の住吉神社の境内にあります。以前はもっと元気でしたが、だいぶ木が弱ってきたようです。
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お礼 (四捨五入)
2009-05-10 22:19:42
かつらたろう様
熊蜂の翅音(こちらの方が正しいですね)は、他の蜂と異なり、低音で威厳があります。しかし体は真っ黒くまるまるとしており愛嬌があります。群れと言うほどの数ではありませんが、数匹が飛びまわっていました。
「がうな」は字余りを避けるために探してきましたが、聞きなれない言葉は避けた方がよかったと反省しています。やどかりは確かにユーモラスな生き物です。
詳細なコメントをいただき有難うございました。
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好きな句 (龍峰)
2009-05-10 22:36:01
熊蜂の体当たり受け房揺れて

写真の見事な藤の花房が熊蜂の体当たりで揺れると言う静と動、植物と動物対比の中にぶつかる事による滑稽味がかもし出されており、微笑ましく、作者の暖かい眼差しが感じられます。
春の喜びを感じられる佳句です。
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好きな句 (九分九厘)
2009-05-11 09:46:21
熊蜂の羽音溢るる棚の下
藤の棚の下の賑やかさが目に映ると同時に音まで聞こえてきそうです。本来棚の下には人が入ってこないようにという警告かもしれませんね。それにしても綺麗な立派な藤ですね。

熊蜂の体当たり受け房揺れて
 この句もダイナミックで動きのある句ですね。静と動の二つの句を詠み分ける観察に感心しました。
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