黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『偽りの来歴 20世紀最大の絵画詐欺事件』レニー・ソールズベリー、アリー・スジョ(白水社)

2011-09-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
妻に逃げられ、子供ふたりを抱えたジョン・マイアットは、得意の模写を生かして、生計を立てていた。
1986年。そんな彼の前に、物理学の教授を名乗る、紳士然とした男ジョン・ドゥリューが現われた。彼に言われるがまま、有名な画家の模写を描き続けることになったマイアット。だが、やがてそれを真作と偽り、ドゥリューが売りさばいていることを知ったマイアットは詐欺に加担することとなる。
“たとえ贋作でも、「来歴」さえあれば売買は成立する”というドゥリュー。
展示会目録や、売買記録等、有名美術館のアーカイブを改竄することで、絵画を本物として認識させるという未だかつてない手口による詐欺を実行に移し、200点以上もの贋作を世に流通させた顛末とは……

絵画の現物だけでなく、来歴(それまで、その絵が誰の手を渡ってきたか)を偽造するという、大規模な詐欺を行なった詐欺師の仕事を綴ったドキュメンタリー。
使っている画材などは現在のものを使っていたりで、贋作自体は杜撰なものなのに、実物よりも“来歴”の方を信じるオークションおよび美術関係者の心理を巧みについた詐欺。サスペンス小説ばりに面白く、興味深い内容でした。

<11/9/10>


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