草花探訪

季節の草花苗づくり

三日見ぬまの桜かな

2016年03月30日 | 花の写真

23日に開花宣言されてから、今か今かと「待ちわびる」日の連続でした。

京都では昔から「比良の八講荒れじまい」と言い伝えがありますが、今年はまさにその通、

八講の25・26日は冬に逆戻りの冷たさで開花は中断、やっと昨日(29日)に平年気温に戻り

足踏みしていた桜の開花状況は加速し、今朝のウオーキング時、平野神社の染井吉野

は一斉に開花したいました。

「三日見ぬ間の桜」と昔から言われているように、それは見事なほど開花風景でした。

ウイークデーにもかかわらず午前の温かい日差しを受けて花見客で賑わってましたが

介護士の方とご一緒の老婦人をパチリ。背後の桜は平野神社の代表木「魁桜」。

次にパッと咲いたソメイヨシノの一枝をパチリと。

ここでは魁桜・山桜とあわせて濃いピンク色の「陽光桜」が早や咲き種で見ごろ。

これらの花をよく見ると枝から花柄が垂れ下がっていますが、これが桜の一般的な特徴。

咲いてる様子は「桜は枝からこぼれるように咲き、桃・梅は枝にくっついて咲く」と。

ついでに花弁の違いも。先端が割れているのが桜、丸いのが梅」と言われています。

 

さて昨日(29日)、全市老人会ウオーキングの世話を上京区老人会が担当し、私も役員で

誘導・交通整理をしてきました。

コースは「鴨川加茂大橋から御所、堀川通り南下し堀川河川敷に降りて二条城前」と

本来なら桜も開花し花見に適したウオーキングのはず。それがわずか一日の違いで桜の開花

はイマイチ。楽しみにしていた桜の写真、取れませんでした。

やっと写した写真の一部、まずは今出川通りに面した同大の桜は満開、ソメイヨシノかどうかは?。

府庁の桜は見事ですが、ウオーキングコースには入れてません。

狙いは堀川の桜、でも今出川から二条までの桜はようやく咲き始めだしたところ。

二条城前もご覧のとおり。予定は桜並木満開の花のトンネル下観桜をかねて歩くのでしたが

残念です。約700名の大集団、そのほとんどが後期高齢者、不満も言わず事故もなく

終了できた事を関係者の一人として、喜びたい。

でも、もう一日遅ければ桜きれいだったのに、残念。

 

最後は今週の花、遅きに失する感がありますが椿寺(地蔵院)の「五色八重散椿」。

豊臣秀吉が北野大茶の湯を開催したときに植えられたとか。現在はその何代目か。

最後の最後、どうしても書いておきたいこと。

それはセピア色の鴨川沿いの桜風景写真(昨年写したもの)についてです。

22年前の3月30日、私は府立医大病院外科病棟から第三内科病棟8Dの一室

に移室、苦しい抗がん剤治療と末梢血幹細胞移植治療を受けた最初の日です。

今でこそ癌は国民病と呼ばれるぐら普通の病気、日本人の二人に一人は癌に

なる時代で、早期発見早期治療すれば完治、克服できる病気と知られています。

でも22年前は違いました。「癌=死」、自分の人生の残り時間がわずかだと覚悟

しなければならない時代でした。まして血液のがんと言われる「悪性リンパ腫」。

つらかった、苦しかった闘病生活のことは今も鮮明に思い出されるのですが、

あのころ見つめた鴨川沿い荒神橋あたりからの桜の景色はどうしても色が

付かないのです。心が灰色だったことを思い出します。

 

 


桜前線北上開始

2016年03月23日 | 花の写真

19日の福岡を皮切りに花の便りが各地から相次いでいます。京都市も今日か明日には

開花宣言されるでしょう。縦方向に長い日本列島、桜の開花が南から北へと移動し、その

スピードは時速にすると約20キロメートルだとか。(ある新聞のコラムから)

 

さて、先週のブログの書き始めが中学校の卒業式のことでした。そして今回も京都市立

小学校の卒業式から始めます。

私の住む地域の小学校も今日が卒業式、毎年老人会会長として出席するのですが、

今年は孫の一人が卒業生ですので公私両面での参加でした。

西陣地域の小学校ということもあって羽織袴・和服正装の子もおり、檀上の屏風も

「西陣織裂貼交(きれはりまぜ)屏風」と学校の歴史の古さ(明治2年創立)を示して

いて興味深いでした。

式の内容は中学校では今も続いている「答辞」「送辞」、小学校ではなくて卒業生全員

が台詞を割り振られた「呼びかけ」。

「僕たち」(男の子)「私たち}(女の子)「今日翔鸞小学校を卒業します」というように。

全員を主役にすることでより感動的な式にしようと努力されていて、在校生からの送る歌、

それを受けての卒業生の歌(斉唱でしたが)も両方とも素晴らしいでした。

 

