MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.027 「チェンジリング」 (2008年 142分 シネスコ)

2009-03-02 00:16:36 | 2009年劇場鑑賞
監督 クリント・イーストウッド
出演 アンジェリーナ・ジョリー
   ジョン・マルコヴィッチ
   ジェフリー・ドノヴァン



本日2本目も封切りして間もない話題作「チェンジリング」の鑑賞です。
アンジェリーナ・ジョリーの濃い~メイクが印象的ですが、まぁ時代反映してのメイクでしょうけど、彼女が時折演じる妖艶でミステリアスな女やスーパーヒロインたちとはガラリと変わった芝居に注目ですね。

(あらすじ)

1928年、シングルマザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)は、ロサンゼルス郊外で9歳の息子ウォルター(ガトリン・グリフィス)と暮らしていた。
ある土曜日、彼女は同僚に泣きつかれて断り切れずに休日を返上して仕事へと向かう。
暗くなって彼女が帰宅すると、家で一人で留守番をしているはずの息子の姿はどこにもなかった・・・



クリント・イースドウッド監督の最新作となるこの映画は実話を元にした人間ドラマ。
1920年代と言う時代的なこともあるかも知れないが、信じられないような事柄どんどん出てきます。
行方不明の子供が帰ってきたと思ったらまったくの別人で母親がどんなに訴えても警察はその子供は貴女のお子さんですと突っぱねる。
尚も母親が訴えようもんなら狂人扱いにし精神病院に強制的に入れられる・・・実際のニュースを見てるかのような憤りを見ていて感じるのはクリント・イースドウッド監督のリアリズム溢れる演出が秀逸だからでしょう。

母親と警察サイドのそれぞれの動きを観客は第三者として見れるので体面を保とうとする警察サイドの態度が余計に不幸な母親の悲しみが滲むように伝わってきます。
今の時代のようなDNA鑑定なんか無かった時代だけに現実にこう言うこともあったんでしょうね。

また別人として母親の元に来た子供もどこかの子供であったりするので、この子にも可哀想な境遇があるはず・・・しかし警察にこの子供を押し付けられた母親は当然愛せる訳はなく辛く当ってしまう。
でも何故か可哀想なハズのこの子供には感情移入が出来ないんですね~
どことなく確信犯的な態度には同情出来なかったですね。



この映画は途中からまるで実録モノのサイコサスペンス映画のような様相を呈してきて、しかも後半は法廷モノになっていく・・・この起伏のあるストーリー展開がとっても面白く、重たい話ながら142分という長尺でも飽きさせないですね。

アンジェリーナジョリーが「トゥームレイダー」のララ・クロフトや最近作の「ウォンテッド」の怖面なお姉さんとは180度違うと言ってもいいぐらいの変貌ぶりです。
息子を探すシングルマザーを時には抑えて、また時には感情激しい芝居を見せてくれます
錯綜する子供の安否に一喜一憂したりする細かい表情の表現など実に繊細な芝居でよかったと思います。

でも精神病院で医師や看護師に無理やり押さえつけられ頭に電流流されたりする場面は、ついつい「そろそろ反撃するぞ~ファックユー!とか言ってな~」なんて思ってしまうのは、やはりアンジェリーナジョリーってやはりスーパーヒロインのイメージが強いからかな~(笑)



★★★★ 2009.2.26(木) 布施ラインシネマ10 北館 シネマ3 19:10 J-3