草花探訪

季節の草花苗づくり

桜前線歩み遅し

2017年03月29日 | 花の写真

3月末が近づいてやっと日差しの元では春を感じるようになりました。

それにしてもこの2週間の冷え込み、ほとんどの日が最高気温平年以下という、後期

高齢者いじめの寒さが続きました。

例年であれば3月も下旬に入れば、早咲きの桜が開花し、鶯の初音が聞こえます。

それに接するのを今か今かと楽しみに待つのは暇人の年寄だけではないようです。

何かで読んだのですが「欧米人が季節の盛りを好み愛するのに対し、日本人はさきがけ

に敏感だ」と。

私、仕事から卒業し暇老人になってからは、早朝ウオーキングで出会った花鳥虫を血圧

記録帳にメモしてきました。それによると昨年の平野神社の「魁桜」(枝垂れ桜)の開花は

3月19日、鶯の初音は22日でした。ちなみに早咲き桜で有名な御所の近衛邸跡に咲く

「糸桜」(枝垂れ桜)は平野の魁桜よりも1~2日早いので有名。

でも今年の「魁桜」「糸桜」の開花は28日でした。蕾が色づき今にもパッと咲きそうですが

暖かさの一押しがたりないようで、遠目には木全体がピンクがかって見えますが花の咲いた

華やかさはありません。

咲いてる枝を選んでパチリ。

平野神社にはヤマザクラの古木があって咲き始めています。

御所の糸桜も28日午前では開花寸前。

ここでも咲いている一枝をさがしてパチリと。

桜前線北上中とか桜情報がマスコミに登場しますが、ここでいう「サクラ」は

「ソメイヨシノ」桜のこと、でも日本にある桜の約80%がコノソメイヨシノだとか。

ちなみに桜は人の手が加わっていない「野生種」と人の手で増殖する「栽培品種」とが

あって、野生種にはヤマザクラ・オオシマザクラ・ヒカンサクラ・エドヒガンザクラ・など

9種類(国立科学博物館による)。

ソメイヨシノは、江戸末期にエドヒガンサクラとオオシマサクラとを交配してつくられた

園芸品種。

染井吉野が咲きそろう前に目を楽しませてくれる「シダレサクラ」(一重咲き)はほかにも

あって、隠れ桜名所と言われ満開時には写真愛好家が大勢押しかけています。

有栖川宮旧邸(平安女学院大学)と京都府庁旧本館です。開花はもう間もなく(写真は

昨年撮影のもの)

 

今週こそは桜が開花するだろうと、身の回りの小さな花を追いかけずにじっと待っていました

ので紹介する花の写真が少なくなりました。

その穴埋めではないのですが後3日で年度返りを迎える今日、花情報ではないのですが

私に取ってはうれしい小さなニュースがありましたのでつけたして置きます。

一つ目は、我々夫婦と同じ道を歩んでる長男が肩書でも私たちと肩を並べたこと。

教師としてはもうとっくに追い越されていて、いい先生になってくれていましたが。

二つ目は、二男が独立して公認会計士として個人事務所(四条室町のビルの一室に)

を開いたこと。

そして三つ目は3人いる孫の内の一番上が大学生になったこと。

 

私たち老夫婦にもこのように小さな春が訪れてきました。

うれしいです。ありがたいです。

 

 

 

 


桜前線スタート間近

2017年03月22日 | 花の写真

「春に三日の晴れ間なし」とか「三寒四温」とか春の気象を顕わす言葉はありますが、

今週はドンピシャと言いあててた空模様でした。

彼岸も過ぎて夜が明けるのが早くなりました。確か正月頃は日の出が午前7時すぎ

であったのが、お彼岸の中日では午前6時過ぎと、私のウオーキング終了時刻です。

昔から「春はあけぼの」とあり、春の夜明けの美しさを「暁・東雲・曙」と三段階に表して

いることからも関心が寄せられていたことがわかります。

快晴の20日の早朝、散歩を早めに切り上げて夜明けの空をカメラに収めてみました。

上の写真は北野天満宮前の今出川通りで、日の出寸前の薄赤色とやや白っぽく

色づいた東の空をとらえてみました。背後にかすかに見える山は比叡山です。

日の出の瞬間は町屋の屋根や神社の森に隠れて地面に立つ位置からは見えないので

我が家の三階ベランダから北野の森越しに東の方向を。

暁の微妙なグラデーションは本当にきれいでしたがカメラには写しきれませんでした。

 

