Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

hpの逆ポーランド記法電卓を買ってしまった

2008-02-08 23:41:13 | Dialy

 オフィスの机の上に鎮座ましましているノートPC。これ一台で表計算から大規模なデータベース処理まで何でも出来る、汎用計算機です。そんな物があるにもかかわらず、何故かキーボードの脇には当然のように電卓が置かれており、簡単な計算はもっぱらそれを叩いて行うのが常です。簡単な計算をするためにわざわざExcelに計算式を入れたり、スタートメニューから電卓を立ち上げるより、机に放り出してあるリアル電卓を叩いた方が楽ですよね。

 その電卓も、今でこそ100円ショップで買えるくらいにぞんざいな存在になってしまい、種々雑多なメーカーが生産する当たり前すぎて価値が暴落した電子機器ですが、1960年代から1970年代にかけては、電機メーカーが社運を賭けて低価格化、小型化を推し進めてきた、今で言うPCや携帯電話みたいな存在でした。当時、電卓と言えば、革命的な価格を実現した「カシオミニ」のCASIOや、世界初の市販液晶電卓「EL-805」のシャープが名を馳せていました。現在でもこの二社は電卓を作り続けています。(今、手元にあった電卓3種が全部CASIO製だった・・・)
 PCや携帯電話みたいな存在、と表現しましたが、その方向性にはもちろん「多機能化」というものもあります。多種多様な演算が行える関数電卓や、BASIC言語でプログラムが打ち込めるポケットコンピューターなど、様々な種類の電卓が生まれています。ポケコンはすっかり過去の遺物になってしまった感がありますが、関数電卓に関しては、理数系の人間にとってはなじみ深い物でしょう。ちなみに、私も学生時代はだいぶんお世話になりました・・・卒検がちょっとアレだったので、最後の一年はほとんど使わなかったですけれど。

 その関数電卓ですが、日本メーカーの製品ですと、CASIO、SHARPに加えてCANONがメインストリーム・・・というよりも、ほとんどこの三社の独占市場ですが、海外に目を向けるとhpことヒューレットパッカードの電卓が存在感を放っています。

 そのhpの電卓でもっとも特徴的なのは、やはり逆ポーランド記法(RPN)入力方式でしょう。RPNとはとは、「1+2=」を「1 2 +」と書くとってもマニアックな計算方式。プログラミングの世界では割と一般的な「スタック」という概念を使って計算します。この方式だと、「(1+2)×(3+4)=」が「1 2 + 3 4 + ×」と書けるので、通常の電卓だとメモリーを使わなくてはならないところでも、直感的に計算できるのが大きな利点です。・・・あくまで慣れれば、ですけれど。

 私は、SONYのCLIEというPlamOS機を使っていた時、この逆ポーランド記法の電卓アプリを長い間使っていまして、いつかhp電卓の実機を手に入れようと目論んでいました。しかしながら、突然の電卓事業からの撤退と同時に、hp日本法人も電卓の扱いを中止。その後、hp本社では電卓の生産を再開したものの、何故か日本hpでの扱いは再開されず、途方に暮れていました。

 それにしても、インターネットって偉大ですよね。ある日、何気なくhp電卓についてググってみると、日本のAmazonにまさかのヒット。輸入業者がAmazonを通じて販売していたのです。2ヶ月ほど悩みましたが、我慢しきれなくなって「HP 35s」をゲットしてしまいました。理由は、もっとも安価なRPN方式電卓だったから。電卓に再参入してからのhpは、世界市場を見据えての低価格な通常入力方式の関数電卓と、マニアックなRPN電卓に完全に二極化してしまい、手ごろな価格のヤツではRPN入力は出来なくなっています。別に安いヤツでも良かったんだけど・・・

 それでも、長年夢見ていたhpのRPN電卓をようやく手にすることが出来て感無量です。複雑な計算をすることは今後皆無に近いけれど、ちょっとした括弧付き計算をする機会は結構多いので、家で職場で、末永く使っていきたいと思います。


