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公共交通研究会 「乗る習慣」お出かけツアー推奨 バス利用 管内住民が意見交換  〈2019年8月9日〉

2019年08月09日 08時30分00秒 | 記事

公共交通利用で住民代表らが意見交換


 県は7日、日高振興局別館で昨年度から始めた地域公共交通研究会の今年度1回目を日高地方で初めて開き、管内の住民代表9人と市町担当者10人が出席。地方の路線バス廃止が進む中、今ある路線を維持するには「地域が支えるしか手はない」との専門家の講演を聞いた住民代表から「老人会でイベントを考えたい」「モデルコースをつくってほしい」との意見が出され、専門家は「まず乗ることが大事」と、乗るきっかけづくりで行政が地域を巻き込んだ「お出かけツアー」を実施するよう促した。

 国交省和歌山運輸支局担当者は「地方の乗合バスは窮地に追い込まれている。路線バスがあるのは恵まれた地域。今ある路線を維持するため、乗ってもらうことが大事」、県総合交通政策課担当者は「県内で過去10年間に406・2キロの路線が廃止された。このままでは本当に必要な時に身近な公共交通がなくなってしまう。地域住民、行政、バス事業者が一体となって公共交通に乗る工夫など話し合ってほしい」と話した。
 続いて立命館大学衣笠総合研究機構客員協力研究員の井上学氏が講演で「これからは地域住民が頑張って乗る地域、汗をかく地域に補助が出される。今ある路線を維持するには地域がしっかり支えるしかない」と話し、日ごろからバスに慣れ親しみ、乗る習慣をつけることが大事と強調。和歌山大学経済学部教授の辻本勝久氏も「月1回でもいいからバスや電車を使い、乗る習慣をつけ、公共交通を使いこなせるようになってほしい」と助言した。
 このあと、行政担当者、住民代表が3つのグループに分かれて意見交換。住民から「バスで病院や買い物に行くモデルコースをつくってほしい」「老人会で年何回か、バスを利用したイベントを考えたい」との意見に井上氏は「いいことだ」と述べた上で「まずは行政で乗るきっかけをつくってほしい。それぞれの市町で元気な高齢者を巻き込んだ『お出かけツアー』を企画し、予算をつけて実施してほしい」と推奨した。
 ほかにも「バス停から自宅まで荷物を持つのがしんどい」「生活行動の範囲は市町の域を超えている。御坊広域圏で取り組む必要がある」「御坊広域圏に病院が多いというのを強みにした取り組みも考えるべき」「バス停のないところでも乗り降りできるようにしてほしい」「物も一緒に運べるようにしてはどうか」「まちのにぎわいの中心地が変わっている。ルートもそれにあわせて変えてほしい」などの意見があり、辻本氏は「改善するにはどうしたらいいか、知恵を出し合い、考えてほしい」と話した。


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