紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

紀伊半島大水害から10年、9月4日に追悼式典 〈2021年8月13日〉

2021年08月13日 08時30分00秒 | 記事


災害発生直後の日高川町皆瀬地区
(平成23年9月4日午後3時前)


 平成23年9月3日から4日にかけて襲った台風12号が甚大な被害をもたらした紀伊半島大水害からまもなく節目の10年を迎える。日高川の堤防が数カ所で決壊し、死者3人、行方不明者1人を出すなど管内で最も被害が大きかった日高川町では、発生日の9月4日に日高川交流センターで初の追悼式典を挙行。黙とうや遺族代表の言葉、献花などで犠牲者を追悼するとともに、あの日の惨状を記憶にとどめ、経験と教訓を後世に伝える。

 平成23年9月3日午前6時ごろに高知県東部に上陸した台風12号が紀伊半島に断続的な雨を降らせ、未曾有の災害を引き起こした。同日夜には日高川町和佐地内などで冠水が始まり、午後9時を過ぎた頃には日高川の各所で濁流が堤防を越えた。それ以降も雨脚は強まり、上流の寒川などでは7時間で約300ミリを記録。椿山ダムの放流量は前例のない約4000トンに達し、下流で堤防が決壊した。
 同町を東西に走る幹線道路の県道御坊美山線は川のような状態となり、同町内の道路網は完全に寸断。中津、美山地区では日高川に架かる3つの橋が落ち、道路がアスファルトごと川に飲み込まれ、濁流と大量の流木などが集落を襲った。日高川町では、死者3人、全壊家屋12棟、半壊家屋48棟、床上浸水193棟、床下浸水88棟(いずれも非住家除く)の被害が出た。
 同町では、災害翌年の平成24年9月に復興式典を日高川交流センターで行い、被災者はじめ管内市町の首長ら来賓など約200人が出席。黙とうを捧げたあと、復興に携わった団体などに感謝状を贈呈してさらなる復旧と復興を誓った。同式典以来初めてとなる10年追悼式典は、4日午後1時30分から同センターで行い、遺族はじめ町幹部職員、日高振興局長ら来賓と地元関係区長、消防団など関係団体代表者ら約70人が出席。黙とうのあと、久留米啓史町長の式辞、来賓から追悼の言葉、遺族代表の言葉、読経と献花を行う。


 その他の主なニュース

森秀材さん(印南町)に国の有形文化財登録プレート伝達

美浜町の学童保育「松原クラブ」が平岡さん(和田)に教わり茶道の点前に挑戦

道路清掃で美化と安全確保に貢献、松本町長が日高町建設業組合に感謝状を贈る

中学ソフトテニスの川端君と平阪君(印南中)が日裏町長に全国大会出場を報告