ゲームセンターの黄昏

2008-02-07 20:01:17 | Thinkings

 今、ゲーム業界でトップ、それも圧倒的な差を付けて独走しているのは、紛れもなく任天堂です。WiiとDSという二本柱に加え、自社開発の対応ソフトも破竹の勢いで売れています。昨年一年間のWii・・・と言うよりも家庭用据え置きゲーム機の市場は、ほぼ「任天堂が一社で作った」と言ってもいいくらいですから。

 替わりと言っては何ですが、PSで任天堂とセガを蹴散らし、PS2で世界一のハードウェアプラットフォームを確固たる物としたソニーは低迷し続けています。今後、改善する兆しもあるにはあるのですが・・・とりあえずPS2互換とSACDプレイヤーをもう一回付けて欲しいです。

 しかし、ソニーはまだマシなのかも知れません。低迷しているとはいえPS3は売れていないわけではありませんし、PSPはそれなりに好調です。それよりももっと、苦境に立たされているところも存在するのですから。Microsoft?いえ、欧米ではPS3よりも売れています。苦境に立たされているのは、黎明期のゲーム「プラットフォーム」であるゲームセンター、今風に言うとアミューズメントセンターです。

 バンナム、ゲーム施設約60店閉鎖 産経新聞

 バンダイナムコホールディングスは6日、子会社のナムコが国内で運営するアミューズメント施設の約2割にあたる50~60店を今期中に閉鎖すると発表した。原油高などでショッピングセンター(SC)の客数が減り、既存店が低迷したため。
 閉鎖に伴う約20億円の特別損失計上などで、平成20年3月期連結業績の見通しを下方修正。最終利益予想を265億円から165億円とした。

 ここで言うアミューズメントセンターとは、郊外型大型ショッピングセンターに併設、内包されているゲームセンターのことです。ちょっとした空き時間や子供を遊ばせておくスペースとしてあるあの空間が無くなるのはちょっと寂しい気もしますけれど・・・近年はクレーンゲームやメダルゲームばっかりで、大して魅力的な空間でも無かったと言えばそうですねえ・・・

 何でも、今回の閉鎖の背景には、「利益率の高い業務用テレビゲームの低迷」もあるのだとか。私が学生の頃はKOFとかストリートファイター3rdなどの格闘ゲーム全盛期で、ゲーメストや後継のアルカディアと言ったゲーセン専門誌が普通に市民権を得ていました。私はあのレバーが苦手だったのであんまりやりませんでしたが、友達につきあってよく行ったものです。
 あの頃は「ゲームセンターでしか出来ない」ゲームもたくさんあったし、対戦相手とか、コミュニティーを求めてゲーセンに行っていた人も多かったと思います。しかし、コンシューマーハードの性能が上がったり、ネットや携帯などのコミュニケーションツールが氾濫していたり、ゲーム以外の娯楽が爆発的に増えたことで、「一回いくら」のゲーセン文化は衰退していったのではないでしょうか・・・などと難しいことを言ってみましたが、要するに、昔ほどゲーセンに魅力を感じる人が減った、ということですよ。

 しかし、ヴァーチャファイターから始まり、三国志対戦やらガンダムなど大きく展開してきた「ICカード」を使ったゲームも定着してきていますし、クレーンゲームなども根強い人気を保持している現在、すぐさまゲームセンターが消えてしまうと言うことはないでしょうけれど・・・一見さんを固定客にする取り組みを重点的に勧めていかないと、ゲームセンターも二極化により一層拍車がかかるでしょうね。

