草花探訪

季節の草花苗づくり

アンネのバラ

2013年05月29日 | 花の写真

いつも5月中旬から6月上旬にかけては、早朝ウオーキングには最適の気候です。

日差しはあっても空気がさらっとしていて、暑くも寒くもない、30分あまり続けて歩くと

心地よい汗をかきます。立ち寄る神社の境内の新緑が目に沁み、萌木色の葉が朝の

日に照らされ、風にそよぐ様子を眺め、後期高齢者の私はエネルギーをもらっています。

それなのに、残念なことに今年は昨日(28日「)梅雨入り」です。平年より約10日も早く。

さて、今週の花は「薔薇」です。私の散歩道の途中に立命館大学の「国際平和ミュージアム」

があり、そこには「アンネのバラ」がちょうど今が見ごろです。

説明をするまでもなく第二次世界大戦中、ナチスドイツ大虐殺亡くなったユダヤ人少女

アンネ・フランクにかかわる薔薇です。

このバラはアンネ・フランクと同様に強制収容所に入れられ、生還したベルギーのバラ

育種家(デルホルク氏)が、1960年に育成した新品種で、「アンネ・フランクの形見」と

命名して、アンネの父親に送られた品種です。デルホント氏の意志で有償での販売が

禁止されていています。

この花は房咲で、つぼみ期は赤く、開花すると黄色がかったオレンジ色になり、成長とともに

ピンクから赤色と色お変えるめずらしい品種です。

京都ではここのほかに府立植物園でも見られますが、250品種2000株が咲き誇る薔薇園

では探すのに一苦労です。私は27日に写真を撮りに行ったののですが「アンネのバラ」は

見つけられず、気に入った色の花を数種撮ってきましたので添付します。

蛇足ですが、名前の由来は、棘のある木の総称である「うばら」または「いばら」が

「ばら」に略されたという説が有力。甘い香りは古くから香水の材料にも使われ、

ギリシャ時代には、ビーナスに結び付けて、「愛と喜びと美と純潔」を象徴する花とされ、

これが今日花嫁が結婚式に薔薇の花束を持つ風習につながっているとか。

花言葉は、一般的には「愛」「恋」、花の色により赤「愛情」、白「純潔」、黄「変わらぬ友情」

ピンク「情熱」など。


今週の花はジャーマンアイリス

2013年05月22日 | 花の写真

早朝散歩には最適の気候となりました。西陣の長屋づくりの家々が続く道々を通るとき、

多くの民家の周りにも鉢植えの花が飾られているのに接します。

まだ5時台というのに水がやられていて、京都は「花をめでる優しいまち」だと再確認。

時には花にデジカメを向けると、見知らぬはずのこの年寄に話しかけてこられたりと、

楽しい出来事もあって、疲れが吹っ飛びます。

さて、今週の花の写真ですが、当初は「花ショウブ」を紹介する予定で、昨日(21日)

平安神宮に出かけたのですがまだ咲いていませんでした。やむを得ないので、散歩

途中に立ち寄る平野神社に「ジャーマンアイリス」が咲いていますのでそれを紹介

します。

境内のあちらこちらにいろんな色の花が咲いています。

中でも大鳥居をくぐってすぐ右手の桜池(上の写真)には次の色の株が生えています。

ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)は、虹の花(レインボーフラワー)とも呼ばれるように、

色とりどりの花を咲かせ、アイリスの仲間では最も華やかで、多くの品種があります。

日本のアヤメ属の代表花菖蒲よりも、花は大きく、フリルのついた花弁に特徴があります。

花菖蒲やカキツバタと異なり、乾燥した土地を好み、水やりの心配もなく手軽に栽培できる

ので鉢植えでもよく見かける花です。

 


