黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『エレンディラ』G・ガルシア=マルケス(筑摩書房)

2007-09-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
ある日、ぬかるみの中にうつぶせで倒れ、もがいていたのは、大きな翼のあるひどく年老いた男。そのまま鶏小屋に飼われることになったが、そんな彼を天使だと思いこんだ人々は、次々に見物にやってきて……『大きな翼のある、ひどく年取った男』、
海からバラの香りが漂ってきた村。そんな村に大金持ちのハーバード氏が現れ、人々が見せる特技に対価を払ってくれるという……『失われた時の海』、
海から流れ着いた大きな黒い漂流物は、水死体だった。死体となっても、凛々しく逞しい肉体を持つ彼に、村人は皆心惹かれ、彼の在りし日の姿を夢想する……『この世でいちばん美しい水死人』、
6ヵ月と11日後に死を控えていた、上院議員オネシモ・サンチェスは、生涯を決定づける女性ラウラ・ファリナに出会う。しかし彼女への愛に故にその身を滅ぼし……『愛の彼方の変わることなき死』、
子供の頃、幽霊船を見たことのある彼。大人になったある日、再びその姿を見て……『幽霊船の最後の航海』、
“奇跡”を起こして歩く行商人のブラカマンの元に引き取られたぼく。彼に、運命をねじ曲げたのはおまえだと虐待され、瀕死の状態に陥ったぼくは、その末に本当の奇跡の力を手に入れる……『奇跡の行商人、善人のブラカマン』、
祖母と二人きりで、辺鄙な砂漠のどまんなかにある豪邸に住み、休むまもなくこき使われていた14歳の美少女・エレンディラ。ある夜、疲れはてた彼女の不注意で、屋敷は全焼。祖母は、その賠償金としてエレンディラの身体を売り……『無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語』の6編収録。

“大人のための残酷な童話”というコンセプトで書かれたという物語……でもあまり“残酷”という感じではないような……;
『この世で~』の皆の妄想っぷり(彼の名前は勝手に『エステバーン』になってるし/笑)や。『無垢なエレンディラ~』の何度殺そうとしても死なない祖母などは、どこかおかしみさえ感じます(笑)。

<07/9/28>


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