今日は思い立って朝から遠出。着いたところは”つくば”だった。もちろん、開業したばかりの「つくばエクスプレス」に乗って。
駅周辺をぶらぶら歩いていて、ふと目に留まったのが、「つくばエキスポセンター」という建物。'85年の科学万博での展示品の他、H-IIロケットをはじめとする宇宙開発技術や、不思議で面白い科学技術を紹介していて、非常に興味深く展示品を見て回った。ぼくが今回来たときは、ちょうど(おそらく)近隣の小学生たちが社会科見学に訪れていて、で○じろう先生さながらのサイエンスショーを見学したり、展示物や、電気に関する体験コーナーで遊びながら学習していた。
ところで、ぼくは万博に一度も行ったことがない(結局愛知万博も行けなかった)。つくば万博の時は小学4年生、高知にある祖父母の家に遊びに行っていた(余談だけど、夏休みの宿題ノートの表紙はつくば万博の写真だった記憶がある)。つくば万博当時の最新技術が一同に納められているかと思い、内心わくわくしていたのだが、TVでも見た、あのエレクトーンを弾くロボットが跡形もなくいなくなっており(パンフの写真には載っている)、楽譜だけが残されていた。あとは2030年に開くというタイムカプセルがあるだけ。ただ、2階の宇宙ステーションのコーナーや、H-IIロケット発射のシークエンス(ミニ映画)は非常に楽しかった。
建物の裏側には「こどもの国」と称したちょっとした円形の広場があり、周辺を三角形のモニュメントが四つ、四隅にあった。それぞれ、アルキメデスの王冠、ニュートンのリンゴ、ガリレオの土星、エジソンの白熱電球が中に納められていたが、誰にも知られることもなく、どれもひっそりと朽ちていた。そのさまは、映画「天空の城ラピュタ」に出てくる、草に覆われ寂れていたラピュタ城に近い印象だった。プラネタリウムが改装工事中であることを差し引いたとしても、ちょっと寂しい印象は否めなかった。
かつて、夢物語でしかなかったロボットやロケットが、今どんどん実現しつつあり、今や身近な存在にすらなっている。その一方で、科学技術に興味を持たない子供が増えてきているという話や、パソコンや携帯電話が当たり前の今の世にありながら、一方では技術の衰退も懸念されている、という話も聞く。先に電気の体験コーナーの話題に触れたが、はじめは遊びながらでいい、今の科学技術を肌で体験してもらい、ゆくゆくは科学技術を今以上に発展させてもらいたい、そして今こそ、そんな教育が必要なんだ、と思う。アルキメデス、ニュートン、ガリレイ、エジソンだって、そう思っているかもしれない。
でも願わくば、あのエレクトーン演奏ロボット、一目見たかったなぁ。