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紀伊半島水害からまもなく5年 中津、美山地区で完全復旧 〈2016年8月26日〉

2016年08月26日 08時30分00秒 | 記事

美山地域最後の改良復旧で護岸を2メートルかさ上げした
上越方地内の日高川


 平成23年9月3日から4日にかけて発生した台風12号の日高川大水害からまもなく5年が経過しようとしている。日高川の氾らんで甚大な被害が出た日高川町内では、日高川の護岸改良工事が今も進められており、美山の越方橋下流に位置する越方地内では左岸の護岸約400メートルを約2メートルかさ上げする工事が完了。美山、中津両地区で行われた工事はすべて終わり、災害発生から丸5年を前に完全復旧した。川辺地区では入野などで川幅を拡幅して新しい堤防が築く工事も大詰めを迎えている。

 平成23年9月に発生した台風12号による紀伊半島大水害。日高川の増水により、日高川町内では各地で堤防が決壊し、民家や農地などに多大な被害を及ぼした。民家などの被害が最も多かった美山地区では、皆瀬地内で103戸が浸水し、日高川に架かる3つの橋が流出。災害発生から2年半後には落橋した丸山橋と皆瀬橋(旧歩道橋)が新しい橋に生まれ変わった。
 その後も同地区の皆瀬~川原河間の約2・5キロでは、国道424号の美山大橋から越方橋にかけての1・5キロで自然石を活用した護岸を整備。流出して新しく架け替えた皆瀬橋付近の護岸も川幅を約20メートル拡幅した新しい堤防を建設した。
 美山地区最下流の上越方地内でも県道御坊美山線と対岸の国道424号線を結ぶ越方バイパスが欠落。下流の集落では、民家の軒下付近まで日高川の濁水が押し寄せる甚大な被害が出た。川の流れを改良するため、越方橋すぐ下流にあった日高川有数の大岩(丸島)を撤去。同集落と平行して流れる日高川の堤防約400メートルを約2メートルかさ上げし、越方橋から下流の越方発電所に通じる町道越方発電所線と、ほ場も同様にかさ上げする工事が進められてきた。美山地区で最終区間となった同護岸工事が完了したことで完全復旧した。
 中津地区でも被災した県道の復旧工事などが完了したあと、日高川の護岸工事が進められ、原日浦から三十木地内にかけて、自然の在石を使用した全長約2・2キロの美しい堤防を整備。幅約15メートルの隔壁を設け、高さを約10メートルに引き上げるとともに日高川に面する水田面積を減らすなどして最大で約20メートル川幅を拡幅した。対岸の姉子地内で進められていた護岸工事もこのほど完了し、中津地区でもすべての復旧工事が完了した。


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