草花探訪

季節の草花苗づくり

季節は行きつ戻りつ

2018年04月25日 | 花の写真

確か先週の今ごろは突然の寒さに見舞われ、仕舞いかけた冬ものをあわてて引っ張り出して

いました。所が今週は一転して思わず「暑い」とつぶやいてしまう陽気が、一週間のうち夏日が

5日も続きました。

四季の区分がはっきりとしているはずの日本なのにと愚痴りながら、新聞のコラムの切り抜きを

読み返していたら、徒然草に「……春暮れてのち夏になり、夏果てて秋の来るにはあらず……」、

つまり一つの季節が終わるのを待って次がやってくるのでないと。

兼好法師は続けて「春はやがて夏の気を催し、夏より既に秋は通い…」とも書いて、季節が

行ったり戻ったりするのはごく自然の摂理だと述べている一文が目にとまりました。

平年気温よりわずか2~3度上下していることぐらいは、老体と言えどもしっかり適応しないと

行けないと自分に言い聞かせいた途端、暑さのため転寝をして夏風邪を引いてしまいました。

 

春分以後、夜が明けるのが一日一分ずつ早くなり、つい先日までウオーキングのスタートする

5時は真っ暗闇でしたが、それが今では夜明けの薄明りが徐々に明るさを増していき、歩き

終わる6時過ぎにはすっかりと夜が明けています。

桜が終わりこの時期目につく花も初夏の花たち、コデマリ・シャガ・イチハツです。

このどれもが乾いた土など悪い環境下にも元気に育つので日本では庭の花として

重宝されていてよく見かける花達です。

そして草花ではムラサキカタバミです。カタバミの仲間の中で最も美形、園芸店で

「オキザリス」という名で販売されています。(「オキザリス」という学名は酸っぱいという意味)

私の子供の頃は「スイスイバ」とよんで口にくわえて酸っぱい味を楽しんだり、葉と葉とを

からませて管を引っ張り合って遊んだ懐かしい草花です。

 

さて、最後は今週の花、「ヤマブキ」です。

京都では春は桜の花が咲いて始まり、山吹が散る頃に終わるといわれています。

関西有数の山吹の名所松尾大社に、4月22日神幸祭の日の午後出かけました。

例年であればこのころが見ごろのはずですが今年は温暖のため花は盛りは過ぎて

いました。

     

     

境内を横切る一ノ井川沿いを中心に約3千株が植えられていますが、写真の好スポット

は限られていて人影を入れずに写すのに順番待ち。

     

 

 

 

 


緑息吹く季節

2018年04月18日 | 花の写真

桜の花ばかりを気にしているうちに時は流れ、緑が息吹く季節になっていました。

新学期がスタートして約10日、通学路には甲高いはしゃっぐ子たちの声が響きます。

給食も始まり、1年生の子たちに給食の感想を聞きながら、そっと顔色や緊張の度合いを

確かめるのが私の今の日課です。

子たちもそれぞれ気を使っているのでしよう、上級生は新1年生を挟むようにして歩き、楽しく会話の

声を響かせながら通学路を通っていきます。

そして私はすべての子が順調よく学校生活をスタートできるようにと祈るような気持ちで、見守り

隊活動を務めるています。

 

さてもう一つの日課の早朝ウオーク、風が薫りどこからとなく青葉の匂いが運ばれてきて歩くのには

最適の気候です。ふっと中学生の頃の記憶がよみがえってきて郷愁に浸ったり、懐かしい友をしのんだり

しながら歩いています。

北野から平野そして衣笠山のふもとまでと、往復約1時間のコースが私のウオーキングコースですが、

衣笠山の麓には私の母校の中学校があり、70年ほど前には毎日通っていた道でもあり、今は孫が

通う通学路でもあります。

70年ほど前、この一帯は田園風景が続いていました。小川も流れていて田圃も畑も空き地が点在して、

帰り道によく遊んだところです。

今は住宅が密集しかっての面影はありませんが、カメラを持参して歩きながら久しぶりに草花を

探してみました。

 

