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カメムシ大量発生 平年比37倍 ウメ、ミカン果実被害懸念 〈2024年5月18日〉

2024年05月18日 08時30分00秒 | 記事


小梅の果実を吸引するカメムシ


 日高地方が産地のウメやミカンなど果物に被害を及ぼす「カメムシ」が大量発生している。成虫の越冬量が多かったのが原因。みなべ町園地の4月1カ月間の調査ではチャバネアオカメムシが平年比12倍、ツヤアオカメムシが同22倍の多さで、26日から5日間についてはそれぞれ20倍、37倍と急増。県農作物病害虫防除所=本所・紀の川市=では注意報を発令しており、気温が高くなるにつれ活動もより一層活発になることから、農業者へ早めの防除など対策を呼びかけている。

 果樹に被害を与えるのはチャバネアオ、ツヤアオ、クサギなどの果樹カメムシ。昨年夏から秋にかけて大量発生し、多くの成虫が越冬したと見られている。羽根が茶色のチャバネは落ち葉の下、全身緑色のツヤは緑葉樹の葉の裏で冬を越し、茶色のクサギは家の軒下などで越冬する。ウメは果実が吸引されるため、南高は吸引口からヤニがふき、小梅は落下する。ミカンは、果実につけられた吸引口から雨水が入ると腐ったり、色づきが悪くなるなど出荷量や商品価値に影響を及ぼす。
 防除所が2月に県内47地点でチャバネの成虫の越冬量を調べたところ、落ち葉50リットル当たり過去10年で最も多い2・9匹(前年0・0匹、平年0・5匹)を捕獲した。捕獲地点も約半数に当たる48・9%と高かった。印南町白河で5匹、みなべ町高城と広野で各1匹が確認された。
 その後の調査でも春が本格化し気温の上昇に伴い数が激増。みなべ町東本庄、防除所みなべ駐在(うめ研究所)園地内の調査では、4月1日からの30日間にチャバネ417匹(前年5匹、平年35・3匹、以下同)、ツヤ4919匹(28匹、225・1匹)が確認された。26日から30日までの5日間についてはチャバネ366匹(0匹、18・3)、ツヤ4486匹(4匹、118・9)と急増。クサギも1日からの30日間で12匹が確認された。
 今後も気温の上昇とともに激増が予想されており、防除所では、小梅など収穫の早い品種は集中して加害される傾向があり、カンキツ類は蕾や花なども加害される。被害状況を確認して早めの防除をするよう呼びかけている。


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