黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『最上階ペンタグラム』南園律(東京創元社)

2009-04-06 | 読了本(小説、エッセイ等)
元警察庁の高官、元法曹界の重鎮、IT企業の元社長の愉快な仲良しトリオが引退して始めた会社“FRC(ファンタジスタ・リサーチ&コンサルティング社)”……企業経営からセキュリティ対策、法律相談や素行調査まで幅広く取り扱うなんでも屋だ。
海坂理歌はそこで、企業犯罪の潜入捜査を専門とし、契約社員を装って対象企業に入りこんで、内情を調べている。
そんな理歌が、社長の姪・北沢窓加から依頼の仕事を受けることに。豪徳大学病院で働く彼女の友人・大野礼奈が自殺したのだが、彼女はその死に不審を抱いているのだという。
その調査を進める中で、病院内で別の問題が起きていることに気づいた理歌は……『迷宮チェイス』、
潜入捜査を終え帰ろうとする理歌を、その会社の財務部長・溝口が捕まえ、強引に社長室へ。そこには、社長の第一秘書の宮前治代の毒殺死体となって横たわっていた。しかも、その犯人を見つけて欲しいと頼まれた理歌の前には、理歌が憧れているハーバード大出身の社員・渡月真の知り合いで、前の事件で知り合った謎の男・斐然成章が。
事件当時、その時室内にいたのは5人…第三秘書の市尾由香と斐然、第二秘書の梶谷未幸と溝口、そして亡くなった宮前だけだった……『最上階ペンタグラム』、
社員旅行でハワイを訪れた理歌。ロミロミを体験しようと、マッサージ店に出かけたところ、店内で殺人事件が発生。
そこへ現地警察のバリー刑事と共に、何故か斐然も現れる。
被害者は、一人旅の日本女性客・緑丘早智子。マッサージ中に、密室内で殺害されたらしい……『楽園ギミック』、
突然、渡月に話しかけてきたのは、新進気鋭のジュエリーデザイナー・和田透吾。そんな彼から、商品として作ったものの思い入れが深すぎて、売れなかったというキーホルダーを何故かプレゼントされる。
さらにその後、その和田から専門外のストーカー調査を名指しで依頼される渡月。
和田の恋人で、国際的ヴァイオリニスト・柳華澄にストーカーが付きまとっているというのだが、それを調査しようとした矢先、和田のマンションで失火、彼は転落死してしまう……『葬送シャレード』の4編収録。

企業犯罪を調査する為あちこちに潜りこむのがお仕事の理歌が遭遇する、数々の事件を描いた連作短編集。
キャラクタ的にも楽しく、続編も期待したいです。
作中で偽名か?と疑われている“斐然成章”は、『論語』から?

<09/4/6>


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