最初はオドリコソウ、どんな隙間でもはびこるように生え、抜いても抜いてもはびこってくるので

雑草扱いにしていました。でもよく花の様子をみると「花が輪になって踊る踊り子に見える」

ところが名前の由来のとおり、予想外にかわいさがありカメラに収めました。

カラスノエンドウのさやを子供時代には笛に仕立ててよく遊んだものです。

今の子ははたしてそのような遊びをするのだろうか?花は色も形もかわいいのですが

私のカメラではこれが精いっぱい。

次はスミレです。

日当たりさえよければどこでも生えてていて、タンポポと並んで身近な野草の代表。

この花には失敗の思い出が。草花を育てるのが趣味の私が道端に生えてるスミレを移植しようと

何度も試みては失敗した花。調べてみると花をつけている株を移植するのは素人では難しと。

種を採取して種から育てるのが良いのだそうです。

続いてノイチゴ、子どもの頃はどこにでも生えていて格好のおやつがわりでよく食べたものですが。

春の花と言えばタンポポ、虫はモンシロチョウ。

モンシロチョウとタンポポの花の写真を写すのに苦労しました。蝶は花にとまると羽根を

閉じるのです。

綿毛が飛び散る様子をと風の吹くのを待ったのですが少々の風では飛んでくれませんでした。

オオイヌノフグリ。花は小さいですが薄青色で美形。どうしてこんな名がついたのか、ふしぎです。

早春から咲きだすかわいい花。

レンゲソウ、昔は水田の緑肥にと栽培されていたのですが。今は身近に水田もなく、化学肥料

の普及でレンゲ畑にするところも少なくお目にかかれません。

(写真は昨年廣澤の池の西側で写したもの)

野草の花の次は今週の花「里桜」(八重サクラ)です。

平野神社には珍しい品種の桜樹が多く、開花の時期も多くはソメイヨシノ桜が散ってから。

私の一押しは「白雲桜」です。ソフトボール大の大きさ、本殿左横にあります。

薄黄緑色・緑色した桜。「ウコン」と「御衣黄桜」の二種。

清酒黄桜の本店にはこのどちらかの桜の木が。(ウコンだったような記憶が)

濃紅色の八重サクラの代表「関山」。

平野神社の代表的な桜「平野妹背桜」(一つの花に雌しべ二個ずつついているらしい)

「普賢象桜」は葉化した雄蕊が象の花や牙に似ているところから。

 

 

 

 

 


通学路に子どもの声が

2018年04月11日 | 花の写真

一昨日の9日、京都市立小・中学校では入学式が行われました。毎年入学を祝うかのように

咲く桜も、今年は葉桜になっての出迎えでした。

でも変わらないのは、校門前で親子の記念撮影をする風景、そして親の顔には我が子の成長

を実感し喜びにあふれていることです。私もずーと昔、そのようなときがあったなあと…。

我が家にも中学校に入学する孫が、標準服の姿を見せに登校前、立ち寄ってくれました。

小学校に入学したのがついこの前の事のように思うのですがもう6年間過ぎて、女房と

肩を並べる背丈になっているのには驚きです。記念写真撮らせてと頼んで、普段着の老夫婦と。

 

さて、通学路にも甲高い元気な子たちの声が響き渡り、いよいよ見守り隊の活動開始です。

13年も前、今年二十歳になる孫娘が、小学校に入学するのを機会に始めた「子ども見守り隊」

活動、三番目の末の孫が中学生になったこの4月を区切りに、やめようかとも考えました。

 

早朝5時過ぎからの約1時間の早朝ウオーキング、その後一休みして軽く朝食をすませた後

7時45分ごろから8時半過ぎまで行う子供たちとの挨拶と見守り活動。

この生活リズムを13年間続けてきました。今では81歳の私のバイオリズムとなってしまって

います。始めた時はちっぽけなボランティア活動に参加する気持ちでした。それが、今では

私の生活の一部になってしまっています。子どもから笑顔で元気な挨拶をされるとうれしくなります。

今朝も「子どもたちの笑顔がいつまでも続いてほしい」と願いながら挨拶を交わしてきたところです。

ランドセルで背中が隠れる小さな小さな1年生を真ん中に、エスコートするように話しかける

上級生の姿はほほえましく、元気をもらい笑顔で挨拶を交わす私です。

黄色いランドセルカバーをつけている子が小学1年生です。もしご近所で見かけたら

「おはよう。いってらっしゃい」と声をかけてやってください。「温かい目で見守る大人」の

存在知らせるために。

 