 気になるのは、バンナムの今回の措置を受けてのセガをはじめとする他社の動き。果たして近所のセガワールドは生き残れるんでしょうか・・・


IPv6へ移行する?ICANNがルートサーバーへIPv6アドレスを追加

2008-02-06 22:04:03 | Technology

 今の世の中のコンピューターネットワーク、インターネットや企業、家庭内LANなど、ほとんど全てにおいて使われているプロトコル、それがTCP/IPと呼ばれている通信規格です。このTCP/IP、間にスラッシュが挟んである事からも分かるように、実は二つの規格を合わせて呼んでいます。これらTCPとIPは、今日のネットワークの世界では、ほぼ組み合わせて扱われることが多いため、このような呼び方になっているのです。と言うわけで今回は、TCP/IPの「IP」のお話です。

 その前に、プロトコルについて簡単に補足を。他人に物を伝えるとき、声に出す場合も紙等に書く場合も、多くの場合「言葉」を使います。これは、双方で使う「言葉」のルール、つまり「規格」が同じだから成り立つこと。日本語や英語、ドイツ語などは、それぞれの言葉の「規格」であると言えます。
 コンピューターネットワークの世界でも同じ事で、規格に定められた「言葉」に従って、それぞれの間で通信をやりとりしています。その「言葉」に当たるのが「プロトコル」です。今日のインターネットは、それぞれのコンピューターが、「TCP/IP」という「言葉」を使って会話をしていると考えて、概ね間違いないと思います。

 さて、現在使っているプロトコル、TCP/IPでは、それぞれのコンピューターに「IPアドレス」という「番地」を付けて、通信データの宛先を特定しています。このIPアドレスが付いていないと、どのコンピューターに向けた通信か分からないですから、インターネットやLANを運営していく上で要となる大切な物です。しかしながら、今現在最も多く使われているIPのバージョン4、つまりIPv4では40億個までしか割り振ることが出来ません。

 40億個というとずいぶん多いように思います。しかし、日本において携帯電話が1億台を突破しましたが、それら全てがインターネットに接続できるとして、一つ一つにIPアドレスを割り振っていったとしたらもう40分の1が使われてしまうのです。情報家電や家庭のパソコン、ゲーム機など様々な物がインターネットにつながる時代です。そう考えると、世界人口すらカバーできないIPv4は何とも頼りない規格に感じませんか?
 実際には、ローカルアドレスなどのからくりによって、今のところ不都合は生じていませんが、近い将来IPv4のアドレスが枯渇することは静かに問題になっているようです。

 その問題に対処する為、「インターネットの胴元」であるICANNは、インターネットのトップレベルドメイン、つまり一番大元の住所録を管理するルートサーバーに、IPv6のアドレスを加えました。

 ICANN、IPv6への移行を本格的に開始 CNET

インターネットのアドレスシステムを維持、管理する非営利団体Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)が、IPv6(Internet Protocol version 6)に準拠した最初のIPアドレスをルートサーバに追加した。これにより、IPv4からIPv6への大規模な移行が本格的に開始した。

 かなり以前から、IPv4アドレスが枯渇すると言うことは問題にされていましたが、いつまで経っても移行期が見えなかったため「石油みたいだな」と個人的に思っていたのですが、埋蔵量が確定できない石油に比べ、IPv4アドレスは物理的にかっちり上限が決まってしまっています。石油に比べれば、枯渇は現実的な問題だったわけです。では何故今までまともに対策が取られなかったかと言いますと、移行に対して大きなコストがかかると言うことです。

 先ほど、プロトコルは言葉と言う説明をしました。IPv6はIPのバージョン6、つまりIPv4の発展型ではあるのですが、英語とフランス語みたいな関係です。つまり、文法は似ているけれど、お話は通じないんです。それにより、両方のプロトコルに対応したサーバーを用意しなければならなかったり、家庭ではルーターを置き換えたりと言った様々な不都合が生じるのです。
 何より、IPv4で特に不都合はなかったし、そもそもインターネットアクセスの大元であるルートサーバーがIPv4にしか対応していなかったから、IPv6に移行するメリットが見えなかったわけです。

