Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

自販機の商品拡充を効率化

2008-02-18 21:09:03 | Technology

 ロボット、と一口に言っても、何もアトムのような人型をしているものばかりではありません。懐かしのAIBOのような犬型や、工場で使われている手だけのロボットなど、様々な形や目的のものがあります。

 ロボットと言うと意外に思う方も多いかも知れませんが、例えばATMも、「人間の窓口業務の替わりをする」という意味で、ロボットの範疇に含まれます。お客と対話しサービスを提供、現金を間違いなく扱う業務をまるまる肩代わりするのですから、夢がないですけれど、ASIMOよりも立派に役に立っているロボットです。

 そう考えると、世の中でもっとも身近で、かつ有用に役立っているロボット像が見えてきます。

 いつも街角に立ち、お客に商品を選ばせ精算し、的確におつりを返す・・・そう、ジュースや、時には軽食やお菓子などを扱う自動販売機です。これも、商店の替わりをしているロボットの仲間で、いつ何時でも冷たい炭酸飲料や、暖かいコーヒーを提供してくれる現代人の味方です。

 しかし、この自動販売機にも大きな弱点があります。普通の商店なら、品切れになりそうなら早めに発注を行うなど、臨機応変な対応が出来ますが、自販機はサービスマンを待つことしかできません。つまり、商品の仕入れ調整が出来ないのです。
 せめて、商品が無くなりそうになったら発注をかけるか、本部に対して売り上げを逐一報告できるような仕組みがあれば・・・日本コカコーラが考えたのは、そこまでは行かないまでも、在庫を的確に、しかも遠距離から取得するシステムでした。

 FOMAを活用して自販機の商品補充を効率化,日本コカがドコモと共同で新システム ITPro

 新システムでは赤外線通信機能に加え,FOMAのデータ通信カードを携帯端末に実装。同じくFOMAのデータ通信カードを搭載した自動販売機との間で遠隔から在庫情報を取得できるようにする。担当者は自動販売機とトラックとの間を1回往復するだけで済むようになる。特に高層ビルの上層階や駅構内にある自動販売機の場合は移動に時間がかかり,「1回の商品補充に平均30分程度かかっている。新システムの導入で5~10分程度短縮できる見込み」(日本コカ・コーラ)である。

 簡単にまとめるなら、自販機から離れていても、在庫状況が分かるシステムです。内容を読む限り、こちらからの問い合わせに対してそれぞれの自販機が在庫情報を送信。それを見て、サービスマンが配送車で補充在庫を準備することで、手間を大幅に省くことが出来るとか。
 以前、宅急便で、配送ルートを自動で選定してくれるプログラムを使っているという事を聞きましたが、自動販売機網でも同じようなことが出来そうです。これによって、人間の手間が一つ省けることになりますので、効率化という面で正しい技術の使い方なのではないでしょうか。

 「こんなちょっとしたことで」と思うかも知れませんが、何も、派手で大きな成果だけが技術の使い方ではありません。むしろ、こういう小さな手間を省いていく事こそが正道であり、その積み重ねで今の生活が成り立っていると思うのです。

 半ばFOMAのコマーシャルに使われているかのような今回の報道ですけれど、これでまた一つ、世の中が便利になりました。次はどんな小さな手間が無くなるのか・・・こういう、「あ、便利」とつぶやけるくらいの技術の方が、世の中に広く、長く浸透するものですよ、多分。