今、ゲーム業界でトップ、それも圧倒的な差を付けて独走しているのは、紛れもなく任天堂です。WiiとDSという二本柱に加え、自社開発の対応ソフトも破竹の勢いで売れています。昨年一年間のWii・・・と言うよりも家庭用据え置きゲーム機の市場は、ほぼ「任天堂が一社で作った」と言ってもいいくらいですから。
替わりと言っては何ですが、PSで任天堂とセガを蹴散らし、PS2で世界一のハードウェアプラットフォームを確固たる物としたソニーは低迷し続けています。今後、改善する兆しもあるにはあるのですが・・・とりあえずPS2互換とSACDプレイヤーをもう一回付けて欲しいです。
しかし、ソニーはまだマシなのかも知れません。低迷しているとはいえPS3は売れていないわけではありませんし、PSPはそれなりに好調です。それよりももっと、苦境に立たされているところも存在するのですから。Microsoft?いえ、欧米ではPS3よりも売れています。苦境に立たされているのは、黎明期のゲーム「プラットフォーム」であるゲームセンター、今風に言うとアミューズメントセンターです。
バンナム、ゲーム施設約60店閉鎖 産経新聞
バンダイナムコホールディングスは6日、子会社のナムコが国内で運営するアミューズメント施設の約2割にあたる50~60店を今期中に閉鎖すると発表した。原油高などでショッピングセンター(SC)の客数が減り、既存店が低迷したため。
閉鎖に伴う約20億円の特別損失計上などで、平成20年3月期連結業績の見通しを下方修正。最終利益予想を265億円から165億円とした。
ここで言うアミューズメントセンターとは、郊外型大型ショッピングセンターに併設、内包されているゲームセンターのことです。ちょっとした空き時間や子供を遊ばせておくスペースとしてあるあの空間が無くなるのはちょっと寂しい気もしますけれど・・・近年はクレーンゲームやメダルゲームばっかりで、大して魅力的な空間でも無かったと言えばそうですねえ・・・
何でも、今回の閉鎖の背景には、「利益率の高い業務用テレビゲームの低迷」もあるのだとか。私が学生の頃はKOFとかストリートファイター3rdなどの格闘ゲーム全盛期で、ゲーメストや後継のアルカディアと言ったゲーセン専門誌が普通に市民権を得ていました。私はあのレバーが苦手だったのであんまりやりませんでしたが、友達につきあってよく行ったものです。
あの頃は「ゲームセンターでしか出来ない」ゲームもたくさんあったし、対戦相手とか、コミュニティーを求めてゲーセンに行っていた人も多かったと思います。しかし、コンシューマーハードの性能が上がったり、ネットや携帯などのコミュニケーションツールが氾濫していたり、ゲーム以外の娯楽が爆発的に増えたことで、「一回いくら」のゲーセン文化は衰退していったのではないでしょうか・・・などと難しいことを言ってみましたが、要するに、昔ほどゲーセンに魅力を感じる人が減った、ということですよ。
しかし、ヴァーチャファイターから始まり、三国志対戦やらガンダムなど大きく展開してきた「ICカード」を使ったゲームも定着してきていますし、クレーンゲームなども根強い人気を保持している現在、すぐさまゲームセンターが消えてしまうと言うことはないでしょうけれど・・・一見さんを固定客にする取り組みを重点的に勧めていかないと、ゲームセンターも二極化により一層拍車がかかるでしょうね。
気になるのは、バンナムの今回の措置を受けてのセガをはじめとする他社の動き。果たして近所のセガワールドは生き残れるんでしょうか・・・