草花探訪

季節の草花苗づくり

夏休みの風景を求めて

2015年07月29日 | 花の写真

京都市立小学校の夏休みは7月25日に始まり8月25日までの、ほぼ1っか月間です。

7月20日終業式、9月1日始業式に慣れてきた中高年・老人には少し違和感があります。

休暇短縮の理由はいろいろあげられますが、全教室にエアコン完備という教育環境

整備も一因。下敷きでバタバタあおぎ涼をとりながら授業を受けた思い出を持つ老人には

隔世の感があります。

夏休みと聞いて頭を横切るのは、日が暮れるまで虫取りや水遊びに夢中になったこと、

宿題(日記・写生・採集・自由研究等)に登校間際の追い込みで苦しんだこと等、今と

なればどれもが懐かしい思い出です。

79歳の老人の日課であるウオーキングで出会う、夏休みの郷愁を誘う「朝顔」と

「ラジオ体操」の様子を写真でスケッチしましたので紹介します。

歩いていて思うのですが、最近朝顔の花に出会うことが本当に少なくなりました。

終戦直後の食糧難時代に育った老人は、猫の額のようなわずかな空き地にも野菜を

作った思い出と同時に、その横で朝顔が咲いていた記憶が残っています。

上の行燈仕立ての鉢植えはご近所さんの1年生の家の前で写したのですが、今では

鉢植えで朝顔だけを育てているお家が少なくなっているようです。

下の写真のようなお宅はまれで、ゴーヤのグリーンカーテンに乗っ取られてるようです。

次に早朝ラジオ体操の風景二つ紹介します。

夏の懐かしい思い出として、親・子・孫へと受け継がれ心に残していきたい風物詩。

昔は全町内・全小学校で実施されていたのですが今では影を潜めているようで、

元体育教師の私はとりわけ残念な気持ちでいます。

下の写真は隣の小学校で地域の団体が音頭を取って実施されているのを写したものです。

ここでラジオ体操についてのうんちくを少し。

その歴史は古く1928年(昭3)国民の健康保持・体力向上目的としてはじめられた。

特に戦後の殺伐とした社会の中、時代を担う子供たちに元気を出してほしいという

願いを込め「ラジオ体操カード」を配布して普及していったという歴史があります。

軽い運動のようですが約15分間実施すれば一日分の運動量が確保できるとか。(第一

葉3分11秒、第二は3分30秒)

体育教師としての思い出は、「体操」となると教えている生徒にいやがられ、嫌われていた

教材で、無理やりやらせた苦い記憶が。

ところが私が56歳の時、悪性リンパ腫という血液のがんで府立病院に入院中、内科病棟

では10時ごろから患者さんがラジオ第一、第二体操を廊下・広間いっぱいに行うのです。

私は先頭で率先して演示して、患者さんたちの人気者に、また看護師さんたちから感謝された

思い出があります。

ラジオ体操ではありませんが近くの北野天満宮のお土居でお年寄りの早朝体操の

集まりが実施されていますのでその様子も。

最後になりましたが今週の花、「熱帯性・亜熱帯性スイレン」です。

蓮と同じように泥水に清らかな花を咲かせます。日本の睡蓮と違って花が水面から

伸び出て咲き、花色も原色に近いのが多いことです。

立体感を出すために水面に花影が映るところを望遠で狙ってみました。

残念なのは水色の花が写せなかったことです。

 


夏は朱色が似合う

2015年07月22日 | 花の写真

(ごめんなさい、急に老人会の仕事で出かける羽目になって投稿が遅れました)

 

