新聞のコラムの記事の中から気に入った文章をノートに書き写している先日。暇な時に読み
返していると「天声人語」の中から次の記事に目がとまった。
「石川啄木の梅を詠んだどこかおかしくて寂しい一首がある。”一晩に咲かせてみせむと
梅の鉢を 火に焙りしが 咲かざりしかな” 梅はせっかちをしなくても寒さの中へきりりと
開く」と。
年初めから散歩途中に天満宮に立ち寄り、咲くのを心待ちにしていた私だ。1月8日に白く赤
く色づいてふっくらとしたつぼみを見つけてから開花まで約2週間、20日に白梅が一輪そして
26日に赤い花が。その間じりじりとした気持ちでいたのがこの一首に共感したわけだ。
この一週間、暖寒・雨雪とめまぐるしく天候の変化があった。梅の花は桜とは違って開き始めた
小さな蕾を何日もかけて花開いていく。まだかまだかと半開きのつぼみを覗き込んでいる私は
花を通して春までの距離を測るようだ。最低気温がマイナスの日が続き、春はまだまだのよう、
でもそう遠くでもなさそうと。
下の写真は雪の日の白梅、雨の日の紅梅のアップです。
背景をぼかして梅の花を引き立てようとも試みてみたが、所詮簡易デジカメです。気に入った
写真がなかなか撮れませんでした。下の2枚はそれでも私としてはよく撮れたほうです。
来週は月が替わり2月、4日は立春です。天満宮の早咲きの梅もあちらこちらで開花します。
その様子を次回紹介します。
ここで、ついでと言っては懸命に咲く花に失礼ですが、「待って待ってやっと開花」のパート2
として、種から育ってているクリサンセマム・パンジーが開花したので写真を添えておきます。
毎年8月末ごろに播種、11月中ごろに花苗に仕上げて近隣の保・幼・小にもらっていただい
ていました。その数約500~600ポット、喜んでくださるのを励みにして。
ところが昨年晩夏の異常なまでの高温続きで、3回種まきを試みたがうまく発芽せず、9月
20日ごろに蒔いた最終の種が少し発芽しただけ出した。
一時は育てるのをあきらめめたのですが、せっかく発芽してきた芽を枯らしてしまうのはかわ
いそうと思いとどまり、育ててきた苗約120ポットが、今頃になって開花して来たのです。
近所の花好きの老人仲間に差し上げる予定です。