Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

MS Officeのフォーマット情報が公開に・・・互換ソフトの開発が容易に

2008-03-01 23:59:59 | Thinkings

 マイクロソフトOffice・・・世界でもっとも普及しているオフィススイートにして、世界でもっとも使われているファイルフォーマット群、そして、「世界一真似をされている」ビジネスアプリケーション群でもあります。

 Windows普及の陰の立て役者であり、「周りも使っているから自分も」という典型でもあります。しかしながら、その価格は個人で買うにはいささか高いため、いわゆる「互換」ソフトが大量に出回っております。一番有名どころのOpenOffice.orgしかり、KingOfficeしかり、ちょっと機能的に落ちますけれどGoogleのWriteとSpreadSheetとか。・・・一太郎は「互換」じゃなくてれっきとした「オリジナル」ですが、Word形式が読み込める時点でこのカテゴリに含まれるのでしょうかね・・・悲しすぎる。

 さて、これらの互換ソフト、Word形式やExcel形式のファイルを安価に扱え、見た目もほとんど同じという点をウリにしていますが、実際にファイルを読み込んでみると、どうしても再現度は100%とはいきません。何故かと言いますと、これまでMS Officeのファイル形式の中身がどうなっているか、どのように文書が保存されているかという仕組みが公開されておらず、互換ソフトは自分たちで勝手に解析して再現しているに過ぎなかったからです。要するに、解析に間違いがあった場合、正しく動作しないと言うわけです。

 しかし、少なくとも今後は、解析の間違いによる再現度の低下は見られなくなるかも知れません。なぜなら、マイクロソフトがファイルフォーマットの仕組みを公開してしまったからです。

米Microsoftがついに,バイナリ形式のOffice文書仕様を公開 ITpro

 米Microsoftは2008年2月16日(米国時間),Office 97以降で採用するバイナリ形式のOffice文書仕様を公開した。拡張子が「.doc」「.xls」「.ppt」であるOffice文書を,同社の新フォーマット「Open XML」に変換することを目的とした技術情報公開である。

Open XMLは、マイクロソフトが勧めるオフィス文書の標準化規格。実は、先に出てきたOpenOffice.orgのファイル形式を元にした「OpenDocument Format(ODF)」も同じような地位を狙っており、マイクロソフトは牽制という意味でも、今回の措置を使って市場の指示を仰いだと言えます。

 サードパーティにとって見れば、正に棚からぼた餅。これで、より互換性が高いOfficeスイートを作成できたり、Excel形式やWord形式のデータで処理結果を吐くと言った用途にも格段に使いやすくなったわけですから、世間的に言えば、Word形式やExcel形式の重要性(と汎用性)がより高まった、と言えるのではないでしょうか。

 元々マイナーなODFに比べ、圧倒的なバックボーンを持っているOpen XMLが、今後スムーズに普及するために、今回の一般化プロセスはとても有意義であると思います。と言うか、.xlsや.docの仕様が公開されたなら、OpenOffice.orgでしか使えない独自形式を使う意味なんてあるのでしょうか?さらに言えば、その使う意味が薄い形式を元にしたODFも、別に使わなくてもかまわないでしょう・・・それをいうなら、別にOpen XMLなんぞ使わなくても.xlsや.docでいいや・・・なんてことにもなるわけですけれどね。

 私もプログラムはたしなみますので、個人的にも資料には興味があったりしますが・・・こういうサンデープログラマーとか非職業プログラマーにまで、ExcelやWord形式の裾野を広げてくれた訳ですから、今回の資料開示は非常に有意義且つ、大きな意味があったのだと思いますよ。



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