 ところが、今回ルートサーバーがIPv6に移行を始めたことで、世の中の大企業やISPがこぞって移行に移る可能性が出てきました。幸いなことに、準備期間は大変長いこと取られていましたから、大方の設備はすぐさまIPv6に移行が出来るよう対策が取られています。もっとも、家庭用ルーターや、Windows2000以前のOSでは対応していないことも多々ありますし、未対応のアプリケーションもごまんとあります。移行に関しては注意が必要になってきます。

 移行するのはかまわないんですけれど、移行することで機器の買い換えが発生するのはちょっと何とかして欲しいのが正直なところ。また、プロバイダなどのプラン変更も考えなくてはいけませんし・・・根本的なところだけに、企業よりもむしろ個人の負担(経済的、技術的)がかなり大きいような気がしてならないです。

 IPv6でプロバイダと言えば・・・OCNが一ヶ月300円でIPv6移行サービスをやっていました。現状ではどう考えても無理っぽかったり、もしくは大きな追加投資が必要になったり、さらにはIPv4でも出来そうなことを「IPv6」を導入すれば即出来る!ようなページ構成になっているのはちょっとどうだろう・・・そもそも、移行に300円の追加投資はないよなあ・・・


マンガを大量処分

2008-02-05 23:59:59 | Dialy

 私の趣味の一つにマンガの収集があります。いや蒐集と書いた方が良いかもしれない。

 今となっては、ありましたですかね。

 この15年くらい、マンガを買っては全く捨てない、売らない、というサイクルをずっと続けてきたところ、蔵書が何とも把握できないくらいになりまして、今回、とあるきっかけの元、大半を処分することになりました。

 コレクションを処分するというのは、話には聞いていましたけれど、身を切られるような思いがしますね・・・本当に。

 今度、ブックオフなどに持って行く予定ですが、そのときの様子はまたお伝えします。


RealPlayer、バッドウェア認定

2008-02-04 23:59:59 | Thinkings

 ストリーミング黎明期は、ファイルサイズが小さくて、そこそこ見える画質だったReal形式のビデオファイルがそこかしこで見受けられた物です。それこそ、ストリーミングを見るならば必須と言っても良いくらいの勢いでした。今で言うFlash・・・よりは汎用性が低いので、divXみたいなものです。
 ところが、一社独占に気を良くしたのか、アドウェアやらユーザー登録やら煩わしい物が色々インストーラーにくっついてくるようになり、RealPlayerそのものも、広告を表示したりやたらと重くなったり・・・divXが出てきた後は、コーデック共々見向きもされなくなったものです。

 そういう経緯がありますので、多分、この認定が無くても十分に「邪魔者」扱いされていたんじゃないでしょうか。かくいう私もその一人です。

RealPlayerが「バッドウェア」認定 ITmedia

 バッドウェアとされたのはRealPlayer 10.5と11。10.5については、ユーザーのコンピュータに広告ソフトがインストールされるという事実が完全に開示されていないと指摘。11については、Rhapsody Player Engineソフトがインストールされるという事実が公表されておらず、RealPlayerをアンインストールしても同ソフトが削除されないことを理由に挙げている。

 要するに、「挙動がトロイの木馬じゃないの」と指摘されたわけで、簡単に言えばマルウェアという烙印を押されたに等しいわけです。開発元のRealNetworksには大きな打撃となったことでしょう。現在、RealPlayerの使用人口がどれくらいかは分からないですけれど・・・問題視されるくらいにはユーザーがいるってことでしょうか。

 RealPlayerも最初は無料で、だんだん「こぶ」が増えていったわけですけれど、こういう傾向は、何もこのソフトだけの話ではありません。CDやDVDイメージを扱えるフリーソフトDeamonToolsも、ディフォルトではアドウェアをインストールするようになりましたし、LunascapeやSleipnirにしても、目的外のソフトをインストール出来るよう、インストーラーが設計されています。