さて、季節の花に戻ります。

桜と言えば日本原産で菊と並ぶ国花、現在は400以上の品種があるといわれています。

その中で全国の桜の名所の約8割が「ソメイヨシノ」中心に植えられていて、各気象庁が

桜の開花を知る標本木を定め、5~6輪咲くと開花宣言する仕組みはよく知られていること。

このソメイヨシノは江戸時代に作られた改良品種、日本野生種のオオシマサクラと

エドヒガンサクラとの交配種で、ともにソメイヨシノよりも早く開花します。

私の散歩コースにもソメイヨシノより一足早く咲いて目を楽しませてくれる木があります。

オオシマサクラは千本今出川交差点にある大木。

ご覧のように花色は白、花よりも桜餅の葉として有名な桜木です。

次にエドヒガン、下の写真は北野歌舞練場にあるこれも古木。

花色も薄いピンク色と、ソメイヨシノと区別つにくいのです。下の写真は3月22日に

写したもの。そのすぐ横植わっているソメイヨシノがまだつぼみですから、開花して

から見比べて見るつもりです。本によると幹のところに横向きの線が入っているのが

ソメイヨシノとか。

       

ソメイヨシノよりも早く咲き始める桜木で有名なのが平野神社に咲く名前も「魁桜」という

一重咲しだれ桜、3月22日現在3分咲きといったところです。

同じ種類の桜で御所の近衛邸跡にある別名「糸桜」は、平野の魁よりも早く22日現在

7~8分咲きです。

このほかにも、平野神社には「山桜」がきれいですし、「陽光桜」も咲き始めていますから

是非ご覧ください。

以上、桜の花を紹介しましたのので今週の花は休み。

その代りに、温かさをますと小鳥さんたちの動きも活発になり、散歩途中に姿を見せて

くれますのでついついぱちりと。

 

 

 


春は巣立ちの季節

2016年03月16日 | 花の写真

昨日(3月15日)は京都市立中学校の卒業式の日でした。卒業生は義務教育の課程を

終えてこの日から大人への選択の旅立ちが始まります。

私は現職をリタイアしてはや20年になりますが、特に教諭時代に担任した頃のことと、

管理職として卒業証書を手渡した卒業式のことは強い印象で今も鮮明に思い出されます。

厳粛な雰囲気の中で卒業式は進行され、式後に在校生や保護者の方でつくられた花道を

拍手とブラバンの演奏で見送られて校門を出るという風景はいつみてもよいものです。

下の写真は私の母校の様子を写したものです。

私は縁あって多くの若い先生(新採や経験年数の少ない)と仕事をしてきました。

若い先生に機会あるごとに言ってきたこと、それは「先生は教育のプロ、素人の親に

笑われることはするなよ」と「生徒に先生の体温を感じる関係づくりを実践し、その中

から学んでほしい」との二つでした。そしてどの先生も私の現職時代とは比較にならない

教師に成長しています。

この春で定年を迎える二人の先生(タカシ、ヨシノリ)、彼らもまた素晴らしい教師でした。

私はよい仲間に恵まれたと、卒業式の頃になると改めて思うのです。

 

さて、話題を花に変えて、先週散歩コースにも桜の仲間が開花始めたと「河津桜」と

「桃桜」を紹介しました。

今回、まずは平野神社近くに植わる寒緋桜」です。この桜は沖縄あたりで一月から

咲き始める、日本では一番早く咲く桜の一つです。

桜と言えば「ソメイヨシノ桜」のことと言うほど一般的になっています。全国各地に

標準木があってその開花情報を「桜前線」と言っていますが、京都の標準木は

二条城の中にあるそうです。今のところ平年並みだそうですが、その標準木に

先駆けて咲く桜が平野神社の「魁桜」(一重咲きしだれ桜)で、この木が開花すると

ソメイヨシノも数日後に咲き始めます。下の写真のように蕾はピンクに色づきはじめ

ていますが開花は今週末頃?

同じ一重咲き枝垂れ桜でも御所の近衛邸跡の桜(糸桜)は少し早いようです。

木全体がピンクに色づいています。

この時期、御所の桃林の紅白の桃の花が桜より一足早く開花していますので

見頃です。

最後に今週の花、花というより芽吹き始めた柳の木です。

桜が春の花の代表なら柳は地味ですが春の緑を代表する木だと思います。

ヤナギという名前の花に「ネコヤナギ」があります。植物園生態園で咲いていました。

後期高齢者の私が子供だった頃は、衣笠山のふもとに流れる小川の辺にもいっぱい

咲いていた、スミレ・タンポポと同じように春の訪れを告げるなじみ深い花です。

終わりに名前だけは「ユキヤナギ」とヤナギですが実際は柳の仲間でないユキヤナギ

です。沢山群植している様子もきれいですが咲き始めの今も美しい花です。

 

 


