町の小さな葬儀屋<セレモニー黒真珠>。まだかろうじて20代ながら40代の貫禄を漂わせる女性・笹島由布子、大卒ながら葬儀屋好きが高じて就職した眼鏡男子・木崎正行。そして、21歳ながら35歳にしか見えない落ち着きを持ち、万事そつなくこなす、元水商売の派遣社員・妹尾愛麗子。
優秀な妹尾に社員の話を持ちかけようと考える笹島たち。そんな中、癌で亡くなった男性・四ツ倉雪寅の葬儀を手がけることになった面々。それは妹尾が待ち望んでいた遺体だった……『セレモニー黒真珠』、
子供の頃から葬儀屋になることが夢で、大学卒業後、近所のセレモニー黒真珠に就職した木崎。
メガネ男子ブームも手伝い、結構モテモテだ。
そんな彼の大学時代の友人・磯部から、祖母・ノリの葬儀の依頼が舞い込むが……『木崎の秘密』、
借金を作ったまま妻子を捨て、ずっと音信不通だった父が亡くなったという知らせを受け取った妹尾。それを連絡してきたのは、葬祭業者<セレモアかのこ>を名乗る男。
霊が見える木崎曰く、そこに彼女の父の霊の姿が見えないという。不審に思う一同は調査を開始する……『主なき葬儀』、
あと1ヶ月で30歳を迎える笹島。先日、木崎からプロポーズをされた彼女には、5年前付き合っていた男がいた。
結局、その時の彼女は仕事を選び、その途端に別れた彼・風間典夫は後に別の女性と、笹島にあてつけるように彼女が働く結婚式場で結婚。それ故につとめていた結婚式場を辞め、転職したのだった。
そんなある日、その典夫の妻・由美が亡くなったと、笹島の元に連絡が。妻が死んだのは、笹島が自分と結婚しなかった所為だと責める典夫……『セレモニー白真珠』、
木崎の妹・加奈子は、兄が大好き。そんな彼が、会社の同僚と結婚を考えているらしいと知り、ショックを受ける。
その矢先、近所で葬儀を取り仕切ることになった黒真珠。相手がどんな女性か、様子を伺いにいった彼女は、妹尾がその相手だと思い込み……『あたしのおにいちゃん』、
東京に転校して行った野球少年・村崎が交通事故で亡くなったという。彼と仲の良かった吹奏楽部の少女・鳥居は、その葬儀に出席するべく、同級生らと上京する……『はじめてのお葬式』の6編収録。
東京のある町にある、小さな葬儀屋さん<セレモニー黒真珠>を舞台にした連作短編集。
いつもの如くちょっと不幸の香りを漂わせつつも、しっかりラブコメ(笑)。
キャラ設定が最高です。装丁も素敵v
……でも長岡はあまり雪深くないですけど(『はじめて~』の鳥居は、長岡在住という設定らしい/笑)。
<09/4/18>