KCF的徒然草

KouChan's Factory管理人の心の叫びor反省文

初春の令月にして、気淑く風和ぐ

2019-04-20 16:12:42 | 本と雑誌
 今回は、今読んでいる本のはなし。


「万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典」(角川ソフィア文庫)

 新しい元号「令和」の時代まで、あと10日ほどになった。この元号の語源となっているのは、ニュースでも報じられていますが、「万葉集」にある「梅花の宴」序文の一節にあるという。
「・・・時に、初春の月にして、気淑(よ)く風(やわら)ぐ」。令月はおめでたい月のこと、初春ということでは正月を指すそうで。「令」には以前、命令とか律令とか堅苦しく冷たいイメージと思っていたが、「令嬢」「令夫人」など、美しいという意味もあるという。英訳にしたときに「Beautiful hermony」としたのも、「美しい」という意味を込めたものと推測できる。

で、この本には、万葉集に収められた全部で約4,500首以上ある中から、約140首を選出し、作者別、ジャンル別(相聞(恋愛)、挽歌、ほか)に分けられ、それぞれに現代語訳と解説があるので、読み進めるだけでも意味や背景がすっと頭に入ってくる。中にはのちの百人一首にも登場する歌もあり、中には言葉が差し替えられたのもあって、そういうのを見つけるとニヤリとしたり。まだ読了していませんが、今のところは、額田王と柿本人麻呂の投稿量(!?)に圧倒されている感がある。

ところでこの本、新元号が発表された直後くらいに、メディアで結構紹介されたらしい。万葉集を扱った本は数あれど、令和の語源(今回のサブタイトルも)となった文が収録されたということもあり、もともと絶版に近い状態(電子書籍はある)だったのか、書店でも品切れ状態が続いていたが、先日ようやく増刷された版を入手できた。なんとか新しい時代が始まる前には読み終えておきたいところですが。
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