黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『夏の魔法』北國浩二(東京創元社)

2007-01-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
ケルトナー症候群という難病を患い、22歳ながら老婆のような外見となってしまった早坂夏希。
余命いくばくもない彼女は、人生最後の夏を静かに過ごす為、最良の思い出に満ちた南の島・風島にやってきた……そこは、9年前、初恋の相手・ヒロと出会ったところ。当時と同じ民宿に、偽名を使い、泊まった彼女はそこで働く彼と再会を果たす。当然変わり果てた彼女の姿に、夏希だと気づくはずもない彼だったが、14年前にプレゼントしたイルカのペンダントを宝物とし、彼女との思い出を大切にしてくれついた。
そんな中、彼と同じく島でバイトをしている大学生・沙耶が、彼に好意を持ち始め……

何とも切ない雰囲気の漂うお話でした。特に、海から無事帰ってきたヒロに二人が走り寄る場面が象徴的で、印象的でした。
ただ沙耶の設定が、できすぎかなぁという気がして、ちょっとひっかかりを覚えたり(美人で金持ちで性格よくて、という辺り)。

<07/1/19>