最近神経を逆なでするような不快なことが続きます。梅雨明け前に台風が直撃、一日の

降雨が260mmという土砂降りに見舞われたこと、社会では衆議院の強行採決があり、

教育場面でのまたまたいじめによる自殺が等々。書きたいこと目白押しですが。

さて、台風が梅雨を追い払い例年通り梅雨が明け猛暑の夏が始まりました。

気分一新、夜明け前の午前後5時にスタートし菩提寺のお寺参拝して北野天満宮前

に戻ってくる頃、比叡山の右肩付近から太陽が光り始めます。

天神さんに参拝して平野さんに到着する頃、太陽がすっかりのぼり姿を現し、周りを

明るく色づけていきます。

足を西方向に進め衣笠山の麓に差し掛かる5時40分頃、クマゼミの合唱が始まり、

蝉の声を聴きながら竜安寺鏡容池には歩き始めて約1時間後に到着。

水面に光が差し込む6時ごろは睡蓮はまだ閉じたままです。

決まった時間にほぼ同じコースを歩く私、同じようにウオーキングされるご年配と

挨拶を交わすのも楽しみの一つです。

とりわけ下の写真のご夫婦(目の不自由な旦那さんが奥様の肩に手を置かれての

軽快な足取り)以前にも紹介したと思うのですが、ほほえましくて見とれます。

下の伴走者とランナーのトレーニングにも励まされ力をもらいます。

さて、このあたりで今週の花ですが、広く赤(朱・紅も)色の花を紹介することに

しました。というのも梅雨が明け盛夏、季節を色で表すと夏は何色?と思った

からです。

春は青春という言葉の通り「青」、秋は白秋で「白」、ならば夏は朱夏の「朱」。

ということで、まずは梅雨時に雨に濡れて映えるムクゲとノウゼンカズラ。

庭木で目につくのは百日紅、ぼつぼつ咲き始める芙蓉です。

百日紅の花を写真に写すのに苦労します。花を浮き立たせて背景をぼかす、

そんな斜視が撮りたいのに。

次に梅雨明けを待って植物園に出かけ探してみましたので紹介します。

まずはオニユリです。日本の野山・人里どこでも見られるなじみ深いユリ、

葉の付けねには黒紫色のむかごができることでもよく知られる花。

カンナこそ夏の草花の代表かもしれません。植物園では噴水の近くに多く植栽

されています。

花ではないがハケイトウの燃えるような赤色も目立ちます。

最後に、花を探していたらばったりとカワセミに出会いました。汗流し花を写す

私へのご褒美かも?

 

 


梅雨明け知らせる風物詩

2015年07月15日 | 花の写真

55年前の今日のことを忘れていない。大学4回生でした。大学の友と「アンポーハンタイ」

と声いっぱい叫びながら集会に参加していたことを。

1960年の日米安全保障条約改定を阻止しようと、デモは労組・学生一体となって全国

津々浦々に広がり、その熱気が結集して国会周辺を人で埋め尽くす一大デモで騒然と

なっていました。

あれから55年が経過した今、今朝の新聞の見出し「安保法案 与党きょう単独採決」の

活字を複雑な気持ちで読んでいる私は80歳手前の老人、でも、決して無関心でいるの

でも、あるいは強行しようとする今の政府を支持するものでないことだけは言っておきたい。

 

さて、七夕の日の京都の最高気温は24、3度でしたが、その翌日からの猛暑日あるいは

それに近い高温には辟易しています。と言って梅雨が明けたのではないのです。

そこで、梅雨明け間近を知らせる風物詩をいくつか探してみました。

まずは「立葵」です。別名「梅雨葵」とも言います。梅雨入りのころに咲き始めます。

下の写真は6月中旬、植物園で写したものです。

上の写真は7月11日にうつしたもの、2~3個蕾を残すだけで、これより下は

枯れた状態でした。

次に梅雨明け間近、夏本番を知らせる風物詩は「蝉」です。今年の初鳴きを聞いたのが

7月5日、それから一週間ほどしか経過していないのに、早朝ウオーキング途中、5時半

過ぎに立大構内の木立の中から「シャンシャン」とクマゼミの大合唱が始まります。

早朝からのクマゼミの大合唱、時には耳障りに思うこともありますが、子供の頃

神社の木立の中を長い虫取り網を持って蝉取りに興じたこと、体が大きく透明で

きれいな羽根を持つクマゼミをとらえて喜んだことを懐かしく思い出しています。

 