 ソフトウェアを無料で提供する為には仕方ないかも知れませんが、昔からのユーザーに取っては釈然としないと言うのが本音でしょう。それなら、最初からお金を払った方が良いかな、とも思いますけれど、そうしてしまうと離れていくユーザーの方が多いでしょうね。個人的にベターだと思うやり方は、SleipnirのAmazonアフェリエイトを使った収益モデル。でも、世間的には結構な反発があるみたいですけれど・・・別に邪魔にならないから良いと思うんですけれどね。そういう意味では、誰にも敵を作らないけど、多分マネは出来そうにないiTunesの「市場を作ってしまう」やり方はやっぱり賢い、と思ってしまいますね。

 今回の件で、むやみやたらにジャンクソフトウェアをインストールしようとするインストーラーに歯止めがかかると良いですね。JWordとか。誰か、もっとスマートでナイスな収益モデルを考え出してくれない物ですかね・・・


マイクロソフトがYahoo!買収へ動くその2 iPhoneの行方は

2008-02-02 23:04:53 | Thinkings

 マイクロソフトがYahoo!を本気で買収にかかっている・・・これまではYahoo!の反対により実現しなかったこの案件ですが、今回は敵対的買収も辞さないというなりふり構わない展開になっています。もし買収が成功したならば、巨大なパッケージソフトウェア市場とwebでのネームバリューを併せ持つ、IT業界最大のコングロマリットが誕生します。

・・・と言う記事を前回書きましたが、今回は日本での今後の動向について考えてみたいと思います。と言いますのは、アメリカ本国をはじめとする他国と日本では、今回の件は大きく状況が異なるからです。

  Yahoo!の日本法人であるYahoo! Japanは、厳密に言うとYahoo!の子会社ではありません。米Yahoo!はYahoo! Japanに対し33.4%の出資にとどまっており、筆頭株主はあくまでソフトバンク(41.1%)であるからです。実際の運営においてもソフトバンクのグループ企業としての色の方が濃く、他国のYahoo!に比べても独自サービスを多く展開するなど異色な存在なのです。

 しかしながら、同じ名前を冠する以上、今回の件にも無関係ではいられません。買収が成功したならば、ソフトバンクとマイクロソフトの協力関係はより強固になることが考えられます。

 となると、気になるのはソフトバンクの事業展開・・・具体的には携帯電話事業について。

 DOCOMOとauがポータルに選んでいるという以前に、Googleは双方にとって共通の敵ですから、ソフトバンクからGoogleのフリー携帯OS、Androidを搭載した携帯が出るはちょっと難しいかも知れません。むしろ、Windows Mobileの対応携帯を一層増やしてくる可能性が示唆されます。

 さて、携帯のOSと言えば、去年大きな話題をさらっていった「OS X」搭載携帯iPhoneがあります。AppleとMicrosoftはPCの分野で競合関係にあるのは周知のところ。となると、ソフトバンクがiPhoneを獲得しようとしたときの障害にこそなれ、有利に働く事は無いでしょう。私なら、Yahoo!が買収された時点で、ソフトバンクをトトカルチョから外します。

 別にiPhoneにこだわらなくても・・・いや私がtouchを持っているから別にiPhoneはいらない、ってわけではなくて。要は、ソフトバンクがマイクロソフトと組んで、より魅力的な携帯電話用OSを開発できないか、と思うわけです。 iPhoneだって完璧ではありません。あのキーボードで長文を打ち込むのは至難の業ですし、ハードウェアキーボードを廃したデザインには賛否両論ありますから。Windows Mobileだって、安定性の問題から操作の煩雑さなど色々問題を抱えている点は一緒ですが、携帯キャリアと協力関係を結ぶことによって、それが大きく改善される可能性があるわけです。・・・「ベンダー」じゃない点が不安ですけれど。

