実際問題として、AppleのiPhoneが成功であったかどうかというのは怪しいものがあります。自分でも使っているわけですが、携帯電話としてみるととんでもなく使いにくく、携帯メールとしての使い勝手もポンコツ以外の何者でもありません。ソフトウェアといえどキーボード入力は便利ですが、それ以外は、特にメール受信がダメダメです。動作も物理的にも重いですしね。
まあ、私はそのような欠点と「ネットがそれなりに使える」「アプリが追加できる」という点をトレードオフして使っているのですが、他のユーザーの方も、それがなければ特に使う理由って無いのではないでしょうか。
先日、そのアプリのダウンロードが10億を超えたと言うことでニュースになっていましたが、iPhoneのユーザー層形成において、アプリ開発者の功績というのは並々ならぬものがあります。・・・が、当のAppleは開発者に対して誠実な態度を取っていない様です。
iPhone用アプリケーション開発者、支払い遅延に対してついに訴訟を検討? TechCrunch
AppleはiPhoneの開発者に対する支払いを遅らせているだけではなく、一部の開発者に対してはApp Storeでの売上げに対する支払いを全く行っていないようだという記事を以前掲載した。私たちとしては記事によってAppleに問題を認識して欲しいと考えていた。しかしAppleは開発者の不満を無視し、一部の開発者は契約違反によってAppleを訴えると息巻く状況になってしまっている。
有料のアプリ開発に伴う開発者への利益の分配は、契約上も必ず行わなければいけないものでありますが、それがうまく機能していないと言うことは実にゆゆしき事態であると言わざるを得ません。以前から、App Storeの運営については、アプリケーションの審査についていろいろと論議がされていたところですが、もっと深刻な「カネ」の問題に発展したようです。
そして、この問題についてのAppleの対応がまた、火に油を注ぐ結果になっているとか。
この開発者の苦情に回答しているAppleの従業員は、開発者の支払い遅延に関する度重なるメールを「迷惑行為」のようなものだとし、ファイナンスチームの受け取るメールは1日に数千通にも達し、すぐには処理できないのだと書いている。
苦情をスパム扱いしてはダメですよねえ・・・。
これは、iPhoneのアプリ提供をApp Storeで一元管理していることにそもそも問題の発端があります。要するに、すべてを自社でやろうというところに無理が出てきたと言うことですよ。今後、MicrosoftやGoogleも同じようなことをやろうとしているようですから、訴訟まで発展するとしたら、今回の件は良い懸案事項になったのではないでしょうか。
それにしても、この事についてTechCrunchしかまともに報じていないようですが・・・Apple関係の不祥事は外に漏れにくくなっているんでしょうかねぇ。