アヤメとカキツバタ

2013年05月15日 | 花の写真

この一週間の気温の乱高下には76歳の老人にはこたえました。最低気温が7.5度の日

もあれば最高気温が32.4度の日もあるのですから。

さて、今週の花は「母の日」にちなんでカーネーションにしたかったのですが、残念ながら

散歩コースではお目にかかれません。この花はどこのお宅でも鉢植えできれいにラッピング

されて部屋に飾られているのでしよう。

そのようなわけで今が旬の花、アヤメ(文目)とカキツバタ(杜若)の写真を撮ってきましたので

しょうかいします。

まずはアヤメです。散歩コースの竜安寺の鏡容池の淵に植えられています。 

池の淵に沈床が作られてそこに植えられているのですが、水中に生えているわけでは

ありません。よく「いずれがアヤメかカキツバタ」と言われる通り両者の区別は難しいです。

簡単に見分けるポイントは花弁の基のところです。アヤメは黄色い網目状の模様がある

のです。それに花色が濃い青紫色をしています。ちなみにカキツバタは花弁の基に白い

目型模様があり(下の写真)、花色もやや薄青紫色です。生育場所も湿原です。

カキツバタの群生地で、天然記念物にも指定されている上賀茂神社のすぐ東側にある

大田神社のカキツバタが見ごろです。14日(火)に言ったのですが多くの人でした。

鳥居近くの大田ノ沢には約2万5千株が群生しています。古くは平安時代の歌人

藤原俊成が一面の紫色を一途な恋心に例えて和歌に詠んだことで知られています。

来週は花ショウブを紹介する予定です。


行く春の名残をとどめる藤の花

2013年05月01日 | 花の写真

手紙の初めに時候の挨拶を入れるのは日本独特の習慣だそうです。四季の移り変わりを

美しく言い表す言葉を盛り込んで情趣ある手紙文にしてきましたが、今はメールで話しかけ口調。

月が替わって今日から五月、さしずめ「風薫る候」「新緑まぶしい季節」などと書き始め、

季節の花の写真を紹介する予定でした。用意する花は”藤の花”、ところが俳句の季語では

この花は晩春を表す、行く春の名残をとどめる花と知り、戸惑っています。

晩春から初夏に咲く花として身近なに接するこの藤の花、房状の藤紫色の花を咲かせ、

一輪一輪は蝶のような形の小さな花が房となり、柔らかくかおる芳香があります。

北海道を除く日本各地でみられる日本原産のつる性落葉高木です。その優美な花姿から

万葉集にも多く歌われ、源氏物語の登場人物の名前にも、また藤原氏の家紋にも使われる

等、日本文化とかかわりの深い花としても有名です。

私の散歩道だもよく見かけます。まず平野神社の西側にある児童公園の藤棚、いつも歩く

途中にすれ違う女性3人が小休止されていましたので写しましたしゃしんです。

ここから5分ほど西へ進むと立命館大の衣笠学舎、そこにも藤棚がありますが

構内の北側にある山藤が印象深くきれいです。

大学の敷地を後にして「きぬかけの路」を西へ約10分すすむと竜安寺に到着です。

有名な鏡容池のほとりに高く立ち上がる山藤の木、滝のように垂れ下がる藤の花房、

時のたつのを忘れて見入って写した2枚の写真、私のお気に入りです。

池の西側には白色と藤紫色の藤棚が並んでいて、そこのベンチで一休みしながら花や

景色を鑑賞される方が多いです。

竜安寺を後に帰路につくのですが、その途中洛星中高等学校のグラウンドのfフェンス

いっぱいに立ち上る山藤も一見の価値があります。

以上、散歩途中で出会う花についてですが、ついでに、若干の豆知識を付け加えておきます。

まず花言葉ですが、「純粋」「あなたを愛します」「歓迎」「決して離れない」など。

名前の由来は、風に波のように揺れる花房が「吹き散る」というところから。

さらに蛇足になりますが、今は大改修中で拝観できない京都の藤の名所「宇治の平等院」の

樹齢250年の藤の花の写真(三年前撮影)を添えておきます。