経営改善が課題の「ひだか病院」
御坊市外5ヶ町病院経営事務組合議会定例会は30日、ひだか病院で開き、令和5年度病院事業会計決算と6年度補正予算を可決し閉会。コロナ禍の2年度から3年間は国や県の手厚い財政支援でトータル15億円の黒字だったが、通常対応に移行した5年度は財政支援の削減・廃止、入院患者の減少で元年度以来4年ぶりに6億円超の赤字決算となり、6年度も入院患者が伸びず、4億9000万円の赤字補正を行った。
コロナ禍では、病院を挙げた積極的なコロナ対応が国や県の手厚い財政支援につながり、2年度から3年連続で黒字決算。黒字額は4年度4億4122万4954円、3年度6億40万6808円、2年度4億8938万2531円でトータル15億3100万円に上り、累積赤字を約46億5000万円まで圧縮。
5年度は通常医療体制に戻り、財政支援が廃止・減額されたのに加え、コロナ専用病棟として運用していた2階病棟を通常の一般病棟に戻し、トイレ等の改修工事で3カ月間稼働できなかったなどの要因から入院患者が前年度に比べて1万人減少し、最終的に6億2617万3911円の赤字決算となった。
6年度も入院患者数は伸びておらず、4月から7月までの実績をもとに年間入院患者数を11万4975人から9万8087人に下方修正。これに伴い事業収益は7億881万円、事業費用は1億6451万4000円をそれぞれ減額補正したことで、差し引き4億8819万2000円の損失見込みとなった。病院側は「下半期において何とか赤字額を圧縮できるよう策を講じていきたい。病院長を先頭に一丸となり頑張っていく」と説明した。
5年度から9年度までの公立病院経営強化プランでは「持続可能な地域医療提供体制の確保」を至上命題に掲げ、5疾病5事業の充実はもとより、感染症に対応可能な医療提供体制の構築や収支改善に向けた費用の見直し、収益増に向けた患者満足度の向上、病病連携・病診連携の強化などに取り組んでおり、早期に経常黒字化を達成できるように最大限努力する考え。
その他の主なニュース
● 「御坊祭」を間近に控え55年ぶり島会館前に島組の幟立つ
● 赤い羽根共同募金運動スタート 御坊市で赤い羽根運動出発式
● 和田小(美浜町)でプロのオーケストラが巡回公演
● 日高町シルバー人材センターが西山アサギマダラ飛来地で環境整備