がらっとかわってこのあたりで今週の花について、写真を紹介します。

京都の春の終わりを飾る花とも言われている「御室の桜」です。私は9日(日)に行ってきた

のですが「散り桜」でした。勿論、観桜客でいっぱいでした。

入場券の裏側に「中門を入ると左手に、湧き上がる雲のように御室桜が目に飛び込んできます」

とありますが上の写真のように繁華街並みの混雑です。

御室桜の特徴は樹高が低く(花が低いところから咲くのでオタフク桜とも)、根元より単弁の白い花

を咲かせる品種「有明」がほとんど。

中門を入ってすぐ左手を進むと少し小高くなっている土手に突き当たります。ここが湧き上がる

雲のような花の向こうに見える五重塔を入れた写真のスポット。ポジションを確保するのに一苦労、

青空の背景は天候の運次第。風を待ったなですが待つとなかなか吹いてくれませんでした。

     

桜は落下盛んな状態でしたが「ミツバツツジ」は満開でした。

 

 

 

 


さまざまなこと 思い出す

2018年04月03日 | 花の写真

定年退職してから22年目の春を迎えました。今年も桜が咲く3月29日に、鴨川にかかる

荒神口橋に立って桜咲く風景を見て、過ぎた1年間の無事を喜び、来年も再び満開の桜を

この橋の上から見られるようにとの思いを新たにしたところです。

松尾芭蕉が桜を詠んだ句に 「さまざまの こと思い出す 桜かな」 があります。

年度末から新年度へ移る節目のこの時期に桜はぱっと咲きあっという間に散ります。

30数年間中学校教員をしていた私、とりわけ晩年の10年間は管理職として、新年度・

新学期を喜び満ちてスタートできるようにと、全エネルギーを注いだ思い出がありますが、

不思議に桜がきれいに咲いていたという思い出はないのです。

 

56歳の早春2月、私は腹部上行結腸あたりに大きな「腫瘍」が見つかり、府立大学附属病院へ

緊急入院しました。「腫瘍=癌=死」という観念がまだ支配していた頃です。自分の人生も

56歳で終わるのかと、いったんは死を覚悟し、腹をくくり、手術に挑みました。

幸い腫瘍は切除でき、周辺にはがん細胞の転移も見られないとの説明を受けました。

傷口もふさがり抜糸もすみ、元気さも回復し始めたと実感したとき、4月から血液内科病棟に

転室して「化学療法」を始めることを宣告されました。

治るとぬか喜びしていたやさきでしたから落胆も大きく、目の前が真っ暗でした。

そのような時、気分転換に短時間の外出が認められ、病院の近くの荒神口橋の上から、

焦点の定まらない視線で見つめていた風景が前出の写真の風景です。

約5か月間、苦しい治療が続いた末、幸いにも退院できました。以後2回再発したと再入院も

しましたが、今、年齢相応の元気さで生きています。感謝の気持ちを込めて、毎年橋の上から

の景色を眺めて、生きている喜びをかみしめています。

 

ブログの後半は桜の写真です。先週は「枝垂れ桜」でしたので今週もその続き、「紅枝垂れ桜」

です。この花もエドヒガン桜の一変種ですが、主流は八重紅枝垂れ桜で、花弁も15~20枚と

多く、開花が進むにつれて花弁の色が濃紅紫色から淡紅紫へと変化して楽しませてくれます。

紅色が最も濃いのが5分~7分咲きの頃ですのでその頃を狙って写すのがお勧めだとか。

我が家からぶらっと自転車を走らせ30分以内で見られる桜の写真を写してきました。。

まずは西方、廣澤の池あたり、佐野藤右衛門さんの庭と平安郷の桜。

    

宇多野を越えて竜安寺へ。ここは残念ながら紅枝垂れは主流ではありませんでした。

    

    

白梅町の手前の洛星学園には芝桜と石庭に植えられている数本の桜が見事でした。

平野神社には神楽殿横の桜、大鳥居横、桜苑の中にも数本の桜が。

二条城へは女房と一緒に行きましたので。

    

最後は植物園横の半木の道の桜。