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御坊市職員研修 令和4年度予算編成が正念場  歳出見直しで赤字転落(5年度末)回避を 〈2021年8月25日〉

2021年08月25日 08時30分00秒 | 記事


研修会で三浦市長が職員に意識改革促す


 御坊市財政課は、市の厳しい財政状況を職員が理解し共有するため、24日と25日に職員研修会を開き、職員140人が出席。今年4月に策定した令和3年度から7年度まで5カ年の中期財政計画では第5次総合計画に盛り込んだ事業をすべて行えば令和5年度末に財政調整基金が枯渇し、赤字に転落する最悪のパターンを明記しており、そうならないため歳出見直しなど財政健全化に向けて職員の意識改革を求めた。
 
 歳入面は地方交付税の伸びが期待できない上に昨年国勢調査での人口減で2億円程度の減収を予想。さらに新型コロナによる地域経済への影響で1億円を超える市税の減少が見込まれるなど厳しい状況。歳出面は新庁舎建設事業に約50億円必要なほか、今後5年間で御坊広域清掃センター基幹改良事業と御坊クリーンセンター改築事業で計約11億円の財政負担が生じるため、これらが完了するまで「過去に経験したことのない厳しい財政運営になる」と警鐘を鳴らした。
 家庭の貯金にあたる財政調整基金は令和3年度末残高見込みで11億8200万円あるが、今の財政運営状況で第5次総合計画に盛り込んだ事業をすべて行えば4年度で約9億円、5年度で約3億円の取り崩しが必要で、5年度末に基金がすべて枯渇した上に約1億円の単年度赤字に陥る。さらに単年度赤字額は6年度で約4億円、7年度で約5億6千万円に膨らむとの最悪のパターンを示した。
 そうならないために「財政調整基金の取り崩しに頼らない財政運営」を最大のテーマに掲げ、収支を改善して実質単年度収支の黒字化を図り、令和5年度末の基金ゼロ回避をめざす。その正念場となるのが新庁舎建設費25億円を計上し、基金から約9億円を取り崩す想定の来年度予算。既存事業の見直しや新規事業の着手時期を後年度にずらすなど歳出見直しで約3億5千万円削減し、基金取り崩しを5億3千万円に抑えたい考え。さらに5年度は歳出を2億4千万円、6年度は1億6千万円、7年度は1億7千万円減らし、7年度で基金の取り崩しをゼロにし、5億円残す目標。
 研修会で三浦源吾市長は「財政健全化は目的ではなく手段。目的は総合計画を実現すること」と強調。「財政健全化の最も有効な手だては経常的経費の削減。つまり今やっていることを見直すこと。今後取り組むべき重要な政策課題があり、その実現に多くの財源が必要なら既存事業の見直しに取り組まなければならない」と述べ、既存事業が新たな取り組みよりも優先順位が高いか低いかを判断し、既存事業の優先順位を並び替える「ビルド&スクラップ」の手法を取り入れるよう意識改革を促した。


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