Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

マイクロソフトがYahoo!買収へ動くその2 iPhoneの行方は

2008-02-02 23:04:53 | Thinkings

 マイクロソフトがYahoo!を本気で買収にかかっている・・・これまではYahoo!の反対により実現しなかったこの案件ですが、今回は敵対的買収も辞さないというなりふり構わない展開になっています。もし買収が成功したならば、巨大なパッケージソフトウェア市場とwebでのネームバリューを併せ持つ、IT業界最大のコングロマリットが誕生します。

・・・と言う記事を前回書きましたが、今回は日本での今後の動向について考えてみたいと思います。と言いますのは、アメリカ本国をはじめとする他国と日本では、今回の件は大きく状況が異なるからです。

  Yahoo!の日本法人であるYahoo! Japanは、厳密に言うとYahoo!の子会社ではありません。米Yahoo!はYahoo! Japanに対し33.4%の出資にとどまっており、筆頭株主はあくまでソフトバンク(41.1%)であるからです。実際の運営においてもソフトバンクのグループ企業としての色の方が濃く、他国のYahoo!に比べても独自サービスを多く展開するなど異色な存在なのです。

 しかしながら、同じ名前を冠する以上、今回の件にも無関係ではいられません。買収が成功したならば、ソフトバンクとマイクロソフトの協力関係はより強固になることが考えられます。

 となると、気になるのはソフトバンクの事業展開・・・具体的には携帯電話事業について。

 DOCOMOとauがポータルに選んでいるという以前に、Googleは双方にとって共通の敵ですから、ソフトバンクからGoogleのフリー携帯OS、Androidを搭載した携帯が出るはちょっと難しいかも知れません。むしろ、Windows Mobileの対応携帯を一層増やしてくる可能性が示唆されます。

 さて、携帯のOSと言えば、去年大きな話題をさらっていった「OS X」搭載携帯iPhoneがあります。AppleとMicrosoftはPCの分野で競合関係にあるのは周知のところ。となると、ソフトバンクがiPhoneを獲得しようとしたときの障害にこそなれ、有利に働く事は無いでしょう。私なら、Yahoo!が買収された時点で、ソフトバンクをトトカルチョから外します。

 別にiPhoneにこだわらなくても・・・いや私がtouchを持っているから別にiPhoneはいらない、ってわけではなくて。要は、ソフトバンクがマイクロソフトと組んで、より魅力的な携帯電話用OSを開発できないか、と思うわけです。 iPhoneだって完璧ではありません。あのキーボードで長文を打ち込むのは至難の業ですし、ハードウェアキーボードを廃したデザインには賛否両論ありますから。Windows Mobileだって、安定性の問題から操作の煩雑さなど色々問題を抱えている点は一緒ですが、携帯キャリアと協力関係を結ぶことによって、それが大きく改善される可能性があるわけです。・・・「ベンダー」じゃない点が不安ですけれど。

 どっちにしろ、ナンバーポータビリティが利用できますので、どこのキャリアにiPhoneが流れようが、どこのキャリアがより素晴らしい携帯を開発しようが消費者にはあんまり関係なく、使いたい携帯を使えるという話ですけれど、「携帯電話業界」というくくりで見ると、なんだかおもしろいことになりそうです。もしかしたら、今回の件で世界一ダイナミックな変化が見られるのは本国アメリカではなく、他ならぬ日本かも知れませんね。