Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

MP3裁判に光

2007-08-08 21:38:05 | Thinkings
 二日続けて裁判の話で申し訳ないですが、以前にお伝えしたMicrosoftとAlcatel-Lucent社のMP3裁判において、一時期不利な判決を受けたマイクロソフトに、それを覆す有利な判断が下されたようです。

MicrosoftとLucentのMP3特許侵害訴訟,地裁がMS不利の評決を覆す ITPro

 米国カリフォルニア州南地区米連邦地方裁判所は米国時間8月6日,米MicrosoftとフランスAlcatel-Lucentのあいだで係争中のMP3技術に関する特許侵害訴訟において,Microsoftに対して賠償約15億ドルの支払いを命じた陪審評決を覆した。

 そもそもこの裁判は、前身のLucent社がMP3の特許侵害をDELLとGatewayに申し立て、Microsoftがそれを救援したことから始まっています。
 奇妙なことに、MicrosoftはMP3のライセンシーをすでに独Fraunhoferから
受けており、提訴の事実についてはまったく事実無根だと訴えていることです。
 ライセンスに関しては何もMicrosoftだけの話ではなく、Appleなど他の大手ベンダーについても同様です。つまり、この裁判でMicrosoftが負けてしまうと、AppleやSonyも巨額の賠償金リスクにさらされる危険性があったのです。

 そして、Microsoftは負けてしまいました。

 Alcatel-Lucentはほくそ笑んでいたことでしょう。しかし、今回の判断は前回の判決とはまるっきり逆の方向に転がったのです。
 内容的には、

同地裁のRudi M. Brewster判事はMicrosoftが457特許を侵害していないことと,Fraunhoferが080特許の共同所有者であると認定し,評決と異なる判断をした。

と、Alcatel-Lucent社の主張がまったく認められませんでした。

 ここまではっきり言い切られてしまうと、前回Microsoftは、まったくの濡れ衣によって陥れられたとも言えます。

 なぜこんな事が起きたかと申しますと、前回の時も書きましたけれど、陪審員制度の悪い点が露呈したと言うことでしょう。
 あやふやで不確かな訴えでも、陪審員の心証さえ勝ち取れば、相手に巨額の賠償金を請求できる・・・今回の件では判事が後に正したわけですけれど。

 このような特許裁判で、かつ専門的な内容の話ですと、一般の人には正直荷が重いでしょう。ともすれば今回のように、業界全体に大きな波紋を広げるようなことでも、弁護士のプレゼン一つで簡単に間違った方に転がってしまいます。

 私は今回は、Microsoft(もちろんSonyやAppleも含めて)の方が正しいと信じています。言ったもんがちの馬鹿げた訴訟をいさめるためにも、Alcatel-Lucent社には徹底的に負けて欲しいものです。 


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