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札幌の坂本さんが父が残した千島列島の郵便局に関する資料などを贈呈

2016年07月25日 10時49分16秒 | お知らせ
父が残した千島列島の郵便局に関する著作や資料などを贈呈
札幌の坂本さんが北海道郵政研修センターに



 札幌在住の(公財)通信文化協会北海道地方本部のシニア会員がこのほど、郵便局員だった父親が戦時中に勤務した千島列島の郵便局の体験などをまとめた著作、収集した関連資料などを日本郵便㈱北海道研修センターに届けました。これらの著作、資料は同社前北海道支社長の佐藤恭市特別教官がチェックし、(公財)通信文化協会が運営する郵政博物館に寄贈することにしています。
 
 著作などを持参したのは、坂本孝さん(66)=札幌市東区伏古9条3丁目=で、昨年10月に父の木八郎さん=当時95歳=が亡くなり、遺品などを整理していて関連資料を見つけたということです。昭和12年に函館郵便局に採用された木八郎さんは、第二次世界大戦中に千島列島の幌筵(ほろむしろ)島=現ロシア・パラムシル島=の郵便局に9ヵ月勤務し、その体験を平成12年に「厳寒の地 北千島の郵便局物語」として自費出版しました。

 戦前の一大漁場だった北千島だが、漁民ら人口増のため昭和11年から18年にかけて幌筵島に函館郵便局分室が置かれ、木八郎さんも17年9月から翌年5月まで柏原分室に勤務しています。さらにその年8月から翌年8月までは中千島の松輪島にある軍事郵便所で過ごし、終戦とともに函館郵便局に戻ったということです。

 その体験は、最初の自費出版のほか「遥かなる中千島 松輪の海 軍事郵便所物語」にまとめられ、平成23年には1冊目を精査、加筆して文芸社から「厳寒の地 北千島の郵便局物語」として出版しました。執筆のために札幌や函館など道内各地の図書館に通い、かつての同僚や同じように独力で郵便局の足跡をまとめている先輩を訪ねるなどして多数の資料を収集していました。

 父と同じく函館郵便局で採用された長男の孝さんも日本郵便事業㈱手稲支店で定年退職し、残された著作や資料が北海道郵政事業の歴史に役立つのではとの思いから知り合いの佐藤特別教官に相談したということです。持ち込まれた資料の中には、旧軍関係の書籍コピーなどのほか昭和16年に作られた「北千島植物標本」があり、現地で採取されて押し花にしたものも含まれています。

資料などを托された佐藤特別教官は、本社広報部長時代に郵政博物館の開館や、資料センターの開設に尽力しただけに「長引く北方領土交渉の中で、各島にあったかつての郵便局は歴史に埋もれつつある。幻の郵便局とならないためにも、こうした資料は次世代に残すべき」と語っています。


 
坂本孝さん(右)から持ち込まれた資料の脇で著作を受ける佐藤等別教官

    
 坂本木八郎さんがまとめた北千島、中千島関連の著作  

資料の中にあった「北千島植物標本」


「北千島植物標本」に収められた植物の押し花

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