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御坊市水道事務所懸案の石綿管敷設替え完了へ 〈2018年5月20日〉

2018年05月21日 08時30分00秒 | 記事

重点的に実施した石綿管敷設替え工事


 御坊市水道事務所が平成21年度から重点的に実施していた石綿セメント製水道管(石綿管)の敷設替え工事は、30年度末でほぼ終わり、長年の懸案がようやく解消できる見込みとなった。石綿管の「健康面への影響は心配ない」とのことだが、衝撃に弱く、大規模地震などで大きな被害を受けた事例があることから災害時も含めて安全でおいしい水を安定供給するため、10年間で約5億5千万円を投じ、総延長約10キロ(58路線)の敷設替え工事を進めてきた。

 石綿管は石綿繊維やセメント、水を混合したものを原料に作られ、値段が安く、作業もしやすいなどの理由から昭和30年代から全国で水道管に使用され、御坊市内でも40年代にかけて市内全域でかなりの割合で使われた。昔の資料がないため、同事務所でも詳しい数字はつかんでいないが、かなりの割合で使用されていたという。
 地震で石綿管が破裂する被害が多いとの全国調査結果が出ており、災害対策からも早期解消を図ろうと、耐震性の高い鋳鉄管やポリエチレン管などへの敷設替えを進めてきた。20年度時点で水道管総延長216キロに対して石綿管は約10キロ残っていたが、20年度以前は年間500メートル程度の施工にとどまり、このペースなら20年間かかるため、21年度に策定した水道事業基本計画(水道ビジョン)で石綿管解消を明記し、重点的に工事を進めてきた。
 21年度は1・4キロ、22年度は1・2キロ、23年度以降は400~900メートルで工事を行った結果、30年度予定の600メートルでほぼ敷設替えが完了する見込みとなった。約10キロのうち、1・5キロは塩屋地区公共下水道事業で実施するなど経費節減に努めたこともあり、事業費は当初想定していた約10億円を大きく下回る5億4500万円に抑えた。
 水道事務所は「長年の懸案だった石綿管はようやく解消できるが、他の水道施設(配水管を含む)についても老朽化が進んでいる状況にある。人口減少に伴い水需要の減少が続いており、経営は一層苦しくなっていくと予想されるが、安全でおいしい水を安定供給するため、今後も引き続き適切な施設、設備の更新に努めたい」としている。


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