黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『赤朽葉家の伝説』桜庭一樹(東京創元社)

2007-02-04 | 読了本(小説、エッセイ等)
“辺境の人”により、紅緑村に置き去りにされていた少女・万葉。若夫婦に引き取られ育てられた彼女は、幼い頃から未来を幻視し予知する能力を持っていた。後に、製鉄業で財を成した地元屈指の資産家・赤朽葉家の女傑・タツに望まれ、その息子である曜司の元に嫁いだ万葉は、その力で先を見透し“千里眼奥様”と呼ばれるに至る。
その長女として生まれた毛毬。猛女であり鉄の女であった彼女は、不良として名を馳せ、その後中国地方でレディース(女暴走族)として伝説的存在となった彼女は、友人・蝶子の死をきっかけに引退。高校卒業とともに、ひょんなことから漫画を投稿した彼女は、自伝的作品により一躍人気漫画家となるのだった。
……そして万葉の孫にして、毛毬の娘に生まれた瞳子。
祖母が最期に遺した……“むかし、人を一人殺した”という言葉の真意を探るべく、彼女から聞いた過去を調べるが……

岩井さんの『べっぴんぢごく』を思わせるような女性たちによる血の系譜。万葉、毛毬、瞳子という赤朽葉家の女たちが象徴する時代の姿が興味深かったです。

<07/2/4>


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