さて、この時期は桜の開花待ち遠しくて、私は毎朝平野神社の「魁桜」(しだれ桜一重咲き)を

注意深く観察しています。

日本人が最も好む花の一つ桜、一般的に桜と言えば「ソメイヨシノ」をさし、昨日(21日)全国

で最初の開花が東京であったとニュースになるほど注目されていたところです。

今年京都の染井吉野が開花するのは3月30日ごろと予想されていますが、実は平野神社の

「魁桜」はソメイヨシノに先駆けて(約一週間前)咲くので、影の標本木と言われているのです。

昨年は19日に開花していますし、この5年間の記録を見てみると19日が2回、22日が1回、

23日が2回ですので、今年は例年より開花が遅れているように思われます。

下の写真は現在の様子、つぼみ全体がピンクに色づき開花の近いことを示していますが

22日現在開花していません。

染井吉野桜の開花を待つ間、平野神社とその近辺で見られる「サクラ」をいくつか

紹介します。まずは「桃桜」です。

次は昨秋から咲き続けている「十月桜」です。

平野神社の北側、天理教分教場前には「緋寒桜」が。

そして先週にも紹介した一条堀川戻り橋の「河津桜」。

最後に22日現在の染井吉野のつぼみ。次回29日号では美しく咲く花姿を。

 


卒業シーズンで思うこと

2017年03月15日 | 花の写真

今日3月15日は京都市立中学校の卒業式の日です。

今年もこの季節、多くの中学生が希望と別れの寂しさを胸にひそめながら旅立っていきます。

今では卒業式の数日前に生徒会主催の「卒業生を送る会」で卒業への雰囲気を高め、

当日は厳粛雰囲気の元で「卒業式」が挙行され、式後は在校生・来賓保護者で作る

人垣の中をブラスバンドの演奏と拍手で校門まで送りだすというパターンが定着しています。

(3年前、孫の卒業式の後の写真です)

でも私が管理職を務めていた20数年前はそれが確立される過渡期でしたので大変でした。

特に「国旗・国歌」の問題、式場の壇上に「日の丸」をかかげ「君が代」を斉唱することに、

教職員組合や左翼団体、地域保護者の一部からも強い反対の抗議を式直前まで受け、

その対処に苦慮したことが思い出されます。

また、その当時は「荒れた中学生」の問題が社会問題となっていた時でしたので、京都市立

中学校の中には式場破損やガラス破損等の校舎器物破壊の心配を抱える学校も数校

ありました。私の勤務校もその心配があって式前夜遅くまでパトロールしていました。

さらには特定教師への逆恨みが暴力行為(お礼まわり)として顕在化する心配を抱える学校も

あったりして、中には私服警官がひそかに配置された学校もあったころです。

幸い私の勤務校はその心配はなかったのですが、ツッパリ生徒はいました。前日担任が

家庭訪問をしてくどいほど頭髪・服装の指導をしても、当日頭髪を染めてきたり、変形制服で

登校してきてその指導で式の直前までかかったことも懐かしく思い出されます。

無事何事もなく式が終わるようにと祈り、卒業式の歌「巣立ちの歌」の二部合唱を聞くときは

安堵感で胸が詰まる思いでした。

中高年の方なら卒業式の歌は「仰げば尊し」でしょうが京都市の場合は「巣立ちの歌」、

音楽担当の先生のご努力で毎年素晴らしい二部合唱で締めくくっていただきました。

 

さて、今週は季節の歩みもゆっくりで、灰色の雲が空をおおいすっきりしない空模様が続き

春を感じさせる写真を撮るのに一苦労しました。

早春を代表する花木の一つ「サンシュユ」、別名春黄金花です。民謡「ひえつき節」に

”庭のさんしゅうの木  鳴る鈴かけて”とあります。木々の葉が落ちて芽吹く前の灰色の

風景の中に黄色く輝くこの花は、花は小さいですが人の目を引き付けます。

下の花はまんさくです。サンシュユと同じで北国で春が来たことを知らせてくれる花の代表。

ネコヤナギです。昔は小川の辺などでよく見かけた花ですが。私が子供の頃遊び場と

していた衣笠山の麓一帯、小川が流れネコヤナギが映えていた風景を懐かしく

思い出します。

    

春の歩みが遅いと嘆気ながら植物園を歩いていたら、柳が芽吹いていました。

   

植物園では小さな花(クロッカス・スノードロップ)も咲いていました。

一週間前膨らみかけていた御所の桃の花、ようやく咲き始めています。

最後に、北野天満宮の梅景色を。3月の声を聞いてから冬に戻ったような日が続き

北野の梅は長く咲き続けています。

本殿前の紅梅が咲き始めると北野の梅はそろそろ終わりです。

 


春の訪れ探し

2017年03月08日 | 花の写真

先日5日は、立春から始まる旧暦二十四節季の一つ「啓蟄」でした。

「冬籠りしていた虫が暖かくなって外に出てくる時期」だそうです。

確かに2月末ごろからのこの数日間は季節が巡り春の気配が感じられる暖かさでした。

私は歳を重ねてから、早朝散歩を日課とし、その道々、道端に咲く野草の花や小さな虫

との出会いから春を発見するのを楽しみにしてきました。

今冬は寒さが厳しかったためでしょうか、毎年この時期には梅の花の蜜を求めて飛び

交う蜜蜂にお目にかかっていたのに、今春はいくら探しても目にかかれません。

満開の梅の木にはメジロ等小鳥がよく来ていますが。

 

