Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

マイクロソフト、ヤフー買収へ動く

2008-02-01 23:59:59 | Thinkings

 検索エンジンでもっとも使われているのは、間違いなくGoogleです。ディファクトスタンダードとして使われる事による莫大な広告収入を後ろ盾に、さらなる設備の増強や新サービスの導入など、ウェブのイノベーションに力を入れ続けており、その勢いはとどまることを知りません。

 豊富な資金をバックに次々と公開される新技術。全てが成功に結びつくわけではありませんが、例えばGMailやGoogle Mapなど着実に成果を上げているサービスも生まれており、Googleへの集客力をより高めることに成功しています。Googleの運営資金は広告収入に依存しておりますので、集客=即収入につながり、その正の連鎖は今日まで脈々と受け継がれており、Googleのネットにおける立場をより盤石なものにしています。

 さて、ここでおもしろくないのが、ネット検索で老舗のYahoo!と、ご存じ世界最大のソフトウェア企業マイクロソフト。Yahoo!はそのものずばりYahoo!というポータルサイトをインターネット黎明期から運営しており、ディレクトリ型検索サービスから名を馳せて、その大きなブランドイメージを形成してきました。しかし、Googleには勝てない。

 マイクロソフトは言わずと知れたWindowsの開発、販売元。他にも MS Officeなどの有名ブランドを多く抱える世界最大のソフトウェアベンダー。その下地を生かし、MSNでポータル事業に参入したのですが・・・やっぱりGoogleには勝てない。

 このままでは、まず追いつくどころか差を離される一方。こういう状況に業を煮やしたマイクロソフトは、以前からしばしばYahoo!の買収を試みてきました。検索業界2位と3位が統合し、統一ポータルを運用するようになれば、Googleに対抗できる可能性があるからです。ですが、今までは、Yahoo!に承認を得られず、買収交渉は物別れに終わってきました。

 ところが、今回ばかりはマイクロソフトも本気みたいです。

米マイクロソフト、ヤフーに買収申し入れ…446億ドル YOMIURI ONLINE

界最大のソフトウエアメーカー、米マイクロソフトは1日、インターネットポータル(玄関)サイト最大手の米ヤフーに買収を申し入れたと発表した。

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 買収提示額は446億ドル(約4兆7500億円)。ネット検索市場におけるヤフーのブランド力とマイクロソフトの資金力を融合し、ネット検索首位の米グーグルに対抗する狙いだ。

 現時点でのGoogleの市場占有率は60%程度。Yahoo!が20%でMSNが10%ですから合わせて30%、さらに買収による統合の効果で、より市場占有率向上が期待されるため、Googleにようやく対応できる土壌が整うこととなります。

 マイクロソフト側が提示した購入金額はYahoo!の市場価値の162%。かなりの好条件です。これだけでもマイクロソフトの意気込みが感じられますが、さらに交渉決裂の場合でも「敵対的買収」を計画しているとか。この買収に賭ける本気さが伺えます。

 この買収が成功したらなら、インターネットの勢力図は間違いなく変わることでしょう。Googleがシェアをさらに伸ばすか、それともMSNおよびYahoo!に追撃できる態勢が整うのか・・・興味は尽きません。

 ちなみに、日本のYahoo! Japanは、アメリカ本国のYahoo!とはキャラクターが全く違います。意志決定も日本独立でやっており、ずいぶんと異質なのです。とはいえ、買収成功によって米Yahoo!の名称が変わったときは、日本でも影響は無視できないです。多分、国内においてはそのままにするか、世界的にMSNを縮小・終了などの立場を取るとは思いますけれどね。