黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

あんみつ@大阪屋

2008-09-08 | スイーツ
 下は寒天とえんどう豆に黒蜜(別容器に入っている)、上はみかん、パイン、さくらんぼ、紅白の求肥、つぶあん(一粒だけ白い)。販売時は容器内の別皿に入っていて、自分で載せます。
 
 大阪屋:新潟(各地)

『夢は枯れ野をかけめぐる』西澤保彦(中央公論新社)

2008-09-08 | 読了本(小説、エッセイ等)
勤務先である老舗百貨店を48歳にして早期退職した羽村祐太。ずっと独身で、鵜久森市にある自宅に一人住まい。
ある日、高校の同級会に出席した彼は、30年ぶりに再会した加藤理都子に“人前では説明しにくいアルバイト”を頼まれた。それは毎週水曜のゴミの分別。11月になったある日、若い女性に声をかけられた羽村。彼女は理都子の娘・詩織で、このところ様子のおかしい母を心配しているのだという………『迷いゴミ』、
妻はすでになく、子供たちもそれぞれ独立した為に、ひとり暮らしをしている老人・弓削宗則。ある日、腰を痛めて困っているところへ近所に住む羽村が行きあわせ、手を貸した。そんなところへ、宗則の次男・博雄が現れ、住んでいるマンションの工事の間、車を置かせて欲しいというが、ガレージはすでに彼らが持ち込んだ、がらくたで埋まっている為、使えない。羽村は、空いている自分の家に置く事を提案する。しかし、宗則の長女・佐智子は、マクロビオティックの店を経営しており、そこの駐車場には十分に空きがあるというのに、何故そこに停めようとしないのか……『戻る黄昏』、
子供の頃、鵜久森に住んでいた小谷野陶子は、先月、開業医の夫と娘・瑠璃とともに再び戻ってきた。そんな彼女が、かつて家のあった近辺を歩いていると、ふと27年前の母の事件が、思い出されてきた。そこへ昔見知っていた羽村に遭遇。陶子の母は、町内会の集まりの為、郷土歴史記念館に出かけた折に近くの道路で交通事故死していたのだが、そこへ着いていたはずの母の姿を、他の誰も見ていなかったという……『その日、最後に見た顔は』、
宗則が姿を見せなくなったことを不審に思った羽村たちが、自宅に様子を見にいくと、彼は既に亡くなっていた。
その葬式後の精進落ちの席で、佐智子から告白された羽村。
葬儀の後始末等でばたばたした博雄だったが、新年になり、いつも彼と一緒に、老いた両親の住む実家に食事を届けていた妻・雪子が、今度は一人で行くという。そんなことがしばらく続き、不審に思った彼が彼女の実家に電話をすると、彼女は来ていないという返事。
久しぶりに父の家のあったところに出かけた博雄だったが、既に更地になっていた。そこで羽村に出会った博雄は、その場に雪子が来ていたことを知らされる……『幸福の外側』、
まだら呆け状態にある実家の両親の面倒を見なければならない、母に無理解な父。そんな母を陰ながらサポートする詩織は、年の離れた羽村にほのかな思いを寄せている。
そんなある日、いつもの通りゴミの仕分けに向かおうとした矢先、大学の友人・三留ルナから引き止められ、相談を受ける。彼女が付き合っている恋人・丸岡卓司の実家は、県外で旅館を営んでおり、彼は跡取息子。しかしそんな彼が、県内の会社で内定を取ったという。家を継がず、ルナと結婚する気なのではないかという。そんな彼女に詩織は、羽村に相談することを勧め……『卒業』、
ベッドに眠る佐智子を見舞う羽村。交通事故にあった彼女は、それ以降入院生活を続けていたが、余命いくばくもない状態。結婚して欲しいと羽村にいう佐智子だったが……『夢は枯れ野をかけめぐる』の6編収録の連作短編集。

中途退職した羽村さんが、周辺のささやかな謎を解くミステリ。
全編に、社会問題となっている老人問題がテーマとしてちりばめられていて、かなり暗鬱とした重たい雰囲気が漂っています。
『卒業』で描かれている父親は、世の男性が無意識に陥りがちな思考の持ち主ですが(……偏見かもしれませんが、うちの父もかなりそんな感じなので;)、それを男性である西澤さんが書かれているのがすごいなぁと思ったり。

<08/9/8>