虫との出会いをあきらめて梅・桜の木の元あたりに映えているいわゆる「雑草」の仲間の

花を探してみました。

つい先日まで探しても見つけられなかったタンポがポ、地面周り一帯が茶褐色な中に、

花茎短く根元に引っ付くような状態で咲いていました。

 

花径わずか1㎝足らずの小花、オオイヌフグリは厳冬期でも咲いている貴重な花、

よく見ると瑠璃色で紫いろの筋が入ったこの花は雑草扱いはかわいそうなほど美しい。

ひどい名前を付けられていますが花の後の実の姿が由来らしい。

 

繁殖力が旺盛で抜いても抜いてもはびこる、いわゆる邪魔者扱いの雑草の一つに

オドリコソウがありますが、よく見れば白色または淡紅紫色の花を茎に輪生させる

この花にもこの花らしい美しさが感じられます。

    

 

梅園の梅の木の根元にツクシが生えていたのですが、柵から十mほど離れていて

私のカメラではきれいに姿を写しとれませんでしたので昨年の写真を。

 

最後に今週の花ですが、まずは御所の桃苑に咲く桃の花一輪。

ここ「桃苑」には花木も多く、花見客を楽しませてくれるのですが、今は咲いているのは

この一輪のみ。

 

堀川通り戻り橋付近の「河津桜」が五分咲きでした。柳の木も芽を吹き始めていました。

平野神社の大鳥居の横にある河津桜の木は咲き始めたところ。

 


梅花見頃です

2017年03月01日 | 花の写真

昔の人は冬から春への時の流れの速さを「一月往ぬ 二月逃げる 三月去る」と言い表して

いますが、まさに実感です。つい先日、新年を迎えたと思ったのにもう三月です。

年齢を重ねた高齢男は「ぬれ落ち葉」と揶揄され、「亭主元気で留守が良い」と皮肉られたり。

私たち夫婦は同い年で、同じ職業で収入も同じでした。老後はあまり女房に迷惑をかけまいと、

朝・昼の食事の準備はほぼ4私が担当し、夜食などのスーパーへの買い物も、「白板」にメモ

られてある食品等を指示通り購入するのも私が分担と、私なりに努力をしています。

夫婦お互い好きなことを自分勝手にそれぞれ楽しんで、「亭主(女房)元気で留守が良い」を

実践してきたおかげでしょうか、この厳しい冬も風一つひかず3月を迎えました。

 

つい先日、久しぶりに夫婦そろって出かけました。と言ってもご近所の北野天満宮、

「梅花祭」のお茶を頂きましたのでぶらりと出かけました。ついでに梅苑に入って観梅と。

ご覧のように80歳の老夫婦、こんなデブでよぼよぼですが、昔はバリバリ・ぴちぴちした

体育教師だったのですよ。

出かけた25日は土曜日で北野天満宮の縁日ということもあって、大変な人出で混雑。

「野点茶会」の入場券(1500円)三千枚は午前中に完売、長蛇の列に並んで大テント

内の席にたどり着くまでに90分ほどかかるという大盛況でした。

私たちは午後1時半ごろに出かけ、それでも入場まで役30分かかりました。

テントの西側の一角でお茶がたてられていて。

たてられたお茶を茶席に運ぶためにその横で舞妓・芸妓さんたちが待機。

梅をバックにしたよい場所には畳席が準備、そこでいただくのには待ち時間が長い。

たてられたおうす数椀をお盆で運ぶ役の方、それを待ち受けて御茶席に配っていく

という流れ作業化、風情も何もあったものではありませんでした。

下の写真は私と女房の席に運んできてくれた舞妓さんです。

席についてお茶を頂いて立ち上がるまでわずか5分あまり。

席へ誘導したり混雑整理する係の人が顔見知りであったため、粘って写真を写す

ことためらって会場を後にしました。

わずかな時間でしたが隙を見つけて写した上七軒の舞妓さん二人。

下はお茶会に招かれていた他の花街の舞妓さんたち。

 

その後、女房を案内して「史跡御土居と梅苑の梅」を。

まずは展望台から眼下の紙屋川沿いの梅。

その逆で下から展望台を望んだ風景。

紙屋川沿いには枝垂れ梅がほころび始めていました。背景に鶯橋を入れて。

   

梅苑は観梅客でいっぱい。勿論外国人も多く外国語がやかましいほど飛び交って。

 

梅の花は日数をかけて咲き、日数をかけて散ります。それに遅咲き種の梅の木も

多くありますから、見ごろはこれからです。

それに雨の後、湿った空気感の時がお勧めです。湿り気を帯びた風が運ぶ梅の香、

雨露に濡れた花の写真も。