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ガウディ ⑧「コローニア・グエル 逆さ吊り実験と計画案のスケッチ」

2023年12月09日 | ガウディとサグラダ・ファミリア展
「水族館のようなカサ・バトリョ」追記のつづきです。

逆さ吊り実験とガウディ建築
《コローニア・グエル教会堂》  1898-1908年

計画と逆さ吊り計画・逆さ吊り実験

コローニア・グエルは1890年に着工した商工業都市でした。
1893年、ガウディは最も高い場所に計画していた教会堂の設計は終えていました。

しかし、現在知られている建物は1898年に計画が着手され、有名な「逆さ吊り模型」に10年も要したのち1908年に着工するも、講堂として設計された半地階のみで未完に終わっています。

鎖の代わりに紐・おもり・薄い布を利用し、先ず紐を固定するためには、平面図の柱と壁の位置を決めないといけません。

次に計画された断面・立面の高さから紐の長さを決め、上階の床や屋根の形状などから荷重を算定し、それらを支える位置に荷重するおもりを垂れ下げます。

さらに高さや平面を変えながら最良案を探すことになりますが、すべてが生き物のように有機的に絡まっているので、一つ変えれば全体に影響します。


《コローニア・グエル教会堂 逆さ吊り実験》

写真 1984-85年 西武文理大学
左上:コローニア・グエル教会堂 逆さ吊り実験(部分)
左下:コローニア・グエル教会堂 逆さ吊り実験

右上:コローニア・グエル教会堂計画
   逆さ吊り実験、外壁面装着前の骨格
右下:コローニア・グエル教会堂初期計画
   逆さ吊り実験反転


《コローニア・グエル教会堂 計画案のスケッチ》

直筆のスケッチに基づき1979年に制作 (リトグラフ)
1979年(オリジナル1908年)ガウディ記念講座 ETSAB

薄い布で覆った模型を、当時の最新技術のカメラで写真に撮り、それを上下反転し、その上に内観外観のスケッチを描きました。当時の写真は写すだけで終わらず、ガラス・ネガを鉛筆で修正してから写真にしました。

複雑な修繕が必要な場合には、一度焼いた写真を修整し再度撮影して写真にしました。理念的には理想的な合理性が得られるはずですが、ガウディはこれで満足せず、さらに手を加えることになり、結果は不具合の部分も含まれることになりました。

ガウディ建築の内部空間を特徴づける放物線アーチは、コローニア・グエル教会やサグラダ・ファミリア聖堂にも、回転放物面として建築の外観の造形に展開されていきます。

長くなりますので、次へと続きます。

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