最後に今週の花、「向日葵」(ヒマワリ)です。

夏の始まりを知らせる花の代表格です。ヒマワリの名は花が太陽を追って回る

ということに由来しますが、実際は生育が盛んな若い時期だけで、花が咲いて

からは動かないのです。

アメリカ原産の大型の一年草。インカでは太陽神の象徴とみなされていること、

ヨーロッパではゴッホのひまわりで有名なようにいろんな画家が描いていること

、種子は食用にしたり絞ってヒマワリ油として活用していることなど話題も豊富。

植物園にはいろいろな種類のヒマワリが栽培されていますが、噴水のすぐ近くの

背丈約3メートルの「ロシア向日葵」(上の写真)を始めほとんどが実をつけて頭

を下げています。

向日葵の花を写真に撮るのは本当に難しいです。イメージとしては青空を背景に

太陽に向かって咲く姿をと思うのですが、描いたような構図の花には出会えません。

ほかの花の写真と同じように背景色を工夫して写してみようと試みるのですが。


梅雨に似合う花

2015年07月08日 | 花の写真

昨日は七夕、およそ一か月間にわたり熱戦ぶりで日本国中を沸かせた「ナデシコジャパン」

が大勢の出迎えを受けて凱旋しました。

3年前五輪で銀メダルを取った時、朝日新聞の天声人語は「植物図鑑を書き換えたい。

”ナデシコ=日本原産の多年草、厳しい環境に強く夏の早朝に銀色の大輪の花をつける。

花言葉は明るい・忍耐” と」。今回もプラチナのような花を咲かせた彼女たち、帰国直後の

インタビューで宮間主将が女性アナウンサーの「今日は七夕、短冊に願いを書くとしたら何を?」

の質問に「今の 女子サッカーのブームを文化として根付かせたい」とさらっと答えた彼女の

一言に私はは胸を打たれました。

さて、この時期の風景写真の紹介に移ります。今年も七夕の日は雨、雨の中を約30園の

子たちが作った七夕笹飾りで囲まれて大テントの中で行われた「七夕祭り」の様子です。

次に今週の花、先週に引き続き「蓮」です。この花は仏様の教えそのもの、

泥沼に生じ、そこから清浄な花を開くことから人間のあるべき姿に例えられ

ている花です。

しかし、私にとっては「蓮の花」との思い出というよりも、奥様が「連子」と言う

名の恩人との思い出です。

もう50年ほど前、生意気で人間として未熟な、もちろん教師としての知識・技量が

全くなかった私を見捨てずに温かく丁寧に8年間ご指導いただいた方の思い出が、

この花を見るたびに蘇ります。

中学校教育に携わる一員として、少しは足跡を認められるようになったのも、

そして優秀な教師を数多く育てることができたのも、この恩人のおかげです。

 

蓮の花に戻ります。この花は開花するとわずか4日の短い命です。

まずは開花直前のつぼみだす。

一日目、午前6時ごろから花弁が3~4cm開き午前中にすぼみます。

多分下の写真のような状態?(写したのが10時過ぎですので)

二日目、早朝より咲き始め9時ごろには満開となる、最も美しい時で優しい

香りが漂うです。

三日目、二日目と同じ経過をたどり最大に開きます。閉じかけたまま夜を迎えます。

四日目、7時ごろには完全に開きます。昼ごろには花弁が散り始め花托がはっきり

現れます。

以上の写真は、撮影場所「花の寺 法金剛院」で、7月5日午前10ごろです。

まだ咲き始めでした。ちなみに7月11日から午前7時早朝観連会が始まります。

 

 


半夏生の頃

2015年07月01日 | 花の写真

今日から7月、1年の折り返し点です。京都では祇園祭りが始まる日でもあります。

「歳をとると一年が早く過ぎる」とよく言われますが、80目前の私は75歳を超えて

からは特に強く感じています。加えて季節の変化も一年を速めているようです。

しのぎやすい春・秋が冬・夏に食い込まれ、四季がはっきりしているはずの日本が

二季化へ変化している印象が強いことも原因です。

 

私たちはずっと季節の移り変わりを花で感じてきました。だから季節の花の開花にも

変化がみられるのではないか気になっていましたが、自然はもっと長いスパーンで動

いているようです。

さて、この時期にお目見えする草花の代表の一つ「ハンゲショウ」があります。

ハンゲショウはドクダミ科の多年草。名前の由来は、”夏至から数えて11日目にあたる

「半夏生」の頃に花を咲かせるためとも、葉の半分・片面が白くなり「半化粧」と呼ばれる

ためともいわれる”(抜粋)。花は白くて紐状、地味で目立たない花です。寺院の庭園に

よく植栽されてますが私の散歩コースの道端ではお目にかかれません。

この時期に咲き始める草花に「ツユクサ」と「オシロイハナ」がありますが、早朝散歩時

には花を閉じています。

ツユクサは月草・ほたる草とも言われ、私の子供の頃は道端どこにでも生えていました。

今は野原も少なく、お目にかかりにくくなっている草花です。

開花は夜が明けてから、午後は閉じているからなお目に留まらないのかの。

西行法師が「移りゆく 色をば知らず 言の葉の 名さえあだなる 露草の花」と

詠んでいますし、古くは同種の露草の花をすり染めに使用されたことでも有名。

次にオシロイクサですが、夕化粧とも言われ花の形はロウト状で筒が長いのが特徴。

「夕化粧」の名の通り夕方から咲き夜明け前に閉じるためと、繁殖力が強くところ

選ばず育つため雑草扱いに除去されるため少なくなったのは残念です。

この時期に咲く草花で見過ごしてはならないのが「ネジバナ」です。

日当たりのよい草地や芝生に生える多年草、日本で自生するラン科で、長さ

約5㎜の花をらせん状につけます。

芝生を大切に管理されているところで探せばきっと見つけることができます。

ちなみに私の散歩コースでは洛星中・高ので。昨日行った二条城の庭園にも。

最後になりましたが今週の花、「蓮」です。

蓮一つの花の寿命は4日間、植物園のあじさい園の池に咲く蓮の花の中

から開花状況の違いを探して写して並べて見ました。

いずれもう一度蓮の花を狙って写真撮ろうと思っていますので紹介する予定です。