Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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ウォルマート、HD DVD全撤去

2008-02-16 19:17:35 | Thinkings

 もしかしたら、このネタで記事を書くのも後2回くらいかも知れませんね。

 ワーナーがBlu-Rayに一本化し、もはやプレイヤーの低価格さくらいでしか優位性の無くなってしまった東芝のHD DVD。メディアからも東芝のHD DVDからの「撤退」やBlu-Rayへの「鞍替え」と言う憶測がでるなど、「もうだめかもわからんね」という空気は漂っていましたが・・・ある意味とどめとも言える発表がされました。

 新世代DVD、米でブルーレイの優位拡大・小売りが支持 Nikkei Net

小売り最大手のウォルマート・ストアーズが15日、東芝陣営の「HD―DVD」規格の製品を徐々に店頭から撤去し、6月以降はBD製品だけを扱うと発表した。映画会社の間でもBD支持が広がっており、HD―DVD側は主要な販路を失いつつある。

 アメリカでのウォルマートの影響力は正に絶大で、DVDソフト販売の約4割を握っています。今回の発表は、全米の4割の店舗からHD DVDが消えると言うことと同意なのです。

 ワーナーがHD DVDを切り捨ててから、あれほど強気だった東芝のスポークスマンもすっかり鳴りを潜め、そもそもHD DVDについての声明を出すことすら無くなってしまいました。前回はコンテンツホルダーでしたが、今度は小売店と言うことで、よりユーザーに近い存在です。単純に、手にとってもらえる機会が激減するわけですから、前回のワーナーの時よりも甚大な影響があるのではないでしょうか。

 もう、こうなってしまっては、3つくらい奇跡が起こらないことにはHD DVDの勝利はあり得ないでしょう。つまり、敗北はほぼ確定しました。

 今後、東芝の取り得る道は、HD DVDと心中するか、Blu-Rayにも対応するユニバーサルプレイヤーを作っていくか、HD DVDから撤退するか・・・というアナリストが予想した通りの道しか、順当に考えれば残されていないように思います。何というか、この下りはDreamCastからの撤退を決めたセガに重なってしまいますね。もともとDVDレコーダーではファンの多い東芝のこと。Blu-Ray陣営に加わり、市場を活性化させる方向へ動いてくれた方が業界の為になると思いますけれどね。

 後は東芝が折れるだけ、という状況になった次世代メディア戦争・・・ようやく集結の兆しが見えたところで、安心してBlu-Rayを人に勧めることが出来ますけれど・・・そもそも、そういう高画質のコンテンツにお金を余分に払えるような、成熟した市場になっているのかという根本的なところや、iTunes Storeをはじめとするネットワークコンテンツの台頭による新たな闘争という問題も頭をもたげてきています。そのあたりはレンタルビデオショップがレンタルBlu-Rayの取り扱いを始めたら、徐々に解決していくようにも思いますけれど。

 メディアの一本化という問題が終わったとしても、まだまだ混迷は続きそうですよ。