黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『天安門』シャンサ(ポプラ社)

2008-09-17 | 読了本(小説、エッセイ等)
天安門事件において、カリスマ的なリーダーのひとりとして支持された、21歳の女子学生・雅梅(アヤメイ)。
指名手配され、第一級の罪人として軍から追われる身となった彼女は、北京の街で出会ったトラック運転手・王に匿われた後に、彼の両親の家がある、遠い辺境の海辺へと逃れることに。
一方、そんな彼女の捜索を命じられた同い年の軍人・趙。貧しさ故に家の負担を減らす為、軍隊に入れられた彼は、国家の在り方について疑問を持つことはなかった。
やがて雅梅の実家へ家宅捜索に乗り込んだ趙は、2冊のノートを手に入れる……それは、日記。そこには彼女の孤独な少女時代、そして高校で出会った転校生・旻(ミン※本当は日は文の左側)との淡い恋、そして悲しい結末が綴られていた。
日記を読むにつれ、次第に心を動かされてゆく趙だったが……

対立する立場にある、2人のわずかな邂逅を描いたお話。
ずっと気になっていたデビュー作がようやく翻訳されました~vv
タイトルが『天安門』なだけに、もっとバリバリに事件が舞台のお話なのかと思っていたのですが、どちらかというと“天の平安の門”の方が意味合い的に近い感じ。
『碁を打つ女』に至る前段階っぽい雰囲気かも。

<08/9/17>