 どっちにしろ、ナンバーポータビリティが利用できますので、どこのキャリアにiPhoneが流れようが、どこのキャリアがより素晴らしい携帯を開発しようが消費者にはあんまり関係なく、使いたい携帯を使えるという話ですけれど、「携帯電話業界」というくくりで見ると、なんだかおもしろいことになりそうです。もしかしたら、今回の件で世界一ダイナミックな変化が見られるのは本国アメリカではなく、他ならぬ日本かも知れませんね。


マイクロソフト、ヤフー買収へ動く

2008-02-01 23:59:59 | Thinkings

 検索エンジンでもっとも使われているのは、間違いなくGoogleです。ディファクトスタンダードとして使われる事による莫大な広告収入を後ろ盾に、さらなる設備の増強や新サービスの導入など、ウェブのイノベーションに力を入れ続けており、その勢いはとどまることを知りません。

 豊富な資金をバックに次々と公開される新技術。全てが成功に結びつくわけではありませんが、例えばGMailやGoogle Mapなど着実に成果を上げているサービスも生まれており、Googleへの集客力をより高めることに成功しています。Googleの運営資金は広告収入に依存しておりますので、集客=即収入につながり、その正の連鎖は今日まで脈々と受け継がれており、Googleのネットにおける立場をより盤石なものにしています。

 さて、ここでおもしろくないのが、ネット検索で老舗のYahoo!と、ご存じ世界最大のソフトウェア企業マイクロソフト。Yahoo!はそのものずばりYahoo!というポータルサイトをインターネット黎明期から運営しており、ディレクトリ型検索サービスから名を馳せて、その大きなブランドイメージを形成してきました。しかし、Googleには勝てない。

 マイクロソフトは言わずと知れたWindowsの開発、販売元。他にも MS Officeなどの有名ブランドを多く抱える世界最大のソフトウェアベンダー。その下地を生かし、MSNでポータル事業に参入したのですが・・・やっぱりGoogleには勝てない。

 このままでは、まず追いつくどころか差を離される一方。こういう状況に業を煮やしたマイクロソフトは、以前からしばしばYahoo!の買収を試みてきました。検索業界2位と3位が統合し、統一ポータルを運用するようになれば、Googleに対抗できる可能性があるからです。ですが、今までは、Yahoo!に承認を得られず、買収交渉は物別れに終わってきました。

 ところが、今回ばかりはマイクロソフトも本気みたいです。

米マイクロソフト、ヤフーに買収申し入れ…446億ドル YOMIURI ONLINE

界最大のソフトウエアメーカー、米マイクロソフトは1日、インターネットポータル(玄関)サイト最大手の米ヤフーに買収を申し入れたと発表した。

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 買収提示額は446億ドル(約4兆7500億円)。ネット検索市場におけるヤフーのブランド力とマイクロソフトの資金力を融合し、ネット検索首位の米グーグルに対抗する狙いだ。

 現時点でのGoogleの市場占有率は60%程度。Yahoo!が20%でMSNが10%ですから合わせて30%、さらに買収による統合の効果で、より市場占有率向上が期待されるため、Googleにようやく対応できる土壌が整うこととなります。

 マイクロソフト側が提示した購入金額はYahoo!の市場価値の162%。かなりの好条件です。これだけでもマイクロソフトの意気込みが感じられますが、さらに交渉決裂の場合でも「敵対的買収」を計画しているとか。この買収に賭ける本気さが伺えます。

 この買収が成功したらなら、インターネットの勢力図は間違いなく変わることでしょう。Googleがシェアをさらに伸ばすか、それともMSNおよびYahoo!に追撃できる態勢が整うのか・・・興味は尽きません。

 ちなみに、日本のYahoo! Japanは、アメリカ本国のYahoo!とはキャラクターが全く違います。意志決定も日本独立でやっており、ずいぶんと異質なのです。とはいえ、買収成功によって米Yahoo!の名称が変わったときは、日本でも影響は無視できないです。多分、国内においてはそのままにするか、世界的にMSNを縮小・終了などの立場を取るとは思いますけれどね。