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屋内型真妻わさび生産始まる 旧比井小学校施設有効利用 〈2022年6月9日〉   

2022年06月09日 08時30分00秒 | 記事


LED照明による水耕栽培棚で育つ真妻わさび


 日高町の志賀小と統合して廃校となった旧比井小学校施設の有効活用で、大洋化学(株)=御坊市=が真妻わさびを使った屋内型生産事業として取り組みを始めた。今のところ、2教室を使っての栽培だが、葉の収穫で加工品販売につなげており、将来的には同所で1万株を目指している。このほか、共同申請による社会医療法人黎明会=同=が「比井崎地区まちづくりプロジェクト」を掲げて計画しており、さらなる有効活用が進む。

 大洋化学は高齢者や農業初心者にも取り組みやすい農業をと、2018年から屋内型水耕栽培システムを開発し販売。旧真妻村、印南町川又地区がルーツの真妻わさびの安定した生産を実現し、効率化に挑み、地域創生への取り組みとして、廃校となった比井小学校を利用した。
 真妻わさびは通常の品種と比べ、栽培期間が長く、年間を通して水温13℃、気温20℃以下の気候が必要で、自然災害や獣害被害が生じやすいなど栽培が難しい。LED照明の水耕栽培棚を活用して、クーラーを使って温度管理することで年間を通じた栽培ができるようにした。
 すでに地元雇用もして2教室で約2000株を栽培しており、収穫した葉を使ったジェノベーゼの加工品にして販売につなげている。以前から栽培システムで地ビールやチョコレートの活用もあり、辛味がなく風味を楽しめるわさび葉は県産品推奨制度「プレミア和歌山」に認定されている。
 今後、10月頃に5教室に広げ、栽培数を増やしていき、最終的に8教室の活用を予定。将来的に栽培期間の短縮、遠隔の栽培監視や制御も含めた実証試験場としての使用や、見学客の誘致、学生の学びの場としても活用したいという。
 旧比井小施設は利用法を求める声から、廃校利活用ニーズ調査を実施し、検討する1団体、8事業所が手を挙げた。これを受け、貸付期間5年間(双方合意で更新)で建物と敷地、グラウンドに分けた有償貸与による公募型プロポーザル選考の結果、建物と敷地の活用で、大洋化学(株)と共同申請の「比井崎地区まちづくりプロジェクト」を掲げる社会医療法人黎明会=御坊市=が参入した。
 黎明会は高齢者のコミュニティーの場の提供を目的に住民の利便性向上へ食料品や日用品、特産品などを並べた物販やカフェを開設。ヨガや体力づくり目的など介護予防教室を開き、健康寿命延伸の取り組みを進める。秋から冬頃のオープンを見込んでいる。
 両事業者とも地元雇用を予定し、地域振興の取り組みや地域貢献のボランティアも行う意向で町は「地域活性化への取り組みとして期待できる」としている。


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