啓蟄はポカポカ陽気

2016年03月09日 | 花の写真

半月ごとの季節の変化を示す「二十四節季」はよく知られていますが、さらに5日ずつに

分けて、季節の動きや動植物の変化を知らせる「七十二候」を私は知りませんでした。

江戸時代につくられたものだそうです。

この3月、3月1日からの5日間を「草木萌動」(草木の芽が萌え出る)、3月6日からの

5日間を「啓蟄」(土にこもっていた虫が出てくる)、そして3月11日からの5日間を

「桃始笑」(桃の花が咲き始める)というのだそうです。

江戸時代につくられたのだから当然陰暦、現在よりも約一か月遅いはずなのに、今春は

それがぴったり合っているのに驚きです。季節が一か月先に進んでいるのでしょう。

まず草木が芽生え始めるという3月上旬、北野の梅苑で土筆を発見しました。

啓蟄の3月6日、春告鳥の鶯の初音を早朝散歩の終わりごろに自宅の近くで聞きました。

練習不足?のたどたどしい控えめに聞こえる鳴き声でした。

声はするが姿は確認でき無かったので、時間を改めて虫を探してみました。

鶯を春告鳥というように春告虫はモンシロチョウだそうですが出会えず、平野神社でようやく

黄色のチョウを見つけましたが、小生のカメラと技術では飛ぶ姿は写せず、やっと梅の蜜を

吸うミツバチの姿をキャッチ。

この時期を桃の花が咲き始めるころということでしたので、探しに御所の桃林まで

行ってきました。

まだ少し早かったようで白色だけが咲き始めていて、桃・赤色はつぼみ膨らむ状態。

その帰り道、堀川の戻り橋で河津桜一本が満開でした。地方紙夕刊に大きく紹介

されたこともあって、カメラ持参の多くの見物客でにぎわっていました。

日本では春の花と言えばやはり桜、私の住む近辺では「ソメイヨシノ」に先駆けて咲く

平野神社の枝垂れ一重咲桜(魁桜)が有名ですが、まだ蕾が少し色好き始めた

ところでした。

ここでは「桃桜」が見ごろですので紹介しておきます。

花の前の石畳を、温かい光を浴びて保育園児さんがかけっこ、ついつい目移りして

パチリと。

最後に今週の花、「サンシュユ」です。春黄金花(ハルコガネバナ)という別名が

示すように、鮮黄色の小花を木一面に咲かせます。

民謡のひえつき節 {庭のさんしゅうの木  なる鈴かけて  ヨーホイ  }に

歌われている花です。

 

 

 

 


雪で始まる弥生三月

2016年03月02日 | 花の写真

3月1日は気象の区分では春に入る最初の日、この月名「弥生」は草木が芽吹き、いよいよ

生き茂るとの意味の「いやおい」が転じたとのこと。(コラムの文からの受け売りですが)

海の向こうの米国では「スーパーチューズデー」と大統領予備選は熱い戦い真っ最中ですが、

京都の春一日目はうっすらと雪化粧、最高気温も5度台と、更に一枚着重ね(きさらぎ)が

必要です。

今年の真冬は雪が少なかったのでこのチャンスを逃さないようにと、カメラを持って

梅の花と雪の天満宮の風景を狙ってみました。

わずか1cmの積雪では思い浮かべた画像にはなりませんでしたが一応3枚の写真を。

最初は中門から本殿に通ずる参道わきの梅の花、人影が入らないようにと夜明けて

すぐ(7時ごろ)に。

続いて本殿(国宝)と飛び梅伝説の咲き始めの紅梅。

メジロがいたのですが、白梅にうっすらと積もる雪の情景は写しきれませんでした。

今回は雪景色から紹介しましたが、前から心づもりしていた今週の予定は「梅花祭」

(2月25日)でにぎわう様子をと考えていました。

梅をことのほか愛した菅原道真の命日(2月25日)に遺徳をしのぶ「梅花祭」が開かれ、

豊臣秀吉が境内で催した大茶会の故事にちなむ野点茶会にも大勢の人が詰めかけ

ていました。

梅の花も満開で香りふくよか、上七軒の芸舞妓による茶のもてなしを受け(1500円)

にぎわっていました。茶券を求めるのに長蛇の列、茶券を手にしてから入場待ちで並び、

入場後は茶席に案内されるまでまた並びと、大変でした。

茶席で一服おもてなし受けたらすぐに席を立たされて、気の弱い?小生はきれいどころ

を狙って写すこともできず出口に向かっていました。

温雑する観梅客の多くはスマホやデジカメで花を写たりし、家族や友人と記念撮影する

姿です。ほのかに香る梅の匂いを楽しんでいる様子を写そうとしたのですがなかなか

出会えません。やっと写せた2まいです。

最後のシメも花ではありません。老夫婦の後ろ姿ツーショット、手を取り合って

両脇出店で混雑する中を歩いておられる様子に温かさを感じながら、何年か先の

自分たち夫婦もあのように散策できるだろうかと思ったりしていました。