今の世の中のコンピューターネットワーク、インターネットや企業、家庭内LANなど、ほとんど全てにおいて使われているプロトコル、それがTCP/IPと呼ばれている通信規格です。このTCP/IP、間にスラッシュが挟んである事からも分かるように、実は二つの規格を合わせて呼んでいます。これらTCPとIPは、今日のネットワークの世界では、ほぼ組み合わせて扱われることが多いため、このような呼び方になっているのです。と言うわけで今回は、TCP/IPの「IP」のお話です。
その前に、プロトコルについて簡単に補足を。他人に物を伝えるとき、声に出す場合も紙等に書く場合も、多くの場合「言葉」を使います。これは、双方で使う「言葉」のルール、つまり「規格」が同じだから成り立つこと。日本語や英語、ドイツ語などは、それぞれの言葉の「規格」であると言えます。
コンピューターネットワークの世界でも同じ事で、規格に定められた「言葉」に従って、それぞれの間で通信をやりとりしています。その「言葉」に当たるのが「プロトコル」です。今日のインターネットは、それぞれのコンピューターが、「TCP/IP」という「言葉」を使って会話をしていると考えて、概ね間違いないと思います。
さて、現在使っているプロトコル、TCP/IPでは、それぞれのコンピューターに「IPアドレス」という「番地」を付けて、通信データの宛先を特定しています。このIPアドレスが付いていないと、どのコンピューターに向けた通信か分からないですから、インターネットやLANを運営していく上で要となる大切な物です。しかしながら、今現在最も多く使われているIPのバージョン4、つまりIPv4では40億個までしか割り振ることが出来ません。
40億個というとずいぶん多いように思います。しかし、日本において携帯電話が1億台を突破しましたが、それら全てがインターネットに接続できるとして、一つ一つにIPアドレスを割り振っていったとしたらもう40分の1が使われてしまうのです。情報家電や家庭のパソコン、ゲーム機など様々な物がインターネットにつながる時代です。そう考えると、世界人口すらカバーできないIPv4は何とも頼りない規格に感じませんか?
実際には、ローカルアドレスなどのからくりによって、今のところ不都合は生じていませんが、近い将来IPv4のアドレスが枯渇することは静かに問題になっているようです。
その問題に対処する為、「インターネットの胴元」であるICANNは、インターネットのトップレベルドメイン、つまり一番大元の住所録を管理するルートサーバーに、IPv6のアドレスを加えました。
インターネットのアドレスシステムを維持、管理する非営利団体Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)が、IPv6(Internet Protocol version 6)に準拠した最初のIPアドレスをルートサーバに追加した。これにより、IPv4からIPv6への大規模な移行が本格的に開始した。
かなり以前から、IPv4アドレスが枯渇すると言うことは問題にされていましたが、いつまで経っても移行期が見えなかったため「石油みたいだな」と個人的に思っていたのですが、埋蔵量が確定できない石油に比べ、IPv4アドレスは物理的にかっちり上限が決まってしまっています。石油に比べれば、枯渇は現実的な問題だったわけです。では何故今までまともに対策が取られなかったかと言いますと、移行に対して大きなコストがかかると言うことです。
先ほど、プロトコルは言葉と言う説明をしました。IPv6はIPのバージョン6、つまりIPv4の発展型ではあるのですが、英語とフランス語みたいな関係です。つまり、文法は似ているけれど、お話は通じないんです。それにより、両方のプロトコルに対応したサーバーを用意しなければならなかったり、家庭ではルーターを置き換えたりと言った様々な不都合が生じるのです。
何より、IPv4で特に不都合はなかったし、そもそもインターネットアクセスの大元であるルートサーバーがIPv4にしか対応していなかったから、IPv6に移行するメリットが見えなかったわけです。
ところが、今回ルートサーバーがIPv6に移行を始めたことで、世の中の大企業やISPがこぞって移行に移る可能性が出てきました。幸いなことに、準備期間は大変長いこと取られていましたから、大方の設備はすぐさまIPv6に移行が出来るよう対策が取られています。もっとも、家庭用ルーターや、Windows2000以前のOSでは対応していないことも多々ありますし、未対応のアプリケーションもごまんとあります。移行に関しては注意が必要になってきます。
移行するのはかまわないんですけれど、移行することで機器の買い換えが発生するのはちょっと何とかして欲しいのが正直なところ。また、プロバイダなどのプラン変更も考えなくてはいけませんし・・・根本的なところだけに、企業よりもむしろ個人の負担(経済的、技術的)がかなり大きいような気がしてならないです。
IPv6でプロバイダと言えば・・・OCNが一ヶ月300円でIPv6移行サービスをやっていました。現状ではどう考えても無理っぽかったり、もしくは大きな追加投資が必要になったり、さらにはIPv4でも出来そうなことを「IPv6」を導入すれば即出来る!ようなページ構成になっているのはちょっとどうだろう・・・そもそも、移行に300円の追加投資はないよなあ・・・
既にIPv6なんだよなー
あくまで、NTTまでの経路がIPv6になるだけみたい・・・
末端として上位網に既に乗ってるなら
あまり意識しなくてもいいんじゃないかな、と
いずれ地デジみたいに強行される日が来るんかな
とはいえ、アメリカの息はかかっているんで、どうなるかわからないね。