kotoba日記                     小久保圭介

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2016年04月11日 | 生活
桜の木の下
紫の花
これはあやめか
それとも
菖蒲か
兎にも角にも
紫だから
あやめにしておこう
それはそれは
鮮やかな
紫色

あの人は
ちいさなラムネを手渡し
どこでこれを手に入れたか
聞いたけれど
忘れてしまった



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鳴る

2016年04月10日 | 生活
口ずさんだり
笑ったり
叫んだり
黙ったり

話したり
アボカドパスタ
牛丼
松坂牛味のャeチ
コーヒーにお茶

窓を開け
空を見て
一人の思いを
映して

遊んで
遊んで
また遊んで

はみ出す
さみしさは
黙っている

つまりは
さみしさを火に
投げ入れて
笑い
話し
泣き
共感し
歌い
叫び
震え
あらゆる
火となって
赤く
橙に
燃えては
消え
また燃える


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彼の国

2016年04月09日 | 生活
外国の青年に
チョコを割って
手渡す

もし
次の世
彼の国に生まれたら
果実をいただくかもしれない
もちろん
ここにいたことは忘れて
いや
わたし
前の世で
彼の国で
誰かから
果実をいただいたのかも
しれない

早朝の労働中に
5時45分

出身を訊くと
ベトナム
NGHEAN(ニャーン)
「ホーチミンさんのふるさと」
彼はカャJモフ日本語で
言った
29歳だと言う
もっと若く見える

ナショナリストかもしれないけれど
せめて
この国で労働している間
辛いことの方が多いだろうゆえ
わずかでも
甘い思いをしてほしい
と思
彼はホーチミンさんのふるさとへ帰った時
ふっと
割ったチョコの味を
思い出してくれるだろうか
そうならばうれしい

---

あの人に
お礼とお詫びで
タオルを手渡すと
温泉のチケットを二枚くれた
「たくさんあるから」
あの人はいつも
そんな言い方をして
楽にしてくれる

あの人は
黄色い半月の月に
ホースで水をかけ
遊んでいた


鳥の大きな群
南南西へ向かった
V字だろうけれど
ビルとビルの狭い空の一瞬
V字は乱れていた

土に



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25年目の出会い

2016年04月08日 | 生活
トリ南蛮を食べ
以前書いた詩の一つを
見せてもらった
もう20年も前なのに
今読んでも
新鮮なのは
わたしも同じ気持ち

たくさんを共感し
わたしが書く小説すべてを読んでいる人物
まだ出会っている
25年経っても

宝くじが当たったら
また詩集を出そうと思う
と彼は言う
仕事は真面目で
人の二倍働き
賭け事にめっぽう強く
パチンコから競馬競輪
宝くじまで
静かに遊んで
運転しながら
赤信号で
本を読み
ノートに小説を書く

言葉にするまでの
時間のことを
話していると
新入社員たちの嬌声さえ
にぎやか楽団の演奏のように
聞こえ
わたしたち
やっぱり
言葉のことを
話している

今池で
吉増剛造が出演する
カフカの映画を
見にゆく約束をして
それぞれの道を
分けてゆく


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雨の日

2016年04月07日 | 生活
終日


こたつ
冬カーペット
をしまう

カフカ先生は
机の上に
本を重ねて
勉強している
名前を忘れてしまった
おそらくフランスの思想家か哲学者か画家


切り干し大根を煮る
人参を大量に入れて
これだけ作れば
一週間分のお弁当の
おかずになります



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蒼穹水

2016年04月06日 | 生活
「早急に」
と言われ
早急が
数秒後
蒼穹を思わせ
青く深く
そんな空かしら

空を見る

「蒼穹に」

もしも言われたら

蒼穹に
水を汲みに行きます
と答えよう

透明な水さえあれば
人も
草も
木も
虫も
動物も
生きていける

わたしたちの生活の真上で
蒼穹が
水を汲みに来い
と言っている
渇いた営みに
蒼穹水をたっぷり汲んで
地上が潤うために

緑の葉っぱを見ている
レーズンパンの歌を
みんなが歌い出す時
葉っぱを見ている

ぎざぎざ
ざらざら






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さくら きれい しろ

2016年04月05日 | 生活
さくら
きれい
しろ

労働場に向かう途中
あることに閃いた
ああしよう
こうしよう
と思った

大事なことは
朝に決める

父が言った

お土産は

空から
降ってくる

桜並木
贅沢な
通勤

また聞こえた
ホトトギスの
鳴き声





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大曽根にて

2016年04月03日 | 生活
旅行の準備
チケットを買いに
窓口は並んでいて
北出口へ向かう

盲いている初老の女性
白杖は動く
銀色のチェーンに進もうとしている
寄って
行き先を訊く
右腕を出して
どうぞと言って
「ここらへんに洋服の店はありませんか」
と言う
「あるけど、どっちかな。若い人向けの店と婦人服の店が並んでいて」
「婦人服の方です」
笑いながら言う
「じゃあこっちです」
店内まで案内しようとしたら
店先のハンガーに吊るされた
服の並びのところ
服をさわりながら
「あ、ここでいいです ありがとうございました」
彼女は判っているのだ
似合う服を
欲しい服を
手触りで

混雑した南口から
多少いらいらして
北口まで
自転車を漕いだ理由は
盲いた人に会うためだった
結局
北口はもっと
混雑していて
南口に戻って
人の行道の理由は
しっかり
ある
と思



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荷をおろす

2016年04月01日 | 生活
荷物をひとつ
おろす
軽やか

知らずに
背負っていた
体が叫んで
おろした

裸は正しく
服飾は素敵

時に
おろす
正しくあるために

手は空いていたのに
背が重かった

時に
どたん
と落とす
気づくため


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