スプリンクラーがフル稼働するミカン畑(日高川町川辺地内)
西日本各地では猛暑と雨不足の影響でミカンの産地などで干ばつの影響も出始めている。日高川町の川辺地域は、県内でも有数の温州ミカンの産地だが、川辺観測所のデータでは8月の降水量はわずか5ミリ、この1カ月間でも10ミリ程度で、ミカン農家はスプリンクラーなどで潅水作業に追われている。少雨で糖度が高くなり、生育が早いなどの利点もあるが、一部の園地では干ばつで果実の小玉化や落葉などの被害も出始めており、このまま雨が降らない日が続けば被害の拡大が心配され、雨を望む声が農家から聞かれている。
日高川町の川辺観測所では、7月9日に100ミリを超すまとまった雨を記録したが、同月12日以降は13日に1ミリ、22日に4ミリの雨が降っただけ。8月に入っても晴天が続き、6日に5ミリを記録しただけで、7月中旬からこの1カ月間で降った雨はわずか10ミリという少雨が続いている。気温も例年の7月の平均気温25・7℃を上回る26℃、8月も平均気温26・5℃を下回ったのは6日の1日だけで、最高気温は17日連続で32℃以上、8日には35・2℃を記録する猛暑となっている。
猛暑と雨不足の影響で、温州ミカンの産地として知られる同地区では、農家がスプリンクラーなどによる潅水に懸命。5日に1度程度の割合で10~15ミリほどの雨量に相当する水を与えるなど対策を続けている。スプリンクラーが整備されている園地では目立った被害などは出ていないが、農家らは「雨が降ると湿度も高くなり、まんべんなくミカンに水が回る。早くひと雨ほしい」と話す。
一方、スプリンクラーが整備されていない園地では潅水作業には大変な労力も必要で、実が十分に育たずに小玉化したり、一部で果皮が黄色く日焼けするなどの影響も確認されている。被害の大きい園地では、木が衰弱して葉が巻いたり、落葉やハダニなどの被害も出始めているという。
JA紀州では「このまま干ばつと猛暑が続けば、出荷時の小玉化や日焼けが心配される。スプリンクラーなどの潅水設備が整っている園地に対しては十分な潅水を行うように呼びかけている」という。
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